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社会人共がクトゥルフやった時のリプレイ

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大神村の怪異
  Part.8

 では皆さんは中央会館に集合しています。……あれ? 食屍鬼(グール)化しているこころくるみはどうしますか?

「部屋の外に拘束して放置してあるわ」

 なるほど。じゃああなたたちが最後に部屋に入ったってことでいいですね。

「あ、GM。この部屋全体を見渡す。凶器の薙刀は置いてあるか?」

 あります。村長の近くの壁に立てかけてあります。どうやらあれで処刑するつもりのようですね。

「皆さんお揃いのようで……おや、こころくるみさんはどちらにいらっしゃるのじゃ?」

「ああ、彼女ならさっき会ったぞ。トイレに行くんだと」

「そうでしたか。それなら先に始めてしまいましょうぞ」

「まずは成り行きを見守りましょう。タイミングを見計らって畳みかけましょう」

「だな。あとみんな、大賀さんも含めて固まって座るぞ。出口に近い席にな」

 そうですか。では会議が始まっていの一番に手を上げたのは水戸夏希です。

「私! 私が看破術師です!」

「白い目で見ておくわ」

 では村長は「おお」と感心しつつ夏希に話しかけます。

「やはり伝説は本物だったんじゃ。して水戸さん、どなたを見た?」

「はい。大賀さんを見ました。彼女が人狼です!」

 と興奮した様子で大賀さんを指差して言います。

「はい確定」

「これではっきりした。大賀さんはこちら側だ。大方GMが用意した初日に処刑される役目のNPCだったんだろう」

「待ちなさい。もっと弁明の余地もないところまで追い込んでから突き付けましょう。もうこっちは全部知っているってことを強調させるわ」

 そうですか。ではNPC達の視線は大賀に向かいます。そして向けられた大賀は動揺しています。

「わっ、私は化け物じゃありません!」

「してその証拠は?」

「そ、それは……あ、あなた! あなた嘘吐いているでしょう!?」

「嘘じゃないわ! 確かに見たもの! 見えたもの!」

「GMが1人コントしてる」

 正直恥ずかしいので介入してください。

「じゃあ私が介入するわ。水戸夏希に話しかける。ねぇ、あなたはどんな方法で彼女が人狼だってわかったのかしら?」

「それは看破の術を使って……」

「ああ、それはわかっているわ。でもね、どんな風にその術を発動させたのか、気になってね。ちなみに私はどうだったの? 人狼だった? 人間だった?」

「そ、それはわからないわよ。術を使ってないもの」

「そう。ちなみに他の人は?」

「だからわからないわよ! 使ってないんだもの!」

「ふーん。まぁそれは良いわ。で、それを踏まえて聞くわ。どうやって大賀さんが人狼だってわかったの?」

「そ、それは……」

「言っとくけどね、これはゲームじゃないのよ? あのゲームは役職がある前提でやっているから誰も疑問に思わないけど、これは現実よ。まさか天からの声が聞こえた、みたいなことを言うんじゃないわよね? それなら誰だって看破術師を騙れるわ。もっと具体的に、どのように彼女を占って、その結果人狼だって見破ったの?」

「み、見て分かったんです! 彼女を見ながら効果を使って見破ったんです!」

「ん? それならおかしいな。彼女は俺たちの誰かと常に行動を共にしていたぞ」

「どこかで術を使って彼女を見たとしたなら、他の誰かも巻き込んでいてもおかしくないですね」

「だな。なのにあんたは能力を使っていないからわからないと言った。その看破の仕方は納得できないぜ?」

「ひ、1人しか見破れないのよ! なんで信じてくれないのよ!」

 水戸夏希は興奮しています。よくよく見れば、処刑の儀賛同組はみんな不機嫌そうな顔をしています。

「確認完了したし、もういいんじゃないかねい?」

「そうね、もう頃合いでしょう。さぁ、刑事の出番よ」

「いや、ここはレミリア頼む。俺おまえほどロールプレイに自信がない」

「えー……わかったわよ。じゃあお嬢様らしく優雅に謎解きしましょう」

「謎解◯はディナーの後でかな?」

「それだったら咲夜の人が謎解きするんじゃないんかねい?」

「ご飯食べてから謎解きするんですか? 悠長過ぎではありませんか?」

「あんたら黙ってなさいよ。こほん。あのねぇ、もう茶番はやめましょう? こっちは全部わかっているのよ。どうせあなたたちは私たちを生かしてこの村から出す気なんてないんでしょう?」

