『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』
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四話目
「っ!? に、人間風情が、生意気な!」
改めて光の槍を出して投げつけてくるが、その直後にルパンブルーがVSチェンジャーで撃ち落としていた。
「ナイス、ブルー」
「ええ」
続いてレッドがベルトのバックル部分を外してそこからワイヤーを伸ばし槍を投げた直後の堕天使の腕を絡みとる。
「なっ!? こんな物!」
「私もいる」
小型の光の槍を作り出して片腕に巻きついたワイヤーを切ろうとするがそれよりも先にルパンイエローのワイヤーが自由に動かせていた腕を拘束、続けざまにブルーもイエローと共に腕を拘束する。
「じゃ、落ちて貰おうか、堕天使らしく、地面に、な!」
「ひっ!」
レッドの言葉と共に三人が同時にワイヤーを振り回す。なんとか抵抗しようとするが、それも虚しくそのまま地面に叩きつけられる堕天使。
「ぐべっ!」
女として出してはいけないカエルの潰れたような声を上げて地面に落ちた堕天使の女。強く打ち付けた顔には血と土に汚れて屈辱からか鬼のような形相を浮かべていた。
「よくも、至高の堕天使である私を!」
「おいおい、堕天使って天使からの落後者の集まりだろ? それが至高って」
堕天使の女の言葉に笑いながら言葉を返すレッド。
「至高の落後者? つまり、万年留年生?」
レッドの言葉にそう呟いたイエローの言葉に他の2人は思わず吹き出してしまう。
「ぷっ! ハハハハハ! イエロー、ナイス!」
「し……っ、レッド、笑っちゃダメよ」
爆笑してるレッドと笑いを堪えてるブルーの姿に百年の恋も冷めるほどの鬼の形相を浮かべている女堕天使だが、何かに気が付いたのか翼を広げ、
「ここは一旦引くしかないけど、そこの人間ども! この思考の堕天使レイナーレをコケにした事を必ず後悔させてやる!」
そんな捨て台詞を残して飛び去っていく。
「おっと、オレ達も長居は無用か」
レイナーレと名乗った堕天使が逃げた理由、赤い魔法陣の出現に気が付いて、レッド達も真上へとワイヤーを投げ、
「それじゃあ、オ・ルボワール(ごきげんよう)」
低空を飛んでいた三機の飛行機にワイヤーを巻きつけそう言い残して飛び去って行く。
後に残された目の前に巻き起こった光景に唖然としていた一誠の前に赤い魔法陣から現れる赤髪の女の子。
こうして、赤の悪魔と赤き龍の物語は本来の運命とは少しだけ違う流れで始まったのだった。
「ふーん、三人組の怪盗、ね」
彼女、リアス・グレモリーは新たに眷属となった一誠からの話を聞いてそんな言葉をつぶやく。
赤、青、黄の三人組の快盗戦隊ルパンレンジャーを名乗る怪盗達に彼が助けられた事を聞いた彼女は、彼らが最近この街ではぐれ悪魔を狩っている存在と関係あるのでは、と考えていた。
堕天使と戦える力を持って、互いをレッド、ブルー、イエローとコードネームで呼び合い、そのコードネームに合わせた色の礼服とシルクハット、目元をアイマスクで隠して居ただけなのに不思議と服装以外が思い出せない謎の男女の三人組。
これを怪しむなと言う方が無理があるだろう。
「中々興味深いわね」
面白そうな笑みを浮かべて彼女はそう呟く。彼女の手元には未使用の騎士、僧侶、戦車の悪魔の駒が三つ残されている。手持ちの駒には先程まで兵士の駒が八個残っていたが、予想を超える数を一誠を転生させるのに使ってしまった為に残るは三種一つずつだけになってしまったそれを一瞥しながら。
丁度怪盗の三人組と同じ数だ。自分の領地で断りもなく好き放題してくれているのだ。それを抜きにしてでもこの地の管理を任されてる者として怪盗達に落とし前は着けさせる。
だが、ちょうど三つ駒が空いているのだ、落とし前をつけた後は見所が有れば三人とも眷属に勧誘してみようとも考えている。
一方、件の怪盗三人組こと四季達三人はと言うと、
「さっき言ってたお宝って何のことなの?」
「なんとなく、その場のノリで言ってみた」
自宅に戻った後、怪盗用のコスチュームから私服に着替えてからそんな会話を交わす四季と詩乃。序でにオ・ルボワール(ごきげんよう)と言ったのも殆どその場のノリである。
