転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2138話
クレイドルについてのトラブルで問題ない事を確認すると、俺はそのまま技術班のいる場所に向かう。
それは当然のように魔法区画にある魔法球の中だ。
基本的に、技術班の面々は魔法球の中に入り浸りっぱなしだしな。
時の指輪の受信機があるから問題ないものの、もしそれがなければ、今頃技術班の面々は間違いなくかなりの年齢を重ねていた筈だ。
……もっとも、年齢を重ねる事によって落ち着きを得たような者も……いや、いないか。
技術班の面々の性格を考えれば、それこそ老人になっても今のテンションのままって感じがする。
そんな風に考えながら魔法球の中を歩いていると、見覚えのある人物が姿を現した。
「アクセル、戻ってきてたのか」
「ああ。黒い三連星を連れて来たついでに、あの連中が乗っているS型を借りた。以前、技術班の方でFS型以外にも調べたいって話が出てただろ?」
俺に声を掛けてきたのは、マードック。
SEED世界からやってきただけに、特にUC世界のMSについて興味を持っていた男だ。
もっとも、MSという意味ではW世界の物もあるし……性能という意味では、W世界のMSの方がUC世界のMSよりも圧倒的に上なんだよな。
まぁ、UC世界のMSはまだ開発されたばかりなのに対し、W世界のMSは原初のMSたるトールギスが開発されたから10年以上経っているのだから、それも当然なのだろうが。
そういう意味では、何気にMSという存在について一番熟達しているのはW世界なんだろう。
まぁ、VFとかを開発したマクロス世界とかもあるが……VFはMSじゃないしな。
「おお、じゃあ、もしかしてS型を持って来てくれたのか!?」
「そうだ。しかも黒い三連星という異名持ちのエースパイロットが使っていた機体をな。しかも、武器もオリジナルの物があるぞ」
「それは願ってもねえな。きっと他の連中も喜ぶだろうぜ」
そう告げるマードックだったが、実際には本人もS型に強い興味を抱いているのは間違いない。
「とにかく、今は何人か暇をしてる奴がいる。今から機体の調査をしても構わないか?」
「そうしてくれると、こっちも助かる。ああ、言っておくけどこのS型は技術班……というか、シャドウミラーに譲渡されたものじゃない。一通り調べ終わったら、返す事になるからな」
「ぐっ……分かってるよ。けど、数日くらいは問題ないんだろ?」
この場合の数日というのは、あくまでも魔法球の外での時間だろう。
外の1時間がこの魔法球の中では48時間である事を考えると、外の数日というのは魔法球の中でならかなりの時間になる。
少なくても、S型を隅から隅まで調べる事が出来る程度の時間的な余裕はある筈だった。
「そうだな。数日くらいなら問題ないだろ。ただ、ガイア達から返して欲しいという要望があったら、出来るだけ早く返してやれよ」
「分かってらぁ」
そう言い、マードックは俺と共に少し離れた場所にある格納庫に向かう。
その途中で何人かの技術班の面々を拾いながら、格納庫に到着してみれば10人近い集団となってしまっていた。
「S型かぁ。情報によれば、FS型よりも高性能なんだろ?」
「そうらしい。けど、FS型もそうだったけど、機動性と運動性が上がればどうしても推進剤の消費が激しくなるんだよな。カスタム機ではあっても、S型は結局F型と基礎の部分は一緒だし。つまり、推進剤の搭載量もそこまで変わらないんだよ」
「そう考えると、テスラ・ドライブってやっぱり卑怯なくらい便利だよな。推進剤とか気にしなくてもいいし、使うのにエネルギーは使うけど、ブラックホールエンジンがあればその辺も気にならないし」
「うーん、推進剤か。そうなると……あ、ダラニが結構使えるんじゃないか? あれなら奪われてもシャドウミラーの技術は使ってないし、ルナ・ジオン軍にも……」
