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ゼロの使い魔 ーエルフの使い魔はインファントの守護神ー

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序章 ファイナルウォーズ
  2話 オペレーション・ファイナルウォーズ(中編)

ーーX星人母艦・マザーシップ内ーー

「自分がどんな存在かは自分で決める事が出来る。俺達は家畜じゃない。人間だ」

マザーシップ内で尾崎はX星人統制官と対峙していた。

ゴジラをグレートバリアリーフから連れてきた轟天号は途中、作戦妨害に現れたマンダを撃退した後に世界各地で暴れる怪獣の元へゴジラを誘導しながら、東京へと帰還。X星人が操る怪獣達はゴジラに倒され、残る怪獣は現在、ゴジラと戦闘中である統制官が切り札として呼んだ超ドラゴン宇宙怪獣『キングギドラ』とモスラ・機龍、自衛隊と交戦している『改造ガイガン』の二体のみになっていた。

尾崎が乗る轟天号もミュータント兵士の『風間勝範』の犠牲もありながらX星人母艦のマザーシップ内へ突入。だが、突入と同時にX星人の攻撃で艦長であるゴードンと尾崎、小室、美雪以外の乗組員は全滅。四人は囚われの身となって統制官の前に連れてこられてしまったのだ。しかし、キングギドラと戦っているゴジラがマザーシップへ熱線を放った瞬間に起きた振動が合図になるかのようにゴードン達は反撃を開始。それぞれが乱闘にもつれ込む中、X星人に監禁されていた国連事務総長『醍醐明』と地球防衛軍の司令官『波川玲子』、地球防衛軍高官『国木田』が自力で脱出したことで形成は逆転。脱出した三人と共にゴードン達は轟天号に戻り統制官以外のX星人を全滅させることに成功。残るは殿として残った尾崎と戦っている統制官のみとなっていた。尾崎は統制官の攻撃に押されて敗北寸前になっていたのだが、戦いの途中で身体中が光りだす。何かの能力に完全覚醒したのだ。

「全てを支配する力を持ちながら………家畜の味方をする愚か者め!!」

統制官の繰り出す攻撃を尾崎は簡単に突き返す。

「ハァッ!ホッ!ハッ!ハッ!」

尾崎はさっきまで押されていたのが嘘の様に統制官の攻撃を難なく受け流す。

「ハッ……ぐっ……!ぐぅぅぅ…………!!ぐっ……!?ぐぉっ!?ぐっ………!?」

統制官の攻撃を遂に受け止めた尾崎はパンチや蹴りを入れ、連続で攻撃を仕掛けていく。

「イャッ!ぐほっ!?」

「ハァッ!」

「ぐっ……!ぎゃっ!」

統制官も蹴りを入れ込んだが尾崎に一本背負いされ、地面に背を付けてしまう。さらに尾崎にマウントポジションを取られた統制官は次々と殴打され、防戦一方となっていく。

《ゴアァァァァァァァァッ………!》

《《《ピイィギャイオォォォォォォ…………》》》

一方、マザーシップのモニターには怪獣の戦いでも同じなのかゴジラが自分に背を向けたキングギドラをマウントポジションで組み伏せて、黄金の竜の背中を尾崎と同様に殴打していた。

「ぎぃゃぁ………!にぃにゃぁ………!!!ハッ!」

尾崎に殴られ続けた統制官はようやく尾崎を押し返すことでマウントポジションから逃れ、立ち上がる。しかし、彼の顔からは殴られ続けたのか出血してる部分がありフラフラとしていた。

「ハァ……ハァ………」

「…………………………」

「ハァーーーッ!!ヤアッ!!」

統制官は雄叫びをあげると同時に尾崎目がけて突っ込んでいく。尾崎もまた統制官に向けて走り出す。

「にぃぃーーっ……!!」

「ハァーーーァァッッ……!」

統制官も尾崎もこれで最後にするつもりなのか、互いに回転しながらジャンプし、空中へと駆けていく。

「にぃぃーーっ!!ぐっ!?ガハッ……!!」

互いの拳が互いに当たると思いきや、尾崎が統制官の拳をギリギリで交わし、逆に尾崎の拳が統制官の腹へと命中。尾崎の拳が決まった統制官は壁に飛ばされ、そのまま激突してしまった。

「ぐっ……!ガハッ…!?」

「ハァ………ハァ………」

「ぬ……ぬぉぉぉ……!!ア……ァァ………」

最後の一撃を決めた尾崎に対し、統制官は再び立ち上がろうとするが、とうとうドサッ………と地面に背を付けて倒れてしまった。

同時に尾崎の勝利が決まった瞬間でもあった。勝負ありである。

「大丈夫ですか!?」

「勝ちましたね!」

「とうとうやったね………あんた」

「ハァ……ハァ、あぁ………援護をありがとう」

息をあげる尾崎にフェアリーに乗るモルとロラ、ガルガルに乗るベルベラが声をかけた。三人は殿として残った尾崎を援護するためにマザーシップ内へと潜入していたのである。

「ハァ………ハァ………」

「………ンフッフッフッ」

「「「「?」」」」

統制官に勝った尾崎と三姉妹に不気味な笑い声がマザーシップ内に響き渡る。

「ヘッヘへッヘ………!!ハッハッハッハ……!!ハッハッハッハ……!!」

「「「「…………………………」」」」

四人が振り返ると何と倒された統制官が笑っていたのだ。

「…………俺一人では死なんぞ」

「「「「!?」」」」

ドッッッカアァァァァン!!!ゴゴゴゴゴ………!

