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レーヴァティン

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第百三十六話 鹿児島攻めその七

「有り得る」
「ではそうした宗派については」
「どうすべきでしょうか」
「滅ぼすしかない」
 選択は一つしかないというのだ。
「他人をどうしても自分達だけという考えでな」
「しかもですね」
「自分達以外は皆殺しというなら」
「それならですね」
「倒すしかない」
「そうだというのですね」
「そうだ、そうした宗派はな」
 そうした者達はというのだ。
「まさにな」
「倒すしかない」
「認める訳にはいかないですか」
「自分達だけで他の者達を認めないなら」
「他者は全て滅ぼそうとするなら」
「その為に手段を選ばず何をしても構わないというのなら」
 八条はここでもカルト教団、起きた世界での彼等のことを念頭に置いて話した。そうした者達の危険性を認識しているからこそ。
「話し合いにもならない」
「ですね、確かに」
「そうした連中については」
「何をしても何を言ってもです」
「無駄ですし」
「それならですね」
「こちらにしても」
「滅ぼすしかない」
 選択肢はというのだ。
「まことにな」
「棟梁はそうお考えですね」
「そうした連中については」
「あらゆる宗派の信仰を認めても」
「その宗派によりますか」
「俺が治めるにしても勝手に法に従わずだ」
 そのうえでというのだ。
「無差別に人を手段を選ばずに殺す連中は何だ」
「許せる筈がないですね」
「まさに」
「言われてみれば」
「そうなりますね」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「そうした連中は俺もだ」
「滅ぼす」
「そうしますか」
「信仰を認めずに」
「若し俺がそうした宗派を信じるとだ」
 英雄は自分自身それはないと思いつつあえて仮定して話した。
「宗派を信じない民達はどうなる」
「皆殺しですね」
「そうなりますね」
「恐ろしいことに」
「そうなっては多くの血が流れまた自分達と違う者達を探してだ」
 そうした風になってというのだ。
「恐ろしい国になる、そして俺が信じずともな」
「やはり法を無視するのですから」
「危険ですね」
「そうなりますね」
「そうだ、だからだ」
 どちらにしてもというのだ。
「放置は出来ないし認めることもだ」
「無理ですね」
「左様ですね」
「そうなりますね」
「そうなる、俺は他者を認めているつもりでだ」
 主観なので客観的に見るとどうかはわからない、それでこう言ったのだ。
「他の者も同じだ」
「他の宗派を認めよ」
「自分の信仰を守り」
「そのうえで」
「そうしないとだ」
 まさにというのだ。 
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