ツンデレバレンタイン
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第六章
「受けてもらってよかったわ」
「まあ断られるとは思ってなかったけれどね」
「絶対にね」
「真帆ちゃんわかりやす過ぎるし」
「岸田君その真帆ちゃんの言うことについていってたし」
「彼もまんざらじゃないってね」
「それもわかったから」
だからだというのだ。
「彼性格いいしね」
「親切で気が利いてね」
「紳士だしね」
「そうした性格だからね」
「好きになるわよね」
「性格よ、人は」
真帆も言い切った。
「外見じゃないわよ」
「それよね」
「よく言われるけれど」
「真帆ちゃん実際にそうなのが凄いわ」
「まさに漢よ」
「女の子だけれどね」
クラスメイト達は言い切った真帆に笑顔で話した。
「そこでそう言うのがね」
「本当に凄いわよ」
「人間中々そうはいかないわよ」
「現実にはね」
「私だって外見に自信ないから」
真帆は少し小さくなった感じで話した。
「実は」
「お顔よね」
「その垂れ目のこと言ってるわね」
「いつも泣きそうなお顔に見えるって」
「それが嫌なのよね」
「眉の形もね、子供の頃なんか泣いてないのにね」
それでもだったというのだ。
「いつも泣いてるってね」
「そう言われてたのね」
「子供の頃は」
「そうだったのね」
「それで泣き虫って仇名だったの」
泣いていないがというのだ。
「それが嫌だったし」
「それでなのね」
「今もなのね」
「それがコンプレックスなのね」
「目と眉の形が」
「そうなの、外見じゃないっていうのはね」
このことはというのだ。
「私自身わかってるつもりだし」
「相手の子にもなのね」
「性格ね」
「まずは」
「そう思ってるから」
だからというののだ。
「今日のこともよ」
「岸田君がああした子だから」
「凄く性格がいいから」
「それでなのね」
「そう、チョコあげて」
本命のそれをだ。
「告白してね」
「無事に受けてもらって」
「それで今まで惚けてたのね」
「オーバーヒートになって」
「そうなの、いや本当によかったわ」
真帆は今度はこう言った。
「私幸せよ」
「よかったわね、本当に」
「そのことはお祝いさせてもらうわ」
「これからもね」
「有り難う、私彼とずっと幸せにやっていくわね」
真帆はクラスメイト達ににこりと笑って応えた、その顔はとても晴れやかで可愛らしく澄み切ったものだった。まるで素直になった時の彼女の心の様に。
ツンデレバレンタイン 完
2020・1・29
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