 レミリアがそう語りかけると、村長たちは目を見開きます。

「私ねぇ、お昼くらいに面白いもの見つけちゃったのよ。皆さんにもお見せするわ。咲夜」

「はい、お嬢様。返事をしてから立ち上がり、廊下に放置していたこころくるみだったものを部屋の中に持ってきます。《STR》16ですから余裕ですよね」

 ではそれを見た賛成組は、激しく動揺しています。「ど、どうして」「なんで」と声を漏らす人もいますね。

「びっくりしたわぁ。皆さん聞いて頂戴よ。この化け物、こころくるみさんなのよ」

「そ、そんな……!」

「本当よ? あのあと解散した時にね、私と咲夜にいきなり襲い掛かってきたのよ。びっくりしちゃってね。思わず殴り倒しちゃったわぁ」

「凄い度胸のお嬢様だ」

「あ、殺していないわ、気絶しているだけよ。起こしましょうか。咲夜」

「はい、お嬢様。水の入ったコップを食屍鬼の顔にかけます」

 ではこころくるみだったモノは目を覚まします。そして少しすると、自分がどんな状況に置かれたのかを認識したらしく、かなり動揺した様子で慌てて縄を解こうとしています。

「おはようこころくるみさん。あなたと番組共演できなくて悲しいわぁ? まさか化け物だったなんてねぇ? ほら村長、人狼よ。早く殺さないと。人狼と疑わしいものを殺すんでしょ? これなんて疑わしいを通り越してまんまよ? ほら、やっちゃいなさいよ。……内藤さんを殺った時みたいに一撃で、その後ろに立てかけてある薙刀を使って貫いてねぇ。あ、歯形も付けるかしら?」

 そのレミリアの言葉を聞いた村長は口をパクパクさせ始めます。顔は真っ赤で怒りやらなんやら色んな感情が混じり合っているようです。

「私ねぇ、占い師である前にね、亡くなった人と会話できるのよ。ほら、人狼伝説にあったでしょう? 降霊術師ってやつよ。あれと同じ力があってね、夢の中で内藤さんと会って話したわ。内藤さん、死ぬ前に目を開いたんですってね。しっかり見ていたわよ、あなたの顔をね」

「なっ、なっ……」

「許せないわよねぇ? 自分たちの餌のために楽しみにしていたお客を騙して殺して、あなたツアーの責任者に相応しくないわよ? はい遊星、バトンタッチよ」

「任された。あんたの家でこんなものを見つけた。もう言い逃れできないぞ化け物どもめ、と言いながら冊子の写メを見せる」

 ……いいですね。そこまで徹底的にやってくれたら大丈夫です。
 えー、レミリアと遊星に証拠やらなんやらを突き出された村長は怒りの形相を浮かべて立ち上がります。いえ、村長だけではありません。村長側に付いていたNPC達も全員立ち上がります。

「「座っていた私(俺)も立ち上がる!」」

「……せっかく残り短い人生を楽しませようと思っとったのに……バカな奴らじゃ。そこのバカもじゃ。あれほど人前でその姿になるなと忠告したのに、破った結果がこの様。溜息も出ぬわ」

 ゆらりと、嫌な風が吹きます。蝋燭に灯っていた炎は揺れ、中には消えるものもありましたが、まだ部屋には光があります。

「もうそこまで真相に気が付いていらっしゃるならなるほど、これ以上の茶番は無用のようでございますね」

「あーあ、もっとあんたたちが慌てる姿を見たかったのになぁ」

「良い小説が出来そうだったのですが、こんなシナリオはボツです。美しくない」

「だぁー、めんどくせえ! だから最初からこうしとけばよかったのさ!」

「まぁまぁ、これも人間の賢さです。私はわかりますよ」

 それぞれ薄く笑いながら、その姿を変えていきます。……レミリアの足元で転がっている、こころくるみと同じ姿……醜き怪物の姿に。《SAN》チェックです。最大正気度喪失ポイントである6点に達するまで、イベントごとに判定します。0/1D6で判定どうぞ。それから、ここからは味方NPCの大賀美穂も判定に加えます。彼女は自由に使っていただいて構いません。

