氷の森

「依頼受けような」
「やれやれ、氷の森っていうたら」
「文字通り氷の木々で氷の地面でな」
「何もかも氷かいな」
「あと雪な、モンスターもな」
　彼等もというのだ。
「氷やさかい」
「ほんまに何でもかんでも氷と雪か」
「そやからあったかい恰好していこか」
「そやな、あたしスコーンやからな」
　スコーンは髪の毛以外は身体に殆ど体毛がない種族だ、それでその分寒冷地では防寒に工夫が必要なのだ。
「余計にな」
「あったかい服を着てな」
　そしてとだ、チェチーリアもアドバイスをした。
「そしてカイロも持って行こうか」
「ああ、あれもやな」
「あれがあるとないとで全くちゃうしお酒もな」
　これもというのだ。
「持って行こうな」
「お酒もかいな」
「一口飲むと胃から一気にあったまる蒸留酒や」
　持って行く酒はというのだ。
「それを持って行こうな」
「そこまで備えして行くもんやな」
「寒いとな、手袋もして」
　見ればイザベルは素手だ、それで氷と雪の世界の中にいるので真っ赤になっている。それでチェチーリアも言うのだ。
「ちゃんと」
「それでやねんな」
「動ける様にした方がええで」
「それはな」
　チェチーリアに言われてだった、イザベルも頷いて応えた。
「いざって時手がかんじかんでいたらな」
「動けへんやん」
「戦闘にも支障が出るし」
「それでやで」
「手袋もして」
「ちゃんと防寒対策やって」　
　そうしてというのだ。
「やっていくべきや」
「それがええねんな」
「そうしていこな、どっちにしてもな」
「氷の森は行くんやな」
「これからな」
「それやったら買うか」
　イザベルはこう言ってだった、チェチーリアと共にまずは防寒対策として服や手袋、カイロや酒といったものを買った。そうしたものを着て持ってだった。
　二人で氷の森に向かった、森に入るとすぐにだった。
　氷属性のモンスターや獣が多く出た、チェチーリアはその彼等を見てからイザベルに対して語った。
「氷属性やとな」
「こっちは火属性使ってな」
　そしてとだ、イザベルも応えた。
「戦っていくか」
「ここはな」
「そやな、もうお約束やからな」
「氷属性の相手には火属性や」
　こちらだとだ、チェチーリアも言う。尚火属性のモンスターや獣には氷となることは言うまでもない。
「そやからな」
「それを使ってくか」
「そうして戦っていこうな」
「そやな、あとあたしはこれがあるよ」
　イザベルは自身の神具であるテオヤオムクイの棒を両手に持って構えてそのうえでチェチーリアに応えた。
「そやからな」
「格闘も出来るな」
「そっちは任せてくれるか」
「後な」
　チェチーリアも言ってきた。
「あーしは歌も使うさかい」
「ああ、自分は歌人やからな」
「そっちも使って戦うから」
　それでというのだ。