女神と星座の導きによりて
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星29 一年前
さて、私が聖域に来て五年、後一年で原作突入です。
いやー、早いような長いような、よく分からない様な。
聞いてくださいよ、教皇宮と双魚宮からほとんど離れなかったんですけど、シャカにバレそうになりました。
そうですよね。声さえ聴ければバレる可能性大な人ですからね。
だって、彼は視覚ではなく、聴覚と小宇宙で判断してたんですから。
普段は一般の女官と変わらない位の小宇宙に抑えてますが、声だけはそうもいきません。
まぁ、ちょっとは意識して声を変えてるんですけど、年中組に練習相手になってもらったんですが、案の定というか、最初は笑われました。
特にデス君。
勿論、双魚宮裏行きですけどね。(にっこり)
そうそう、ミロや、たまにカミュにも会いました。
全っ然気付かれませんね!
一応、不審というか、疑問には思われた事があるのでは?って思うでしょうけど……。
私の存在ってそんな覚えられない程印象なかったんでしょか?
それを丁度一緒に居たシュラに聞いてみると
「それはない。絶対にない」
滅茶苦茶力いっぱいに否定されました。声がマジでした。
「あ、そうなのですね……」
とりあえず、信じる事にしました。顔も真顔でしたのでちょっと怖かったです。
ちなみにカミュにはたまにとか言いましたけど、本当に極たまにしか聖域には居ません。
まぁ、氷河を育てているんですから、それは当たり前なんでしょうけど。
ただ、召集されるとちゃんと来る事から、悪サガから反逆!って思われてないみたいですね。
良かったです……。
それから、ふとカミュの爪を見た時、嬉しかったですね。
だって、今でも赤いマニキュアが塗られているんですもの。
ちょっと嬉しくなってカミュがシベリアに戻る前に花園からギボウシを主役にして、いつも赤いマニキュアを使っているとの情報があるので、感謝の気持ちを込めて白いカスミソウを添えた一輪挿しの花瓶を宝瓶宮の居住部屋扉前に置いておきました。
扉を軽くノックしてこっそりと覗きに行った時、扉が開いて花瓶に気付いたカミュが辺りをきょろきょろと周りを見渡して花瓶を手に取り、部屋へ帰っていく姿を見て、私自身も双魚宮に戻りました。
果たしてギボウシの花言葉に気付くでしょうか?カミュにぴったりな花言葉ですからね。
出来れば気付いてほしいです。
ちなみに、双魚宮の花は聖域特性なので季節関係なく咲く花もあったりします。
だって夏に咲くギボウシと冬に咲くノースポールが一緒に咲く時があるんですよ?不思議です……。
まぁ、そんな事はいいのです。重要な事ではありません。
所で!アイオリアの事なんですが!彼!一部の兵士やら!聖闘士達から!散々”逆賊の弟”と陰から言われてるんですよ!!
マジ絶許なんですが!?そもそもアイオロスは逆賊なんかじゃないですよ!
