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レーヴァティン

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第百三十六話 鹿児島攻めその五

「切った者は斬罪にする」
「かえってですね」
「そうしますね」
「そうした兵を」
「そうだ、若し切るといよいよ反感が大きくなる」
 自分達にまだ反抗的な民達のそれがというのだ。
「だからそれは絶対にするな、まして相手は石を投げても子供だ」
「子供にそう怒るな」
「武器を持つ者が」
「そういうことですね」
「敵の足軽が石を投げればやり返せ」
 その時はというのだ。
「容赦なくな、しかしな」
「それでもですね」
「相手が子供ならですね」
「それはするな」
「断じてというのですね」
「そういうことだ、子供は怒るだけでいい」
 そうしたことをしてきてもというのだ。
「それは民全体に言えるがな」
「民は多少のことをしてもですね」
「怒るだけはいい」
「左様ですね」
「そうだ、ただ一揆になるとな」
 この場合はというと。
「出来る限り宥めるが暴れるとな」
「その時はですね」
「攻める」
「そうしますね」
「暴れる者達にはそれに合った対処が必要だ」
 それ故にというのだ。
「だからだ」
「わかりました」
「では一揆を起こし暴れた時は」
「民達にもですね」
「出来るだけ術で眠らせるなりして抑えるが」
 そうしてことを収める様にするがというのだ。
「それでもだ」
「暴れたなら」
「その時はですか」
「攻めますか」
「そうする、だが術で眠らせたら」
 それでというのだ。
「ことが済むならな」
「それでいいですね」
「術はそうした時も使えますね」
「一揆に対する時も」
「そうだ、民は傷付けるよりもな」
 それよりもというのだ。
「大人しくさせるべきだ」
「民は傷付けず」
「一揆に対してもですか」
「そうしますか」
「そうしたい、ましてや普通の一揆はな」
 英雄は兵達にさらに話した。
「民が苦しんで起こすものだな」
「ですね、年貢や税が高かったりしてです」
「暮らせない時にですね」
「そうしたものを起こしますね」
「そうですね」
「そうだ、それならだ」
 一揆がそうしたことが原因で起こるならというのだ。
「最初からだ」
「そうしない様にしますか」
「政を行う」
「そうしますか」
「そうだ、政はだ」
 それこそというのだ。
「やはりな」
「その方がいいですね」
「まさに」
「その方が」
「そうだ、善政を行ってだ」
 そしてというのだ。 
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