「推進剤は、いっそ使い捨てのタンクを使うとかどうだ? それで推進剤がなくなったらタンクを放棄するとか」
「あー、それはいいな。ならついでに使い捨てタンクにはミサイルポッド辺りも増設するとか。それならミサイルを撃った後でタンクを捨てる時に、一緒に捨てる事が出来るし」
「いや、けど推進剤だろ? もしミサイルに敵の攻撃が当たったら、色々と不味いんじゃないか?」
「それは……けど、それを言ったら、どこに武器を装備しても変わらないと思うけどな」
そんな風に言葉を交わしている技術班の面々だったが、このままだとずっと話が続いており、俺が止めても止めないだろうと判断して、口を開く。
「ほら、話すのはその辺にしておけ! そろそろ機体を出すぞ!」
そう言った瞬間、格納庫にいる技術班の面々の視線が一斉に俺に向けられる。
その視線に宿っているのは、好奇心。
知識欲とか、そういう風に言ってもいいかもしれない。
ともあれ、そんな視線を向けられながら、俺は格納庫の中に黒い三連星から預かってきたS型を、空間倉庫から取り出す。
『おお』
それを見たマードック含めた技術班の面々から、そんな声が漏れる。
……見た目的には、俺のFS型とそう大差ないように思えるんだがな。
技術班の面々にとっては、色々と細かいところが気になるらしい。
「では、アクセル代表。早速機体の方を調べさせて貰いますね」
技術班の1人が確認するように尋ねてくる言葉に、頷きを返す。
それを見て、技術班の面々は皆が揃ってS型についての調査を始めた。
量産型Wやメギロート、バッタといった無人機の類を使って調査を進めていくその様子を眺めていたが、一度調査が始まってしまえば、もう俺にやるべきことはない。
そうである以上、もうここに俺がいる必要はないだろうと、格納庫を出る。
一応技術班の面々がやりすぎないように見ておいた方がいいのかもしれないが……まぁ、多分大丈夫だろう。
いや、最終的に元に戻すのなら、問題はないのだろうが。
そして技術班にいる以上、分解したけど元に戻せませんでしたといったような事にはならない筈だ。
そう判断し、俺は格納庫を出る。
とはいえ、今の状況で俺がやるべき事は……いや、そうだな。ニーズヘッグの方がどうなったのか、ちょっと見てくるか。
取りあえず尻尾を認識しないといった件は、俺がコックピットに乗る事で解決したし、もう改修作業が終わっていても不思議ではない。
そんな風に判断し、ニーズヘッグ専用の格納庫に向かう。
本来ならそこまで行くのに幾つものプロテクト……指紋、網膜、声紋、パスワード入力等があるのだが、俺の為にT-LINKシステムをプロテクトにも組み込んでいるので、そっちを使えば他のプロテクトは素通り可能だ。
ちなみにこれは、念動力を持っている者なら誰でも自由に入れる……という訳ではなく、あくまでも登録されている俺の念動力をT-LINKシステムが感知して中に入れる事が可能となっている。
……影のゲートを始めとした転移魔法を使えばいいと思う者もいるかもしれないが、UC世界のように魔法の存在が全く知られていない世界ならともかく、ホワイトスターではその手の対策はしっかりとしている。
特にこの魔法球は、シャドウミラーの中でも最高機密に近い。
当然エヴァや凛を始めとして、魔法や魔術に詳しい者達がこぞってその手の転移魔法を封じている。
もっとも、その手の設備は色々と面倒な上に、その設備そのものが機密度も高い事もあって、ニーズヘッグ用の格納庫くらいにしか使われていないのだが。
ともあれ、プロテクトをどうにかして格納庫の中に入っていくと……
「へぇ」
真っ先に見えたニーズヘッグの姿に、俺は思わず感嘆の声を漏らす。
何故なら、分かってはいたがニーズヘッグには既に尻尾が付いていたからだ。
尻尾単体で見てもかなりの迫力があったが、こうして実際にニーズヘッグに尻尾がついている光景を見てみると……
「どう見てもラスボスだな」
機体の大きさこそ、全長15mとMSやPTとかに比べれば小型だったが、そこから感じられる圧倒的な迫力は、とてもではないが正義の味方が乗るような機体には思えない。
