ガールズ&パンツァー もう一人の転校生
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青葉女学園の敗退と廃校
『国立白河女子高等学校vs県立青葉女学園の試合は国立白河女子高等学校の勝利です。一同、礼。』
「ありがとうございました。」
これで私達の学校の廃校が決定した。
私達は青葉女学園の廃校宣言撤回を目標に頑張ったが経験者が少ない我が校が負けるのは時間の問題だと思っていたが、まさかこんなに早いとは思わなかった。
名門国立白河女子高等学校が相手に当たるなんて運が悪いとしか言えなかった。
「桜。」
「深雪さん、久しぶりです。それに氷華ちゃんも。」
「うん久しぶり。今日の試合は良かったよ。もし桜がどこかの名門に行っていましたら負けていました。」
「それで梨華さんはどうしたんですか?」
その質問をすると二人は暗い顔をして、
「転校しちゃった。それも桜が通う学校のように戦車道の無かったところに。」
「そうですか。梨華がいたらもっと早くに負けていましたよ。それに私達はもうこの学校にはいられませんから。」
「どうしてです?大会に勝てなかっただけでそんなに重い罰があるの?」
今度は桜が顔を暗くして、
「私達の学校はもう「言うな。」」
桜がいいかけたのを止めたのは青葉女学園の生徒会長である藤原雫であった。
「これは青葉女学園の生徒会長殿。私は何故そんなに重い罰があるのか気になっただけなんですが。」
「これは他校には言えないことです。伊達もこの事は言ってはいけません。」
「すみません。」
「もしも自分達の運命を変えたければ行動を起こしなさい。」
何も知らない氷華に対して、全てを知っている深雪はそう告げると、
「行くわよ。」
「はい。それではごきげんよう。」
二人は自分達の待機所に戻っていった。
「まさか深雪さんに負けるなんてね。ちょっと驚きかな。生徒会長。」
「何ですか?」
「どして深雪さん達には教える事が出来ないんですか?」
すると雫が、
「私達は廃校宣言撤回のために戦ってきた。それを敵に言うなんて、心から敗けを認めているようなものじゃない。それにね。」
「それに?」
「深雪さんと呼んでいた方は私達の状況を知っているようでしたね。」
「そうなんですか。」
「今の私達にできるのは廃校まで学校生活を満喫すること。」
翌日、青葉女学園の生徒会室
「久しぶりだね雫。」
「杏も久しぶりじゃない。一体なんの用かしら?」
「戦車道の大会は残念だったね。二回戦目で白河に当たるなんてついてないよね。」
「笑いに来たのかしら?」
「まさか、私たち今ね、ちょっと困ってるの。」
いつになく真剣な表情をだしている角谷、
「話だけでも聞くわ。」
「大洗はいま、廃校の危機に直面している。それに対して私たちは戦車道で優勝することが出来たときは廃校を撤回してもらうように頼んだんだけどプラウダ、白河、黒森峰に当たると私たちだけじゃ勝てそうに無いんだよね。そこで青葉の優秀な選手を借りに来たんですよ。」
「成る程、大洗の状況はわかったわ。誰でもいいのなら探してみるわ。」
「いやー、助かるよ。戦車はこっちで用意するからさヨロシクね。」
いつもの表情に戻った杏。
「それにしても私たちと同じ状況におかれている学校がまさか杏の学校だったなんてビックリだわ。」
「私たちと同じって言うことは雫達の学校も?」
「そうよ。でも私たちはもうほとんど廃校決定らしいですけど。」
「そう。私たちは頑張って優勝して、大洗を廃校にはさせない。」
「私も杏には同じ思いをしてほしくないから協力するわ。」
「雫、ありがとね。」
「気にしないで。」
その後、二人は世間話をほんのすこしだけしていた。
後日、青葉女学園の生徒会室に三人の生徒が呼び出されていた。
先日の話を三人に聞かせると、
「元々戦車道の無かった学校には行きたくないです。」
「絶対に行きたくないです。」
「私も。」
「そんなことを言わないで。三人が尊敬している大狩流の生徒さんもいるらしいから。」
その事を聞いた三人は、
「そうなんですか。梨華さん達と一緒に戦えるのなら転校してもいいです。ついでに大洗の危機も救ってきますよ。」
「二人はどうなの?」
「そうですね。あいつらに私の方が優秀だと示すには絶好の機会ね。分かりました、その話にのります。(本当は次期生徒会長を狙っていたのに。)」
「二人が行くなら、私も行きます。」
三人が大洗に行くことを決めると、
「ありがとう。杏にいい報告が出来るわ。」
そう言って三人に紙を渡した。
「転校届けは今週中に出してちょうだい。」
「分かりました。」
「はい。(それぐらいやってくれてもいいじゃないか。)」
「・・・了解。」
「会長が我が校の為にそんなことをしていたなんて。」
「見直しました。」
杏を誉めている二人。
「明日は四校会議があるんだ。ちゃんと準備してよね。」
「はい。」
「分かってます。」
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