 遊星  《SAN》58 → 04 クリティカル
 レミリア《SAN》53 → 63 失敗
 咲夜  《SAN》44 → 13 成功
 咏   《SAN》45 → 65 失敗
 白夜  《SAN》40 → 83 失敗
 大賀  《SAN》40 → 03 クリティカル

 クリティカルが出た遊星と大賀は、次のイベントでの《SAN》チェックを0/1で済ませます。

「(コロコロ)……あ、6」

「(コロコロ)……やっべ、私も6だ」

「(コロコロ)……1だ」

 5点以上減少したレミリアと咏、《アイデア》をどうぞ。

 レミリア《アイデア》75 → 15 成功
 咏   《アイデア》65 → 20 成功

「あらぁ、一時的発狂よ」

「私もだぜ」

 初発狂記念として《クトゥルフ神話》技能6パーセントどうぞ。あと他の人も1パーセントプレゼントします。さて、1D10どうぞ。

「(コロコロ)……6」

「(コロコロ)……レミリアとダイスが合うなぁ、6だ」

 6番ですか。自殺癖あるいは殺人癖です。一番美味しい発狂を選ぶとはダイスの女神に好かれていますねぇ。

「やっぱりそうだったのね! ぶっ殺してやるわ! あんたたちを殺して生き残るのよ! 食屍鬼の群れの中に突っ込むわ!」

「どこまでも気が合うねい! 知らねえや! てめぇらみんなぶっ飛ばぁすっ! 扇子を構えつつ私も突っ込むぜ!」

「お、お嬢様ぁーっ!」

「ダメだ、咲夜も発狂しているようなもんだ! 白夜さん! ここでやるぞ! 脚のホルスターに隠していた拳銃を取り出す! ベレッタM92FSだ!」

「本当は外のホールでやりたかったんだけどしょうがないか。俺も拳銃を取り出すぜ。45口径のオートマチックだ」

 それでは戦闘ラウンド突入です。レミリアと咏さん、1D6をどうぞ。

「(コロコロ)……3」

「(コロコロ)……2」

 ではレミリアは戦闘ラウンド3ターン目に、咏は2ターン目の最初で正気を取り戻してください。
 戦闘に参加する食屍鬼は7体。内1体は捕らえられているので行動できません。トドメはさせます。また、助けられた場合はこの食屍鬼も戦闘に参加します。
 行動順を決定します。それぞれ《DEX》値を教えてください。食屍鬼は全員《DEX》13で統一します。食屍鬼と同等の場合は自動的に食屍鬼から戦闘を行います。大賀美穂は10です。戦闘技能はありません。

「12だ」

「13よ」

「11です」

「20だ」

「12……っておいこら待て! 三尋木今なんつった!?」

「私の《DEX》は20だぜ。めっちゃくちゃ速いぜ」

「そんな次元じゃないんだが」

 それでは戦闘ラウンドに入ります、咏からどうぞ。

「一番近くにいる食屍鬼に攻撃だ。扇子を振り落とす。この扇子、実は鉄扇なんだ。列記とした武器なんだぜ?」

 狂人の洞察力判定を挟みます。《アイデア》の値以上の数値で自動成功です。

「(コロコロ)……34、失敗だ。普通に判定」

 咏 《鉄扇》80 → 05 クリティカル

「ひゃっはー! こっちのほうが良かったぜ! 食屍鬼は消毒だぜ!」

 なんであなたは戦闘ラウンドでそうクリティカルを普通に出しますかねえ!? 《回避》不可とします。
 一番近くにいた食屍鬼に攻撃でしたね。飛び出したということは縛られている奴ではありませんね。木場研二だった食屍鬼Fに咏の鉄扇がクリティカルヒットです。ダメージ判定どうぞ。鉄扇のダメージはタクティカル・バトンと同じ判定方法でお願いします。1D8+ダメージボーナスです。

 1D8+1D6 → 7

 えー、ショックロール入ります。

 食屍鬼F《CON》??×5 → 46 成功

 まだ健在ですね。

「ショックロールを乗り切ったか」

 では続いて食屍鬼たちの行動です。近いのはレミリアと咏ですね。
 まず食屍鬼A……村長食屍鬼は立てかけてあった薙刀を構えます。他5体の食屍鬼の行動です。BとCはレミリアへ、DEFは咏に向かってかぎ爪で攻撃してきます。面倒ですので纏めます。

