ドリトル先生の林檎園
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第六幕その一
第六幕 トミー達と合流して
長野駅の前で、です。先生は動物の皆と一緒にトミーそして王子とお会いしました。そこには王子の執事さんも一緒です。
王子は先生達と会ってすぐに笑顔で言いました。
「じゃあまずはね」
「まずは?」
「そう、まずはね」
こう言ったのでした。
「お蕎麦を食べようね」
「王子電車の中でずっとこう言ってたんですよ」
トミーが王子に顔を向けて笑ってお話しました。
「長野のお蕎麦を食べたいって」
「そうだったんだね」
「いや、神戸というか関西はうどんが主流で」
このことからお話する王子でした。
「お蕎麦もあるけれど」
「本場かっていうとね」
「違うから」
だからだというのです。
「是非本場のお蕎麦をと思ってね」
「それでだね」
「ずっと楽しみにしているんだ」
「そうだったんだね」
「それで先生」
王子は先生に目をきらきらとさせて言いました。
「今からね」
「そのお蕎麦をだね」
「食べられるかな」
こう先生に尋ねるのでした。
「今から」
「うん、丁度お昼だしね」
それでと言う先生でした。
「それならね」
「そう、お蕎麦だね」
「お蕎麦を食べて」
そしてというのでした。
「長野での旅をはじめようね」
「それでは」
「今からね」
「ここのお蕎麦の美味しいお店をだね」
「紹介してくれるかな」
「いいよ」
先生は王子の申し出に気さくに答えました。
「それではね」
「今からだね」
「食べよう」
「それじゃあね」
二人でこうお話してでした、そのうえで。
先生は王子だけでなく皆と一緒に長野市のお蕎麦の名店の一つに入りました、そこに入ってそうしてです。
皆でお蕎麦を注文しました、そうしてです。
まずはせいろを食べてです、王子は言いました。
「これはね」
「絶品だね」
「こんな美味しいお蕎麦あるんだね」
「関西で食べるよりもだね」
「ずっといいよ」
こう言うのでした。
「本当にね」
「そうだね、しかもね」
「しかも?」
「長野のお蕎麦はね」
これはといいますと。
「東京みたいにこだわりがないからね」
「ああ、僕達東京とは縁が薄いけれど」
「それでもだね」
「そう、東京はね」
本当にというのです。
「お蕎麦へのこだわりが凄いんだよね」
「色々粋とかあって」
「東京の人、まあ江戸っ子だね」
「江戸っ子は粋を大事にするから」
「そう、だからね」
それでというのです。
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