レーヴァティン
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第百三十七話 肝その九
「地中湖の沿岸部は全部な」
「手に入れたか」
「そうなったぜ」
笑ってだ、久志はミルクティーを飲む英雄に話した。
「何とかな」
「それは何よりだな」
「東に西に軍勢を出したんだよ」
「湖ということは船を出してか」
「そうだよ、そっちも水軍持ってるけれどな」
英雄の東の浮島での戦はもうこの店で彼自身が話している、その話を聞いてそのうえでの言葉である。
「地中湖は広いだろ」
「そちらは俺達以上にだな」
「ああ、本当にな」
「水軍を使ってか」
「戦っていたぜ」
そうだったというのだ。
「かなり激しくな」
「そうだったか」
「けれどこれでな」
「かなりの勢力になったな」
「ローマ帝国って言ったけれどな」
「そのローマの様にか」
「勢力を拡大出来たぜ」
そうなったとだ、久志は英雄に笑顔で話した。
「何とかな、政もな」
「そちらもだな」
「出来てるぜ」
「それは何よりだな」
「貴族も平民もな」
「治めているか」
「正直貴族の権限はかなり奪ってるぜ」
そうしたことはしているというのだ。
「やっぱりな」
「お前と仲間達に権限を集めているな」
「中央集権ってやつだな」
「それでいっているな」
「流通や交通にも力入れてるしな」
そちらの政策にもというのだ。
「そうしているからな」
「だから余計にだな」
「中央集権は進めているぜ」
貴族達の権限を奪い自分と仲間達に権限を集中させてというのだ。
「そうしているぜ」
「では領主達もか」
「ああ、爵位はそのままでもな」
「それでもだな」
「その地域の君主位にしてな」
その立場はというのだ。
「租税とか軍の指揮権とかは」
「お前と仲間達に集めているか」
「中央集権ってことでな、しかしな」
久志はお茶を飲みつつこうも言った。
「お前はそっちの世界でもな」
「相変わらずと言いたいか」
「素っ気ないな、土佐の若い殿様と薩摩の四兄弟はか」
「今は俺達の家臣だ」
「名前何ていった?」
久志は英雄に彼等の名前を問うた。
「一体」
「土佐の者は梨田という」
「いい名前だな」
「今は土佐を任せているが」
彼の国であったこの国をというのだ。
「やがてはな」
「全体の政にか」
「あたってもらいたい」
「そう考えているんだな」
「若いが出来た者だ」
資質がある、だからだというのだ。
「土佐一国でなくな」
「全体的にか」
「治めてもらいたいからな」
「そうか、じゃあな」
「この者も用いるしだ」
今後はより、というのだ。
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