 食屍鬼B《かぎ爪》?? → 78 失敗
 食屍鬼C《かぎ爪》?? → 85 失敗
 食屍鬼D《かぎ爪》?? → 87 失敗
 食屍鬼E《かぎ爪》?? → 71 失敗
 食屍鬼F《かぎ爪》?? → 19 成功

 大分腐っていますねぇ……それでは食屍鬼Fの爪が咏を捉えました。

「《回避》するぜ、80パーセントだ!」

「おかしいだろそれ」

 咏 《回避》80 → 09 成功

「さっきの仕返しってかい? んなもん喰らうかっての!」

「《DEX》13、私ね。食屍鬼Bに殴りかかるわ。化け物はぶち殺す! 慈悲はないわ! まずは洞察力ロールね(コロコロ)……86! 成功ね! これってどっちが成功になるの? 《武道(空手)》と《こぶし/パンチ》を併用するつもりだったんだけど」

 どちらとも成功で構いません。食屍鬼Bの《回避》判定です。

 食屍鬼B《回避》?? → 73 失敗

 2D3+1D4 → 9

「ほとんど最大値よ。どうかしら?」

 食屍鬼B《CON》??×5 → 92 失敗

 軽く5メートルほど吹き飛ばされた食屍鬼Bは壁にめり込んで気絶します。

「すげえお嬢様だ」

「《DEX》12の俺だ。ここからじゃ狙いが定まらないから近くまで移動する!」

「俺は大賀美穂の護衛につく! 嬢ちゃん無理すんな。ここは大人に任せとけ。部屋の隅から少し離れたところに移動するぜ」

 では大賀美穂は白夜の指示に従います。

「あ、ついでに食屍鬼Gにとどめを刺す。縛られているから抵抗できねえな? 攻撃も外しようがねえよな? 《回避》も出来ねえよな?」

 何にもできませんね。食屍鬼Gは息絶えました。

「私はお嬢様のもとに向かいます。反撃はしません。ひたすらお嬢様への攻撃に対して《庇う》を使用します。そばにいますから《DEX》対抗は挟みませんよね?」

 挟みません。ただしその場合《庇う》は自動成功とする代わりに確実にダメージが来ます。よろしいですか?

「大丈夫です。私が一番役に立ちませんからね」

 了解しました。では第2ラウンドに行きまーす。咏ちゃん、正気に戻ってくださいね。

「でもやることは変わらないぜ! 食屍鬼Fにとどめを刺しに行く!」

 咏 《鉄扇》80 → 10 成功
 食屍鬼F《回避》?? → 47 失敗

 1D8+1D6 → 8

 はい。食屍鬼Fは息絶えました。
 食屍鬼たちの行動です。ACはレミリアに、DEは咏に向かって攻撃します。なお、食屍鬼Aは薙刀で攻撃してきます。

 食屍鬼A《薙刀》?? → 95 ファンブル
 食屍鬼C《かぎ爪》?? → 70 失敗
 食屍鬼D《かぎ爪》?? → 93 失敗
 食屍鬼E《かぎ爪》?? → 25 成功

 んなっ!?
 で、では薙刀が空振った挙句勢いが強くてすっこ抜けてしまいました。次のラウンドの食屍鬼Aの行動は薙刀を拾うに固定し、このターン《回避》不可とします。

「相変わらずあなた、戦闘ラウンドだとダイス腐るわね」

 おはらいにでも行きましょうかね……おっと、食屍鬼Eは成功していました。咏ちゃん喰らっときますか?

「拒否するぜ」

 咏 《回避》80 → 35 成功

「だっから遅いっての」

「発狂中の私のターンよ。食屍鬼に生きる価値なしよ! 咲夜の制止なんて聞かずに全速前進! 食屍鬼Aに攻撃よ。洞察力判定は(コロコロ)……100! 怖いけど無事成功! 食屍鬼Aは《回避》できないからそのままダメージ判定!」