統制官の様子と台詞からまさかと感じ、目を開いた四人に突如隣で爆発が発生する。さらに遠いところでも爆発があったのか振動が伝わってくる。

「まさか………!?」

「………自爆する気か!?」

何と統制官は最後の悪あがきにこのマザーシップごと爆発させ、道連れを図ったのである。

「モル……!」

「わかっている……!急いで!貴方も早く脱出を!フェアリー!」

「ピィィァァッ」

「ガルガル、私達も行くよ!あんたも早くしな!」

「グルルルッ!!」

「ぐっ………!!」

尾崎とエリアス三姉妹は爆発と振動が続く中、急いで来た道を戻る。目指すはマザーシップ突入の際に使った轟天号へ。

「ンフッフッフッ……………!」

「………哀れなモノだな」

「!?」

一方、笑いながらも倒れたままの統制官に誰かが声をかけてくる。

「メトフィエス………何故、ここにお前が……?」

「こんな結果になるなら、司令官のする通りにするべきだったね。あの時司令官に言われた筈だ。力に頼る者は力によって滅びると」

「ぐっ………」

近づいてきた『メトフィエス』と呼ばれるX星人に指摘を受けた統制官は血がついた顔を歪める。

当初、X星人は『アンギラス』や『ラドン』などの怪獣達を世界中に解き放ち、それを自分達が消したかのような芝居を演じたことで地球の救世主として振る舞うことで味方の振りをし、醍醐を始めとした要人を密かにすりかえることで地球制圧作戦を進めていた。

しかし、尾崎達によりこの作戦は見破られてしまう。結果、秘密裏かつ悠長に計画を遂行していたX星人司令官を当時参謀だった統制官が射殺したことで高性能の戦闘機とコントロールした怪獣達で地球総攻撃という過激なやり方へと変更したのである。

「あげくの果てに相手が貴様と同じカイザーだったとはいえ、散々家畜呼ばわりした地球人に負けるとは……見苦しいな」

「……ンフッフッフッ。だが、家畜の奴らだけ生き残らせはせんぞ……。道連れにしてやる………」

X星人と彼等と地球人のハーフであるミュータントの中には、何万分の1の確率で『カイザー』と呼ばれる最強の存在が誕生する。この世界には尾崎とX星人統制官の二人がカイザーとなっている。

同じカイザーだったとはいえ、あれ程自分が家畜呼ばわりした地球人に負けたことを責めるメトフィエスだが、統制官は笑いながら言い返す。彼の頭の中は地球人達との道連れのことにしかもうなかったのだ。

「………貴様は本当にわかってないな」

ガチャッ!

「!?」

最後まで地球に対して悪あがきを続ける統制官にメトフィエスは何と光線銃を構えた。

「な……何をする気だ!?」

「確かに我々は貴様の言う通り地球人のミトコンドリアを摂取していかなければ生きていくことは不可能だ。だが、力ずくで奴らを屈服させ本当に家畜化させようとした結果がこの様だ。我々は負けた。もう言うまでもないだろう。司令官のやり方で計画を進めいれば目的のミトコンドリアも簡単に手に入っただろうに………。そのチャンスを貴様は潰したのだ、その責任はとってもらう」

「!!?、ま………待て!!」

「さらばだ」

ビュゥン!

「ぐぉぉっ…………!!?」

メトフィエスは統制官に光線銃を撃つ。何とメトフィエスは統制官を射殺してしまったのだ。

「エンダルフ」

「はっ…………」

統制官を射殺したメトフィエスは彼の後方から出てきた『エンダルフ』と呼ばれるX星人に声をかける。

「怪獣達は?」

「はっ、皇子………。アンギラス、ラドン、マンダ、メガロ、カマキラス、クモンガ、チタノザウルス、エビラ、ヘドラ。共に回収は済ませておきました」

「宜しい、すぐに地球から脱出する。他の惑星へと向かうぞ」

「ガイガンとキングギドラはどうするので?」

「あの二体にはゴジラと地球達の足止め役をしてもらう。状況が悪くなれば宇宙へと逃げろと命令している」

「おぉ……かしこまりました。そういえば皇子……貴方もカイザーでした。すぐにコントロール下に置くとは……流石です」

エンダルフはガイガンとキングギドラのコントロール権を統制官から奪ったメトフィエスに驚くと共に感嘆する。何と、メトフィエスもカイザーだったのだ。

「そう、褒めなくていい……行くぞ」

「はっ…………」

































『オペレーション・ファイナルウォーズ』が最終段階へと入っていく中、誰も知らない所でX星人・エクシフの新たなる計画が始まろうとしていた…………。
 
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