ドリトル先生と日本の鉄道
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第五幕その九
「もてる人間ではないんだよ、運動神経ともてることはね」
「先生には縁がない」
「そうだっていうんだね」
「あくまで」
「そうだよ。だから最初からね」
本当に最初からです。
「思っているよ」
「やれやれだね」
「これじゃあ日笠さんも苦労するわ」
「今回は無事にだけれど」
「これからどうなるか」
甚だ不安な皆です、そんなお話をしてです。
皆でパエリア等を食べます、ここで先生は今度はこう言ったのでした。
「スペイン料理は魚介類が豊富でね」
「あっ、鰯もありますよ」
ここで鰯をオリーブオイルで焼いてスペイン風に味付けしたものも出したトミーでした、オリーブに胡椒の香りが素敵です。
「こちらも」
「あっ、いいね」
「こぢらも召し上がられますよね」
「是非ね」
「確かにスペイン料理は魚介類多いですね」
「スペインは海に囲まれているからね」
「半島ですからね」
リベリア半島、ここにある国だからです。
「魚介類をよく食べますね」
「イタリアやギリシアと同じくね」
「そうですよね」
「しかも南の方だからね」
欧州のです。
「だから海の幸が豊富なんだよね」
「イギリスも海に囲まれてますけれど」
トミーはお国のお話もしました。
「けれど」
「それでもだね」
「はい、海の幸は豊富ではないですね」
「あるにはあってもね」
「あまり食べることは」
「ないんだよね」
「鱈や鮭とか、あと牡蠣は食べますけれど」
それでもです。
「これといって」
「食べないね」
「何か調理が他の食材と同じで」
「他の国から誉められないんだよね」
「そうなんですよね」
トミーもそれはと言うのでした。
「ニシンのパイ、鰻のゼリーも」
「そうしたものはね」
「人気ないですね」
「実際食べてもね」
「スペイン料理の方が美味しくて」
それにというのでした。
「イタリア料理も」
「和食や中華料理でもね」
「イギリスよりずっと上ですから」
「残念なことだよ、しかしこの鰯も」
その鰯を早速食べて言う先生でした。
「美味しいよ」
「はい、本当に」
「素材もいいね」
「この素材は商店街で買ってきました」
「八条町のだね」
「あそこの魚屋さんで」
そうしてきたというのです。
「スーパーも考えましたけれど」
「今回はだね」
「商店街に行って」
そしてというのです。
「買ってきました」
「成程ね」
「それでスペイン料理にしました」
「ソーセージやお野菜もだね」
「商店街で買ってきました」
魚介類の他にお料理に使っているそうしたものもというのです。
「あちらで」
「商店街の食材もいいしね」
「八条町は駅前とビル街の近くにそれぞれありますが」
「今回はどっちに行ったのかな」
「ビル街の方です」
そちらの商店街にというのです。
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