 2D3+1D4 → 7

 食屍鬼A《CON》??×5 → 80 失敗

 村長食屍鬼は気絶します。

「俺のターンだ! 気絶している食屍鬼Bに銃撃だ! とどめを刺すぞ!」

 何発撃ちますか? 3発まで撃てますけど。

「1発……いや、2発だ」

 遊星 《拳銃》75 → 33 成功

 2D10 → 9

 食屍鬼Bの額に風穴が開き、息絶えました。

「よし」

「俺の番か。こっちに食屍鬼は来ているか?」

 来ていません。

「なら待機する」

「私も何もせずにラウンドを終えます」

 では第3ラウンドに入ります。レミリアさん正気に戻ってください。

「……私としたことが、つい取り乱しちゃったみたいね」

「私の番だ。食屍鬼Eをぶっ飛ばす!」

 咏 《鉄扇》80 → 04 クリティカル

「そら来た2回目のクリティカル! 《回避》出来ねえな? そのままダメージだ!」

 1D8+1D6 → 14

「はっはぁ、最大値だぜえ!」

 嘘でしょう……食屍鬼Eの頭が割れ、そのまま崩れ落ちました。息絶えています。
 食屍鬼2体の攻撃です。Cはレミリアへ、Dは咏に向かいます。

 食屍鬼C《かぎ爪》?? → 37 失敗
 食屍鬼D《かぎ爪》?? → 48 失敗

 ダメだこりゃ。

「私のターンね。咲夜、悪いけど私は戦うわ」

「……では私がお嬢様の盾になります」

「ごめんなさいね。食屍鬼Cに向かって《武道(空手)》+《こぶし/パンチ》よ」

 レミリア《武道(空手)》72 → 37 成功
 レミリア《こぶし/パンチ》50 → 08 成功
 食屍鬼C《回避》?? → 10 成功

 お、おおっ! 回避! 回避しました! やっと成功しましたよ!

「躱されちゃったわ」

「俺の番だ。今《回避》した食屍鬼に3発ぶち込む。もう《回避》出来ないだろう」

 遊星 《拳銃》75 → 58 成功

 3D10 → 17

 食屍鬼C《CON》??×5 → 11 成功

 食屍鬼Cはまだ立っています。

「くっ。食屍鬼は飛び道具のダメージが半減されるからな……」

「俺は特に何もしない」

「同じく」

 そうですか。それでは第4ラウンド……に入る時ですね。あなた達は外から複数の足音がこの部屋に向かっていることに気が付きました。
 バンッと乱暴に扉が開きますと、そこにいたのは今あなたたちが戦闘を行っていた生物と同じ怪物でした。それがですね(コロコロ)……なんと10体、いるではありませんか。

「増援だと!? しかも10体!?」

「どこに隠れていやがった!?」

 それでは食屍鬼の最大正気度喪失ポイントに達していない遊星、咲夜、白夜、それからNPCの大賀美穂。《SAN》チェックのお時間です。

 遊星 《SAN》58 → 44 成功
 咲夜 《SAN》44 → 70 失敗
 白夜 《SAN》39 → 14 成功
 大賀 《SAN》40 → 23 成功

「(コロコロ)……あ、5です」

 おやおや、では5点以上減少した咲夜さん、《アイデア》判定をどうぞ。

 咲夜 《アイデア》55 → 94 失敗

「一時的発狂はなしですね」

「GM! 今全員のいる場所はどうなっている!」

 10体の食屍鬼に一番近いのは遊星と白夜、そして大賀美穂です。他3人は今から急げば間に合うでしょう。

「咏さん! あなたは向こうに行きなさい! 残り2体は私と咲夜で何とかするから!」

「了解した! このラウンドは遊星の隣に移動して終わりにするぜ!」

 それでは12体の食屍鬼たちが攻撃態勢に入ります。食屍鬼CDはレミリアへ、H~Kが咏に、L~Nが遊星に、O~Qが白夜の方に襲い掛かります。

「ちっくしょ、数が多すぎる! 1D20で決めやがって!」

 面倒なのでスマフォの判定アプリ使いますね。

 食屍鬼C《かぎ爪》?? → 85 失敗
 食屍鬼D《かぎ爪》?? → 20 成功
 食屍鬼H《かぎ爪》?? → 82 失敗
 食屍鬼I《かぎ爪》?? → 82 失敗
 食屍鬼J《かぎ爪》?? → 96 ファンブル
 食屍鬼K《かぎ爪》?? → 48 失敗
 食屍鬼L《かぎ爪》?? → 50 失敗
 食屍鬼M《かぎ爪》?? → 02 クリティカル
 食屍鬼N《かぎ爪》?? → 73 失敗
 食屍鬼O《かぎ爪》?? → 39 失敗
 食屍鬼P《かぎ爪》?? → 80 失敗
 食屍鬼Q《かぎ爪》?? → 48 失敗

