女神と星座の導きによりて
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星3つ 教皇
あらすじー。
魚座の聖衣が私に反応して輝きが増すとかどういうことでしょうか?
教皇シオン様から「今代の魚座の黄金聖闘士か?」って聞かれて私の頭はパンク寸前!もう、どうしましょうって感じです!
え、この小説って成り代わりモノだっけ??(メメタァ)アフロディーテって私なの!?
いや、髪はこげ茶っぽいから多分違いますよね?ね?
…………って、言うか。
”あらすじ”なんて言ってる場合じゃないです!
「は、はは!初めまして、教皇様!真名と申しましゅっ!……いたい」
「あ、最後噛んだ」
「アイオロス!」
「くくくっ、今代の魚座は元気が良いな」
最後、噛んでしまったのは不覚……。
しかし、教皇宮が目の前とはいえ、双魚宮まで下りてくるなんてどうしたんでしょう?
毒薔薇の坂は大丈夫なのでしょうか……。あ、仮面を付けているから大丈夫なんですかね。
でも、今の私にとって問題なのは
「この金の鎧はなんなんですか?私と何か関係しているのでしょうか?それにこの輝き、なんだか生きてるみたいです」
聖衣って、確か……。
「ほぅ、その通りだ。その鎧は”生きているみたい”ではない。”生きている”のだ。しっかり意思も宿ってる。そして鎧の名は黄金聖衣。魚座の黄金聖衣というのだよ」
なんていうかこんなに説明されて黄金聖衣に反応されると嫌な予感が的中してしまいそうで……あ、フラグ。
「見てわかる通り、この黄金聖衣はそなたの小宇宙に反応してこの様な輝きを放っている。真名、お前はこの黄金聖衣の候補生として此処で修行するのだ」
デスヨネー!!拒否権はないですね!わかります!!
しかも、”そなた”から”お前”になってる時点でもう私の扱いは決まってますね。うん、知ってた!!(涙目)
ん?サガさんが私より前に出て教皇様の前でしゃがみ込み、頭をたれました。
「恐れながら教皇。このサガ、発言してもよろしいでしょうか?」
「うむ、申してみよ」
「では……、真名は遠い異国より来た候補生。修行に入る前にこの子に黄金聖闘士の重要性や、女神アテナの事を理解させる為に話をするのはどうでしょう?書庫にある書物での勉強も大事ですが、今日来ていきなり”修行開始”というのは酷というもの。真名はわたし達と違い、最初からこの聖域に居た訳ではありません。幼いながらに意思もしっかりしています。年もわたし達と近い様ですし、わたし達と話せば理解してくれるハズです」
さ、サガ様!!……って、違う違う。サガさん、私はただの迷子です。
自分から来た訳じゃないのです。でも、黄金聖闘士の重要性はわかってるつもりですよ!文庫本で全巻読みましたからね。うろ覚えだけど……。しかし、サガさん、私の事”幼い、幼い”言い過ぎでは?君も8歳の身でしょー。身長大きくてそうは見えないですが。
「良かろう。お前達の復習にもなるだろうしな。励むと良い」
「ハッ!」
なんと言いますか話がまとまりました。って感じですね。
っという訳で私は魚座の黄金聖闘士としてこの聖域で修行する事になりました。
私、本当にアフロディーテじゃないですよね?二次創作にある成り代わりとかないですよね?
「真名よ」
「はい」
「まず、お前には仮面を授けなければな。その素顔を他者に見せるのはそれまでだ。今は特例としておこう。仮面の掟など、女聖闘士の事に関しては書庫にて女官長に教えてもらうといい。派遣しておこう。そして、この聖域で修行しながら同じ聖闘士同士で、研磨しつつ、立派な聖闘士となる事だ。これはアイオロス、サガ。お前達にも言えることだ」
「「「はい!」」」
「では、私は教皇宮に戻るとする。気軽に……とは言えないが、何か私に知らせなければならない事が発生した場合、小宇宙で私に知らせる事。何故、小宇宙を使って知らせるのか、分かるか?アイオロスよ」
「はい!テレパシー、いついかなる時もすぐに使える様にする為です。小宇宙のコントロール操作訓練ですね」
「うむ、問題が簡単過ぎたかもしれぬな。まぁ、良かろう。ではな、真名、アイオロス、サガ。励めよ」
「「「はい!」」」
教皇様はそう言い残し、双魚宮を去って行きました。はぁ、なんかすっごく緊張しました……。疲れたぁ~。
「真名!」
「はぃっむぎゅっ!!?」
え?え?名前を呼ばれ振り向いたらアイオロスさんに両手で顔を挟まれました!な、なんですかぁ~!?
