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ドリトル先生の林檎園

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第十幕その七

「魔法の様な美味しさだよ」
「本当にそうだよね」
「この美味しさときたら」
「何というかね」
「絶妙な味だよね」
「日本ならではの」
「最高の美味しさだよ」
 皆も先生に同意しつつその美味しいお茶漬けを食べます、そして先生はこんなことを言ったのでした。
「お酒の後は特にいいよね」
「うん、沢山飲んで食べた最後にね」
「このお茶漬けがね」
「それがいいのよね」
「あっさりしているから」
「水分補給にもなって」
「とてもいいね」
「うん、今日も沢山飲んだし」
 白ワインをボトル二本飲みました。
「最後の最後の和菓子の前に」
「このお茶漬け食べて」
「楽しんでるし」
「その後でね」
「寝るのね」
「そして明日もだよ」
 これからもと言ってです、そのうえでなのでした。
 皆は楽しく飲んで食べてです、そのうえで。
 この日もゆっくり休みました、それから朝起きてお風呂に入って林檎園に行くと優花里さんが先生に言ってきました。
「実は今日あたしから行こうと思ってたんですよ」
「お友達のところにだね」
「はい、そのつもりでしたけれど」
「それがだね」
「友達の方から来るそうで」
 この林檎園にというのです。
「昨日の夜連絡受けまして」
「じゃあ今からアップルティーとかを造るんだね」
「いえ、もう朝早く起きて」
「それでなんだ」
「もう造りました」
 アップルティーや林檎のお菓子をというのです。
「そうしました」
「早いね」
「いや、今から来るそうですし元々朝は早いですから」
「農家は朝早いからね」
「ですから」
 それでとです、優花里さんは先生ににこりと笑ってお話してくれました。
「もうです」
「造っているんだね」
「そうなんですよ」
「じゃあその人は」
「もうすぐ車で来ます」
「車でなんだ」
「お袋さんの運転する車で」
 それでというのです。
「来るそうです、退院明けで暫く車に乗ってなくて」
「お母さんがなんだ」
「運転するそうで、それでお袋さんの分も」
「造ったんだね」
「そうしました、アップルティーにアップルパイに」
 それにというのです。
「干し林檎も出します」
「そちらもだね」
「はい、全部出して」
 そしてというのです。
「食べてもらいます」
「それはいいことだね」
「そうですね、それと」
「それと?」
「先生達の分もありますよ」
 先生達に対してこうも言うのでした。 
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