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ある晴れた日に

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709部分:冬の嵐は過ぎ去りその九


冬の嵐は過ぎ去りその九

「しっかりとな」
「あっ、確かに」
「それは」
「これが何よりの証拠だ」
 彼は言うのだった。
「未晴は御前が勝手に連れ出した。ここまでだ」
「まさかそんなところに書いてあるとは思わなかったけれど」
「これは間違いなく」
「何よりの証拠」
 皆もはじめて知った。そのことにだ。
 だがそれによってだ。皆その証拠を元に吉見を攻めることができるようになった。
 そうしてだ。さらに言うのだった。
「さあ、どうなのよ」
「これでどう言い繕うんだ?」
「どうやってよ」
「待って下さい」
 青島はこのタイミングで言うのだった。
「詳しい話を聞かせてくれますか」
「そうですね」
 青島だけではなかった。小泉もまた吉見の質問にかかった。
「宜しければですが」
「ここでは何ですしお部屋の中で」
「宜しいでしょうか」
 吉見を一気に追い込みにかかった。彼等はこの機を逃さなかったのだ。
 それで攻めるがだった。吉見は。
「うう・・・・・・」
 身動きできなくなった。顔も歪んだままで強張っていた。
 そこにだ。青島と小泉はさらに言うのだった。
「それではまずはお部屋の中で」
「それで」
「だ、駄目だ!」
 吉見は遂に爆発した。
「部屋の中に入るな!中には!」
「えっ、ちょっとこいつ」
「急に切れて」
「どうなったんだ!?」
「僕の部屋には入るな!」
 喚きながらだった。懐からナイフを出してきた。
 それを右手に持って激しく振り回す。まさに狂乱状態だった。
「絶対に!」
「まずいぞこれ!」
「このままだと!」
「未晴が」
 五人はまず彼女を見た。
「逃げられないから」
「このままだと」
「大丈夫だ」
 しかしだった。
 正道がここで未晴の前に出た。そうして。
 迫って来た吉見の腹を蹴った。一瞬だった。
「未晴は絶対にこれ以上傷つけさせるか」
 そのうえでの一言だった。
「そしてこれは未晴を傷つけた貴様への蹴りだ」
「あがががが・・・・・・」
 それで終わりだった。腹を思い切り蹴られた吉見はそれで蹲った。青島と小泉はお互いを見合ってすぐに動いたのだった。
「銃刀法違反の現行犯だ」
「逮捕します」
 小泉が彼の後ろに回ってすぐに手を回した。青島は正道達に話した。
「有り難うございます、これで全ては終わりです」
「終わりですか」
「罪は一つのものがわかればそこから全てわかります」
 こう彼等に話すのだった。
「ですから後は」
「こいつの家の中調べるんですか?」
「はい、そうです」
 こう桐生の問いに答えるのだった。
「今から。さて、何が出て来るかですね」
「それじゃあ」
 それを聞いた恵美が言ってきた。
「私達はこれで、ですか」
「そうなります。これからは」
 青島は微笑んで言うのだった。
「警察の仕事ですから」
「わかりました。それじゃあ」
「お疲れ様でした。それでは」
「はい」
 こうして未晴は救われそのうえで正道達は病院に戻った。外に出るとだった。
 雪だった。マンションの外を出たところで、であった。雪が降ってきたのだ。
「雪か」
「そうね」
「寒いと思ったら」
 皆上を見上げて言うのだった。
 
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