ガールズ&パンツァー もう一人の転校生
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四校会議と演習
[今日のニュースです。まずは驚きの結果です。
戦車道の全国大会で今年度、優勝候補であった国立白河女子高等学校が準決勝を棄権しました。
白河女子高等学校の話によりますと、戦車のエンジンにトラブルが発生して、全車輌の検査が入ったためとのことです。
それにより今大会の決勝戦は黒森峰女学院vs大洗女子学園による試合になります。
試合は来週の土曜日、朝の9時開始予定です。]
私は今、大洗女子学園の会議室に来ています。
理由は先日、結成された四校連合(大狩連合)による決勝戦に向けての会議です。
本当だったら準決勝の日なのだが、今朝のニュースでやっていた通り私たちの為にわざわざ嘘をつき、棄権してくれた白河女子高のみんな。
感謝がしきれません。
此処に集まっているのは、白河女子高からは私、大狩梨華とお姉ちゃんの深雪。
北海学園からは北東姉妹。
青葉女学園からは雫と桜。
大洗はみほと杏、桃、柚子。
この十人による話し合いが始められた。
「いやー、悪いね。私たちの為に棄権して貰って。」
「連合校を助けるのは当たり前です。私たちは西住流のと違い、犠牲者が出ない戦いをするのが目的ですから。お母様は先日こう言っていました。「仲間を助けることが出来ない者は戦車道に出てもなんの進歩もあり得ない。」と。」
「お母様がそんなことを。」
「流石は里美様。お心が広い。」
「おばさんだからあり得ますね。」
それを聞いた私は、
「生徒会長、すいませんがお母様に電話をさせてください。」
「ごめん梨華。さっきの発言を撤回するから言わないで。」
携帯をしまった。
「早速会議を始めたいのだが。」
「そうですね。議題はやはり戦い方ですか?」
一番始めに発言をしたのは桜だった、
「私たちは当たって砕け散るのがいいと思います。」
「負けちゃうから却下。」
「私は一斉攻撃で相手を叩くのがいいと思います。」
「勝算は?」
「黒森峰が戦法をよんでいなければあるはずです。」
「流石は一回負けているだけのことはありますね。」
「深雪さんも去年、負けていましたよね。なにかいい案はあるんですか?」
するとお姉ちゃんが私に指示をだし、
「私たちの考えは各校で別々行動をして、相手を弱らせていく戦法を考えました。」
「その戦法の勝算はあるのか?」
「もちろんです。私たちはその作戦に従って戦い去年は後一歩の所まで行きました。それに大洗女子学園がフラッグ車の護衛に務めてくれれば、こちらは安心して、敵フラッグ車の撃破に集中できます。」
「結構な自信だな。」
「今回の連合で連携をとるには時間が足りません。それならば、各自で行動をとって方が良いと判断しました。」
残るはみほだけ、
「私も梨華と同じ考えです。」
「そうか。では多数決を取る。みみの案を取るものは手を上げろ。」
手を上げたのはみみとさや、桜、桃の四人。
「一様分かっているが梨華の案に賛成の者。手を上げろ。」
残る六人が手を上げた。
「では梨華の案を採用する。」
「深雪さんが雫に話があるってさ。」
杏が雫に言うと、
「何でしょうか?」
「学校の廃校を取り消したくはないか?」
雫の顔つきが変わった。
「どうしてそんなことを?」
「今回、大洗女子学園は大狩流の支援校になることで廃校が阻止できたの。それなら同じ状況下の青葉女学園も阻止してあげたいとお母様がおっしゃていたは。」
「いいんですか?」
「大狩流には現在、11校の支援校があるわ。それに二校位増えても大丈夫らしいわ。」
すると雫は、
「嬉しい話ですが、考えさせて下さい。」
「ええ。返事は来週迄にくれればいいわ。」
「ありがとうございます。」
「それでは一度だけの演習を国家指定校の一つであり、国連指定校である私立GT学園の施設を借りて行いましょうか。」
この学園艦はすでに港に着いていて、
「ようこそ。私がこの学園の理事長の夏村未来です。今日は演習用市街地を使いたいとのことでよろしかったでしょうか?」
すると大洗女子学園のメンバーが、
「こないだの。」
「その節はどうもお世話になりました。」
「では私に着いてきてください。」
案内されて付いていくと、そこには大洗よりも若干大きな町があった。
「此処が演習用市街地です。練習が終わりましたらご連絡下さい。それでは仕事があるので失礼します。」
未来は歩いて一番大きなビルがある方に向かった。
「それではやるか。」
皆が戦車に乗り、準備を始めた。
練習が終わり、未来が迎えに来ると、全員が汚れているのを見て、
「ちょっと付いてきてください。」
また別の所に案内された。
「梨華さんは前回来ましたからわかっていると思いますが、此処は駅の従業員専用の大浴場ですので、一般の方は来ませんから安心して入って来てください。」
「ありがとうございます。」
全員が駆け足で中に入っていった。
入浴中はカット。
「今日はありがとうございます。いい練習になりました。」
みほが挨拶をすると、
「それはなによりです。決勝戦は期待しています。」
「はい。」
それで全員が撤収を開始して帰ろうとすると、梨華が、
「未来、今日はありがと。また遊びに来いよ。」
「えっ。うん、時間があればね。」
こんなやりとりをしていた。
後書き
後半はクリスマスに公開予定の作品から少し引用しました。
夏村未来については作者のはじめて書いたの作品の主人公です。
次回は雫の返事と、決勝に少しだけ触れます。
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