究極の迷宮
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第四章
「そうしたことはな」
「どういったモンスターがどれだけ来るか」
「何処からかな」
「エチェニケさんの野生の感覚で」
「迷路の先も罠の場所も」
そうしたことまでというのだ。
「わしの感覚がわし自身に教えてくれる」
「野生児のそれが」
「それでや」
「この迷宮もですね」
「確かに複雑や」
しかも何層もある、巨大な迷宮が何と八層もある。それを上から下に一層ずつ下がっていってゴールを目指すのだ。
それでもとだ、エチェニケは言うのだった。
「けどな」
「エチェニケさんにはわかりますね」
「全部な、ほなな」
「ゴールまで」
「進んでいくで」
迷宮の中に流れる風そして空気が教えてくれるままにとだ、エチェニケは言ってだった。
そこからも先に進んでいった、一層一層確実に進んでいき遂に最下層まで行きそこのトラップもモンスター達も乗り越えて。
遂にゴールした、すると迷宮の係の者達にこう言われた。
「おいおい、まさかな」
「この迷宮を本当に踏破する奴が出るなんてな」
「絶対に誰も踏破出来ない筈なのに」
「それを踏破するか」
「これは凄いな」
「はじめてだな」
「そうか、それならや」
エチェニケは驚く彼等に冷静な声で言った。
「賞金のな」
「ああ、百万ゴールドな」
「ちゃんと渡すな」
「踏破したんだからな」
「それだけのものは渡すな」
「わかった」
こうしてだった、エチェニケとアルゲダスは迷宮を踏破した百万ギール殿賞金を手に入れた、そうしてだった。
その賞金を全てグレムリンの子供に渡した、子供の名前はマルコ=ピサロといった。その彼に金を渡して言うのだった。
「妹さんの手術費は充分か」
「いや、お医者さんにお話聞いたら」
子供は百万ゴールドを出してきたエチェニケにこう返した。
「確かに大怪我で手術の費用かかるけれど」
「それでもか」
「うん、百万ゴールドはね」
それだけはというのだ。
「かからないっていうんだ」
「ほなどれ位や」
「十万ゴールドだってさ」
「それ位か」
「だから百万なんてね」
それだけはというのだ。
「いいよ」
「こうした時は普通に百万貰わんか」
「必要なだけでいいから」
これだけでとだ、子供はエチェニケに笑って話した。
「お父ちゃんとお母ちゃんもそう言ってるし」
「だからか」
「うん、十万だけね」
「貰ってか」
「妹の手術費に使わせてもらうよ」
「そこまで言うならな」
エチェニケも十万ゴールドだけ渡した、それでだった。
いいとした、そうしてだった。
子供の妹は無事に手術を受けることが出来て助かった、そうしてエチェニケとアルゲダスに礼を言うとだった。
笑顔で別れた、エチェニケは残りの九十万ゴールドは国庫に入れてそうしてだった。それを報酬に入れて。
迷宮の踏破と子供の妹が助かったことを祝ってだった、エチェニケはアルゲダスを連れてイキトスのレストランに案内してだった。
そこでメニューを注文した、そのメニューはというと。
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