「残念ながら監視に向いたガジェットは手元に無いから、オレ達の正体隠蔽がうまく行ったかは分からないけど、バレてたら監視なり接触なりして来るだろう」
受身にはなるが相手の動きでそれは推測するしかない。正体がバレた場合の対応とバレていない場合の対応もそれぞれ考えているので、状況を見て計画の修正が当面の予定だ。
「私達に先に接触して来たらどうするの?」
まあ、それが一番な問題点である。四季がビルドに変身して派手に活動して来たから、接触するのなら四季だけにだろうと考えて計画を立てていたが、今回の事で三人組と相手に認識されてしまっているのだ、正体がバレたとしたら二人のところにも接触があっても不思議は無い。
「一応、その時の対応も考えて居るけど、これの認識阻害機能が効果発揮してくれていれば、考えすぎで済むんだよな」
アイマスクを手に取りながらそう答える。ぶっちゃけ、アイマスクの認識阻害の機能が効いているのならば、それが一番である。
そんな訳で認識阻害効果が効いた場合と効かなかった場合の2パターンでの対応を決めたのだった。
翌日、
その日は何時もの様に四季のベッドに潜り込んで寝ていた二人を起こし、二人と一緒に通学していると学園の前に人集りが見える。
何事かと思って人集りに近づくが、残念ながら何を見ているのかは其処からでは分からなかった。
「嘘だろう、あの変態の兵藤がグレモリー先輩と」
そんな時、偶然聞こえた信じられない物を見たとでも言う様な誰かの呟きが状況を物語ってくれていた。
「朝田さんや、北山さんが、天地の野郎と一緒に登校しているのも、心底難いのに!」
一部四季への恨み節が混ざっているが、それは完全にスルーしておく事にした。
先日の女堕天使の一件の後、この世界の本来の流れ通りに一誠は悪魔へと転生したのだろう。
あの時に女堕天使の手で死ななかった分、イッセーが最悪の初恋と言うトラウマを背負わない事が良かったのか悪かったのか定かではないが、提示されたメリットに自分から食いついたのだろう。
その辺については自分達に迷惑さえ掛からなければ、頑張れ、と気の無い応援でもしておこうと思う四季だった。
リアスと一緒に登校するイッセーの姿を遠巻きに眺めている生徒を放置してさっさと学園に向かう四季達3人。
男女問わず向けられている殺意の渦の中にいるとも知らない一誠を無視して。普段は美少女二人を連れて通学しているのだから、四季の方に殺意が向けられているがこの日は静かに通学できることに内心良かったと思う四季だった。
一誠が松田と元浜にリアスと一緒に登校してきたことを問い詰められてた事を除けば、特に特筆する事なく普段の授業が終わった放課後。部活に行く者、帰り支度をする者といつもと変わらない放課後の光景。
「やあ、兵藤くんは居るかな?」
そんな言葉と共に教室に入って来たのは別のクラスの生徒である『木場 裕斗』。リアス・グレモリーの眷属の騎士の一人である。
荷物を纏めながら多少の警戒を込めて其方へと視線を向けると、木場がイッセーを呼びに来た姿が見える。
「グレモリー先輩の使いなんだ、一緒に来てもらえるかな?」
「あ、ああ」
周囲の女子から上がる意味不明な悲鳴と絶叫を聞き流しているのか、気にしていないのか分からない態度でイッセーを連れて教室を出て行く木場。
そんな二人を見ながら監視に使えるガジェットが無いことを惜しむ。
(まっ、ここで態々オカ研の部室のある旧校舎に忍び込んで会話を盗み聞きするなんて真似をしなくても良いだろう)
ルパンレンジャーの変装用の礼服とアイマスクもVSチェンジャーはいつでも取り出せるが、此処で相手の拠点に飛び込むのも正体を自分から教える愚行だと考える。
「なんで、あいつがグレモリー先輩に!?」などと絶叫している変態三男組の残り二人を一瞥しつつ、さっさと荷物を纏めて教室を後にする。詩乃と雫の二人と見た合わせているのだ。
桐生戦兎の能力があれば科学よりの他の仮面ライダーのガジェットも作れるだろうかと考える。
(セルメダルとライドベンダーが当たれば手っ取り早いんだけどな)
そんなことを思いつつ。
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