レーヴァティン

「民達は何といってもまずはな」
「暮らしですね」
「田畑を耕し商いをし」
「手にしている職で働く」
「糧は自分達で稼がねばならず」
「年貢や年貢もありますので」
「だからだ」
　それ故にというのだ。
「民達はまずは暮らしだ」
「武士ならば禄が出ますが」
「民達は違う」
「糧は自分達が働いてこそですから」
「どうしてもですね」
「よき主ならいいのですね」
「彼等も生きなければならない」
　そうした考えだからだというのだ。
「それでだ」
「そうなりますね」
「では、ですね」
「彼等はですね」
「棟梁様に従うのですね」
「素直に」
「そうだ、若し俺が悪政を敷く者なら」
　それならというと。
「こうはいかなかった」
「絶対にですね」
「民達は逆らいますね」
「そうしますね」
「そうだ、間違いなくだ」
　悪政を行う者はというのだ。
「民達は迎え入れない」
「そして逆らうこともある」
「そうもないりますね」
「その場合も」
「そうなるからだ」
　それでというのだ。
「やはり政はな」
「善政であるべきですね」
「それが最もよいですね」
「何といっても」
「左様ですね」
「そうだ、だからだ」
　英雄はさらに話した。
「政はこれからもだ」
「よいものを心掛けますね」
「これからも」
「左様ですね」
「そうする、そしてだ」
　それにと言うのだった。
「民達にはついてきてもらう」
「これからも」
「そして薩摩の民達もですね」
「彼等も」
「治めていく、民達がついてくれば」　
　それでというのだ。
「国もだ」
「手に入る」
「そうなりますね」
「自然と」
「そうだ、民が従い国も手に入れば」
　そうなればというのだ。
「そこを治めている領主が俺達と戦おうともな」
「それでもですね」
「敵ではないですね」
「そうですね」
「力を奪うからな」
　彼等のそれをというのだ。
「民も国もな」
「そうなればですね」
「それで、ですね」
「敵でなくなる」
「自然と」
「そうなるからだ」
　それでというのだ。
「薩摩もだ」
「自然とですね」
「このままいけば」
「我等の国になりますね」
「そうなる」
　政としてそうなるというのだ。