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レーヴァティン

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第百二十六話 湖の征伐戦その三

「しかしだ」
「それでもでござる」
「魔物、特に巨人はな」
「放ってはおけませぬ」
「そうだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「今はだ」
「巨人を倒すでござるな」
「他の魔物達もな」
「そうでござるな」
「さもないとだ」
 それこそとだ、英雄は智に話した。
「苦しむのは民だ」
「民の災厄を取り除いてこそでござるな」
「この世界は救える」 
 そうなるからだというのだ。
「だからな」
「今は何としても」
「湖を埋め尽くさんばかりの魔物達を倒していく」
「では」
 智は英雄の言葉に頷いた、そうしてだった。
 巨人の後に出て来た船幽霊達との戦いに入った、そこに英雄に向かった。
 今戦士達は戦っていた、だが。
 魔物の数は減らず倒しても倒しても出て来る、それで英雄達は彼等の征伐にかなり苦労していた。
 そうして何日も船の上にいた、その間海賊達は出なかったが英雄は油断せずに周りの兵達に対して言った。
「魔物だけではない」
「海賊達もですね」
「連中もですね」
「警戒して」
「来た時は」
「戦う」
 こう言うのだった。
「いいな」
「わかりました」
「それではですね」
「我々はですね」
「魔物と戦いながら」
「そのうえで」
「海賊が来てもだ」
 戦うと言ってだ、そうしてだった。
 英雄は今は魔物達を倒していっていた、するとだった。
 瀬戸内の魔物達は減っていった、その中で。
 岡山城から来た旗本の話を船の中で聞いてだった、英雄は思わすその時飲んでいた酒が入った杯を揺れさせた。
 そうしてだ、こう言うのだった。
「海賊達の方からか」
「はい、是非にとです」
 旗本は英雄に答えて述べた。
「我等に入り隊とです」
「言ってきたか」
「そう言ってです」
 そのうえでというのだ。
「岡山城に来ています」
「そうなのか」
「それでお館様としましては」
 旗本は英雄にさらに問うた。
「どういったお考えでしょうか」
「相手の方から降るならな」
 それならとだ、英雄は旗本に答えた。
「それならだ」
「構いませんか」
「俺は来る者は拒まずだ」
 この考えだからだというのだ。
「それでだ」
「いいですか」
「そうだ」
 まさにと言うのだった。
「俺の返事は決まっている」
「では」
「そのことを城に伝えてくれ」
「そうしてですね」
「連中もこれからは俺達の領民だ」
 こう答えた、だが。
 英雄は旗本にこうも言った。 
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