 食屍鬼Jはこのターン《回避》不可とします。食屍鬼Mの攻撃には《回避》できません。

「お嬢様に向かう食屍鬼がいますね。《庇う》を使用します!」

 それではダメージ判定行きます。

 2D6+1D4 → 6
 2D6+1D4 → 9

 咲夜 《耐久力》14 → 8
 遊星 《耐久力》12 → 3

「くはぁっ!」

「さ、咲夜!? 咲夜ぁ!」

「ぐっ、俺はショックロールか!」

 遊星 《CON》10×5 → 03 クリティカル

「よし、気絶はなしだ!」

 クリティカルですか。ではひっかきどころが悪かったということでダメージを半減していいです。

 遊星 《耐久力》3 → 7

 さて……ダメージを食らった咲夜、《幸運》で判定してください。

「はい?」

 咲夜 《幸運》45 → 01 クリティカル

 ……え? ま、まぁいいです。それでは《幸運》に成功した咲夜……この紙をどうぞ。

「え? なんですか、これ」


     ――――・――――・――――・――――


十六夜 咲夜 秘密:『豊穣の善神』

 あなたはシュブ=ニグラスの化身だ。
 気紛れで地上に現れた化身であったが人間の姿に擬態してしまったばっかりに、記憶喪失となり全ての力を失ってしまう。

 あなたが神話生物、あるいは超常現象を目撃して一時的狂気・不定の狂気に陥った時、または神話生物によるダメージを受けて《耐久力》が減少した場合に《幸運》判定を行い、成功した場合、緑の石……シュブ=ニグラスの力の結晶が弾け、失った記憶を取り戻す。
 あなたが真の力を取り戻し理性が残っているのであれば、善の心を持つ豊穣神としての全ての力を使うことができるだろう。


     ――――・――――・――――・――――


「え、ええ!? これって……」

 はい。そういうことです。それがあなたの本当の秘密です。

「おい、なんだ。何が書かれているんだその紙には」

 それはすぐにわかりますよ。それではこのセリフを咲夜、お願いします。

「……わかりました。では庇った後、小さく笑いながらお嬢様に微笑みかけます」

「え?」

「――思い出しました。お嬢様、この咲夜、この身、この力の全てを以ってあなたをお守り致します」

 芯のある強い言葉がこの中央会館に響いた。音響効果などないこの建物でも、小さく静かな口調であったものの、その存在感のある美しい声は確かにこの場の全ての生物の耳に届いた。
 全ての生物の動きが止まり、その声がした方へ顔を向ける。そこにいたのは仕えるべき主を守るべく戦っていた美しき銀の従者……十六夜咲夜であった。

「え? 咲夜?」

 ピシリッ。
 まるで池に張った氷に亀裂が入った音がする。
 ピシリッピシリッ。
 それは彼女が首から提げている緑色の石の付いたペンダントから発せられている。何もしていないのに石に皹が入り、その緑色の輝きは皹が入れば入るほど強く強くなっていく。
 ピシリッピシリ……パシッ!
 やがて石が砕け、パラパラと破片が地面に散らばる。欠片が散らばった更地だった土間には緑色の草が生え、色とりどりの花が咲き誇り、それは植物の生えていない空間全体に広がっていく。

 変化はそれだけでは留まらず……十六夜咲夜の身体にも起き始めた。

 優しい白いヴェールを纏った緑色の光が彼女の体を包み、灰色だった瞳は緑色に輝き、銀色だった髪の毛にも薄い緑の色彩が加わる。そして……彼女の髪の毛に隠れるように、しかし確かにそこに生えている2本の山羊の如き白い角。背中には2対の薄緑色の翼が花咲くように生え揃っていた。

 明らかに人間の姿ではなくなった咲夜。しかし、『あのとき、自分を助けてくれた愛おしき主を守る』というその誓いは清き豊穣の神の姿となっても変わることはない。
 仕える主であるレミリアを映す翠色の双眸には、決意と覚悟、そして何よりも純粋な強い忠誠の感情が込められていた。




     ――To be continued… 
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