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実はリア充

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第六章

「いいわね」
「わかりました」 
 彼はその言葉に頷いてだ、そしてだった。
 妹が中学校の前で車を降りて笑顔で手を振って登校するのを見てから駅まで送ってもらった。そうしてだった。
 駅で文奈と別れた、その時に彼女に言われた。
「じゃあ今日もね」
「頑張ってきます」
「そうしてきなさいね」
 こう言って見送ってもらった、そのうえで学校に行ったが。
 電車に乗る時にだ、つくづく思った。それでだった。 
 登校してからだ、横河と雑賀そして柳川に言った。
「俺相当にな」
「普通でもだな」
「ああ、充実してるな」
「そうだ、御前はだ」 
 確かな声でだ、横河は告げた。
「かなり幸せだ」
「そうだよな」
「普通に彼女がいて普通に妹さんや従姉さんがいてだ」
「家族も家もあってな」
「平和な家だな」
「凄くな、犬も可愛いしな」
「そこまで揃っているとだ」
 まさにというのだ。
「相当に幸せだ」
「そうだよな、御前等もいるし」
 友人もとだ、晋太郎は自分から言った。
「俺は普通だけれどな」
「相当な幸せ者だ、普通の家族に家族にとな」
「色々揃っていてか」
「世の中その普通がない奴多いよな」 
 雑賀は腕を組んで言った。
「結構な」
「そうだよね、ブラック企業にいたりとかね」
 柳川は雑賀のその言葉に頷いた。
「とんでもない家庭だったりとか」
「あるよな、屑親とかな」
「いるからね」
「酒飲んで奥さんや子供に暴力振るう屑がな」
 まさにと言うのだった。
「そうした奴がな」
「いるからね」
「そうした奴が家族だと不幸だよな」
「親戚にいても大変だよ」
「その通りだ」
 まさにとだ、横河は二人にも答えた。
「家庭内の不和、いじめ、世の中に不幸は色々ある」
「俺はそういうの全部ないからか」
「極論すれば普通だったが」
 それはと言うのだった。
「全て普通だとな」
「幸せか」
「そうだ、幸せだ」
 そうなるというのだ。
「御前もだ」
「幸せでか」
「リア充だ、そしてな」 
 横河は腕を組み自分の席に座ったうえで述べた。
「俺達もだ」
「あれっ、俺達もか」
「リア充なんだ」
「俺達もあらゆることで普通だからな」
 晋太郎の様にというのだ。
「俺は彼女がいないがアルバイト先で大学生の美人さんに随分と仲良くしてもらっている」
「俺は彼女いるしな」
 雑賀は笑って話した。
「有り難いことにな」
「僕もだしね」
 柳川も言ってきた。
「中学生一年の娘とね」
「御前は危ないと言っておく」 
 横河は柳川にはこう言った。 
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