レーヴァティン
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第七十一話 南の港町その十
「後で水もな」
「ああ、飲まないとな」
「酒飲んだ後もサウナに入る前後もな」
「脱水症状になるか」
「いや、もっと怖いのになるからな」
「脳梗塞か」
正の方からこの病気を出した。
「それか」
「ああ、酒飲んだり汗かいたらな」
「ちゃんと水分も摂らないとそれになるな」
「下手したら死ぬからな」
脳梗塞になればというのだ。
「だから気をつけないと駄目だしな」
「水もか」
「それわかってるよな、自分で病気出したし」
「ああ」
その通りだとだ、正もこう返した。
「俺もな」
「じゃあちゃんと飲めよ」
「わかってるさ、寝る前に少しでも飲んでな」
「朝起きたらな」
「サウナに入る前に飲んでな」
水、それをだ。
「入った後でもな」
「そこはちゃんとしろよ」
「わかってるさ」
「ならいいけれどな、実は俺の祖父ちゃんがな」
「脳梗塞か」
「それで一回倒れたんだよ」
身内にこうしたことがあったというのだ。
「それで言うんだよ」
「身内の人がなるとわかるよな」
「ああ、祖父ちゃん今は元気だけれどな」
「回復出来たんだな」
「ああ、けれどな」
「大変だったんだな」
「祖父ちゃん長い間入院してリハビリで苦労していたんだよ」
久志は記憶の中にその時のことを思い出しつつ正に話した。
「そうなるからな」
「ましてや脳梗塞になったら戦うとかな」
「絶対に無理だからな」
「それでだな」
「ああ、気をつけてくれよ」
普段からというのだ。
「本当に」
「そうするな」
「まあ脳梗塞も術で治せますが」
順一はこちらの世界のことも話した。
「しかし」
「それでもだよな」
「病気はどうした病気でも最初からならないに越したことはありません」
「そうなんだよな、やっぱり」
「はい、脳梗塞も然りです」
「こっちの世界じゃ術で治せてもな」
「やはり最初からです」
またこう言った順一だった。
「ならないこと」
「それが大事だよな」
「はい、ですから水分もです」
「普段から多めに摂ってな」
「特に飲んだ後やサウナに入る前後は」
こうした特に汗をかいたり身体に水分が失われている時はというのだ、酒に入っているアルコールには利尿作用がありその分水分を身体から出してしまうのだ。頭に水分がなくなり頭痛も起こるのでる。
「水分を摂るべきです」
「そうなんだよな」
「本当に脳梗塞になります」
「俺だってそうしてるしな」
「そういえば久志君は」
「ああ、普段からよく飲んでるよ」
実際にとだ、久志も答えた。
「水はな」
「そうですね」
「さもないとな」
それこそというのだ。
「冗談抜きに脳梗塞になるからな」
「はい、ただ久志さんは前から思っていましたが」
「病気怖がってるってか」
「そう見受けられますが」
「祖父ちゃんが脳梗塞になってな」
久志はまずはこの病気のことをまた話した。
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