「こら!アイオロス、何をやっている!やめないか!」
サガさんも怒ってくれていますが、何故か目線は私の顔を見ていました。
うえーん!味方が居ません!
「いや、こうして真名の素顔を見れるのも今だけだと思ったら、しっかり見ておかないとと思ってな。サガだってそう言いつつ、真名の顔を見てるじゃないか。見納めしたいんだろう?」
「……」
黙っちゃった!黙っちゃいましたよ。
私でも分かるくらいですからね。図星ですよね。
でも
「私の顔なんて見ても面白くもないでしょうに」
「何を言ってるんだ、真名。幼いのにこんなにも愛らしく、美しい顔つきをしているではないか」
「は?何を言って……」
「ふむ、真名。こちらに来なさい」
「はい……」
サガさんに呼ばれ、アイオロスさんから逃れた私は、サガさんに連れられて双魚宮の真ん中から端っこに進みました。しばらく歩いていると、魚座のレリーフが付いた扉にたどりつきました。
「サガさん、此処は?」
「此処は黄金聖闘士の住居にあたる場所だ」
十二宮でそんな場所があるだなんて初めて知りました!原作じゃ、その辺触れてませんでしたね。
扉を開けて中を覗くと奥行きがあるので結構広そうです。
「此処で待っていなさい」
と、言うと正面にある扉のすぐ横にあるカーテンの中に入っていき、しばらくすると何かを持って出てきました。
「真名、これを」
何かを差し出され、覗き込むとそれは手鏡……てかがみ……
「手鏡!」
うおおおおおおおおお!!
手鏡だ!これで気になってた顔が見れる!
「……?いつも通りの顔ですね」
ただ、人より顔つきは良いらしいのですがね。でも、母に「出かける時はマスクを付けなさい。でないと外に行ってはいけません」っと言われてましたっけ。
素顔を見た人は最初、放心するんですよ。何故でしょう?
「まぁ、真名にとってはそうだろう。きっと成長すれば、聖闘士の中でもっとも美しい黄金聖闘士になれるだろうな。だが、仮面を付けるから、その素顔は拝めないのでわからなくなるだろうけど」
何、そのまさにアフロディーテに付けられる代名詞は。
私はあんなにも中性的な美しさはありませんよ!彼こそが黄金聖闘士の中で一番美しい黄金聖闘士になるんですから!うーん、手鏡で自分の顔を見れたから確信しましたが二次創作でよくある成り代わりではないみたいですね。実は今でも心底疑ってます。しつこいと言うなかれです!はっ!まさか、アフロディーテが居ない世界ではあるまいな!?そんな!嘘だと言ってよ!バーニィ!!
私が手鏡を覗いたまま苦悩して固まっていると
「さて、いつまでも此処にいては真名も休まらないだろう。明日から忙しくなる」
「そうだな。わたしもそろそろ行かねば」
「ふぉ?」
「真名、今日はこの双魚宮から離れすぎない程度に探検するなり、この居住部屋で休むなり、女官と交流して仲を深めるのも良いだろう。これから世話になるわけだからな」
サガさんとアイオロスさんはそういうと私の頭を一撫でして部屋を出ていく。ちょっ、早いですよ!それを見て私は手鏡を近くにあった棚の上に置いて追いかけました。
走っている訳ではないのに早い足取りで双魚宮の出入り口に進む二人。
「サガさん!アイオロスさん!」
私の大声に振り返ってくれました。
とにかく今、私が言いたい事を叫びます。
「アイオロスさん!改めて、転ぶ所を助けてくださり、ありがとうございました!サガさん!階段の時、抱き上げてくれてありがとうございました!すっごい楽でした!そして、二人共!沢山親切にしてくれてありがとうございました!明日からよろしくお願いします!!」
そう言い終わると息切れして顔を下げてしまいましたけど、言いたい事が言えて満足です。
「「真名!」」
呼ばれて下げていた顔を上げると
「「これからよろしく頼む」」
そう返され、嬉しくてちょっと涙目になりましたが、思いっきり返事をしました。
「はい!」
こうして私の聖域での修行、生活が始まりました。
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