知らないくせにー!!とか思ってモダモダします。
つい、放っておけなくて獅子宮の居住部屋の前に、一言二言の言葉をしたためた手紙とその季節の花を一輪添えて置いていました。
最初は目も呉れなかったんですが、溜まっていく手紙と花を見てその内に回収、今では楽しみにしてくれているのか、居住部屋の横に返事の手紙を置いてくれる様になりました。
流石に私もお節介でしょうか?迷惑でしょうか?と悩みましたが、私も今では返事の手紙が楽しみになっています。
スレないでよくここまで育ったものです。
アイオリア、立派過ぎですよ!今では皆が認める”猛き獅子の勇者”なんて呼ばれてるんですよ!すごいです。
それでも未だに”逆賊の弟”呼ばわりする人が居るのは嘆かわしいです。
いい加減にしなさいって感じですね。
そうそう、あと、ミロなんですが。
ちゃんと手紙の場所に行ったみたいですね。
ロドリオ村の端にある農園。林檎の木がある場所に。
私もお裾分けしてくださいました。
本当はアップルパイを焼いてあげる約束だったんですけど、そろそろサガが悪サガになる頃かなって思ったら、色々残さないといけないとか、勝手に思ってしまいまして。
”皆で食べれる”というワードから、いっぱい実る林檎を選びました。
元はアップルパイから、林檎の木にしただけなんですけどね。
実はちょっと怒ってるでしょうか?なんて思っていたり……。
まぁ、林檎の木を大事にしているって噂を聞きますので、大丈夫ですかね?なんて思いますけど。
それから、老師とムウなんですけど、実は会いに行った事があるんですよね。
サガは年中組の誰かか、兵士の人に任せればいいと言っていたんですけど、押し切りました。
それでムウには正体を明かそうか明かさないか、とても悩みました。
結局明かしてはいないんですけどね。
ヒントだけ残しておきました。
青薔薇を塔の入口?に置いて帰りました。
え?召集の件ですか?さて、私は懐かしい人に会いに行っただけで、手に持っている手紙はおまけです。
そもそも、私は行きたいと言いましたけど、召集しに行きたいとは言ってません。
恐らくこの事はサガにも分かっていたでしょう。
私がただ単に会いたかっただけであり、二人が召集しても来ない事も。
老師はともかく、偽の教皇に従っている様に見える使者である私(仮面無しで小宇宙も抑えている)にはムウは会わないであろうと思っているでしょうね。
でも、まさか、青薔薇を持参しているという事は気付かなかった様で……。
帰る時に塔を背にして歩いていた時、後ろから一人の男性がテレポーテーションで移動してきたのが分かりました。
まぁ、ムウなんですけどね。
青薔薇を見たのでしょう。息を飲む音が微かに聞こえました。
そして、私を呼び止めるべきか悩んでいましたが、止めたみたいですね。
私はそのまま帰る事にしました。
冷たいですけね?確かに後ろ髪を引かれましたが、ムウの判断です。気にしない事にしました。
そうそう、老師にも会いに行きましたよ。
何より、紫龍に会うかも?なんてハラハラしてましたけど、結局会わないで済みましたね。
□■□■□■□■□■□■
「初めまして、老師。真名と申します。お見知りおきを」
「ふぉっふぉっふぉ、初めまして、じゃな。お主が真名か。噂はかねがね……」
噂……?
「噂、ですか?」
「うむ、今のお主は仮面を付けていない様だが、昔は”聖闘士の中でもっとも慈悲深い黄金聖闘士”、”黄金最強の聖闘士”と言われ、シオンから教皇候補と聞かされておったぞ。ああ、後、”アテナを救った聖闘士”としても有名じゃな」
マジかよ……。(ごくり)
「そ、そんな大層な人物じゃないです。私は、自分の信じた道のりを歩んだつもりです。でも、それが正しいかは正直に言えば分からなくて……」
「ふむ……」
老師が己の髭を撫でてちょっと悩んだ感じになりましたが、直にこちらに目線を合わせて
「突き進んでみたらどうかの?」
「突き、進む……」
「人間、誰しも苦しみ、悩むモノじゃ。ならば、信じてみた道を突き進むのもまた道であろう。確信を持って大丈夫とは言い切れんが、やれる事は全てやってみるのも良いのではないかのう?」
「やれる事、ですか」
もし、サガ達、黄金聖闘士達が死なない未来があったとしたら?
現にアイオロスは死んではいません。
そんな未来を信じてもいいのでしょうか?
「老師、私は諦めなくても良いのでしょうか?まだ、出来る事があると信じても良いのでしょうか?」
「儂は、そう思うがのう」
□■□■□■□■□■□■
老師に言われたからではないですけど、まだ間に合うのなら、やってやろうではありませんか。
「この際、運命なんか、くそくらえです!やーってやりますよ!」
この発言と共に起こした行動に因って、運命が変わる聖闘士が居るかはまだ分かりませんが、今出来る事を、出来る限りやりますよ。
ええ、正にやってやりますよ!!
後書き
行動するのが遅いと思うけどやってやんよ!
っと、気合いが入った真名さんの話でした。
さて、これからどんな事が起こるでしょうね?
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