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レーヴァティン

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第百二十二話 関西からその六

「俺達もだ」
「選択肢は一つやな」
「戦う」
 英雄は一言で答えた。
「そのうえでだ」
「讃岐上陸やな」
「あの船を前に出す」
 英雄は今度は幸正に話した。
「いいな」
「そう言うと思っていてだ」
 それでとだ、幸正は英雄にすぐに答えた。
「その用意はだ」
「出来ているか」
「何時でも戦える」
 幸正は英雄にこう答えた。
「命じられればな」
「ではだ、あの船達をだ」
「前に出してだな」
「そのうえで戦う、あの船達を中心にしてな」
「まずは湖で勝つな」
「それから上陸する岸辺を確保してだ」
 そのうえでというのだ。
「そこからだ」
「上陸するな」
「そうする」
 こう幸正に答えた。
「それでいいな」
「問題ない」
 幸正は英雄にああためて答えた。
「それではな」
「まずは上陸することだ」
 それを第一にして、というのだ。
「いいな」
「わかった、ではな」
 幸正は英雄の言葉に頷いた、そうしてだった。
 讃岐の水軍の者達を発見するとすぐにだった、黒く巨大な船達を出してきた。讃岐の者達はその船達を見て驚きの声をあげた。
「何だあの船は」
「やけに大きいぞ」
「鉄の船か?」
「大砲も多く積んでいるぞ」
「見たことのない船だ」
「あの様な船があるのか」
「驚いているな」
 その敵を見てだ、英雄はまた言った。
「敵は」
「いいことだ、その分だ」
 幸正も言った。
「こちらが流れを掴んだ」
「それだな」
「驚かせることも戦だな」
「そうだ、それで相手を心で圧倒するかだ」
 英雄も述べた。
「動きを止めるとな」
「その分こちらが有利になる」
「だからだ」
 それでというのだ。
「これはいいことだ」
「そうだ、俺達は今は流れを掴んだ」
「最初のな、ならだ」
「この流れに乗ってな」
「敵を攻めてだ」
 そうしてというのだ。
「その流れを確実に掴む」
「そうすべきだな」
「今はな、ではいいな」
「鉄甲船は前に出ろ」
 英雄はその船達の名前も呼んだ。
「全船だ、そして砲撃で攻める」
「それでいいな」
「敵軍を徹底的に撃ってだ」
 船に積んでいる大砲でというのだ。 
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