……いやまぁ、幾多もの世界を間接的に支配している、軍事国家の代表が乗っている機体と言われて、正義の味方のような機体が思い浮かぶといった事は、まずないだろうが。
また、魔力属性を得たというのも、こうして見て分かる強烈な迫力を持っている事に繋がっているのだろう。
「あら、アクセル。こっちに戻ってきてたの?」
ニーズヘッグに目を奪われていると、不意にそんな風に声を掛けられる。
声のした方に視線を向けると、そこにはレモンの姿。
「ああ。UC世界の黒い三連星をホワイトスターに連れて来たついでにな。S型を技術班の連中に引き渡してから、少し暇があったから見に来たんだが……」
「S型を持って来たの? 後で見に行かせ貰うわね」
「ああ、そうしてくれ。それで、ニーズヘッグの方はどんな様子なんだ? 見た感じでは、もうほぼ改修完了といったように見えるけど」
そんな俺の言葉に、レモンはニーズヘッグの方に視線を向け、口を開く。
「そうね。ハードウェア的な意味なら、尻尾をつけたし新型のT-LINKフレームに変えたし、装甲とかも見て分かる通り付けているから、完了したと言ってもいいわ。ただ、若干設定の方で手こずっているわ」
「……設定の部分で? また、珍しいな」
「尻尾の方がちょっとね。何しろ、色々な武器やシステムが複合されているパーツでしょ?」
「それは否定しない」
鞭のような物理的な一撃にヒートロッド、電撃に輻射波動。
更に尻尾の先端には念動フィールドによって刃……T-LINKブレードを作る事も可能で、更に先端の菱形の部分にはルリとラピスが開発したハッキングシステムのウルドの糸も内蔵されている。
普通に考えれば、明らかに詰め込みすぎなのだが……ニーズヘッグのバインダーのヒュドラしかり、俺が前に乗っていたグロウセイヴァーのクロノスしかり、レモン達技術班はこの手の複合兵装の開発を得意としている。
……SEED世界で俺が乗っていたブリッツのトリケロスも複合兵装ではあったが、あれはマリュー達が試行錯誤しながら開発した為か、色々と使いにくかった。
まぁ、ジンという手本があっても、初めてのMSであれだけの性能のMSを開発したのだから、マリュー達は十分以上に健闘したと言ってもいいのだろうが。
特にPS装甲はブラックホールエンジンと組み合わせれば、物理的な攻撃の殆どを防げるしな。シャドウミラーに来た事でT-LINKフレームになったりと進化もしてるし。
「複雑なシステムと、何よりどうせならアクセルが使う時に最大限に力を発揮して欲しいから、システムの調整も色々と手を抜けないのよ。それが時間の掛かってる理由。ちなみに、動かすだけなら普通に動かせるけど……乗ってみる?」
そう言われ、心が動かなかったかと言えば、嘘になる。
だが、ニーズヘッグが中途半端な状態で操縦するよりも、完璧な状態になってから乗ってみたいという思いもある。
結果として前者と後者では後者を選択する。
「いや、やっぱりレモンが最適な状態に仕上げてくれたのに乗るよ。ここで下手に俺が乗ってしまえば、調整不足な状態での機体制御に慣れてしまいかねないし」
「そう? まぁ、アクセルがそう言うのなら、私は別にそれでも構わないけど。じゃあ、私は機体の調整に戻るわね」
レモンはそのまま何やらコンピュータを弄っている技術班の下に向かう。
そんなレモンを見送り、俺は改めてニーズヘッグに視線を向ける。
やがて何となく触ってみたくなり、そのままニーズヘッグに近づき……何気なくだが、機体に触れる。
瞬間、ニーズヘッグが微かにだが動き……
「おわあああああああああっ!」
「え? ちょっ! いきなり何でだよ!?」
「データが吹っ飛んだ!」
格納庫のいたる場所から、そんな悲鳴が聞こえてくる。
……これって、もしかして俺のせいだったりしないよな?
いや、けど……と、そんな風に考えていると、コンピュータで何やら操作をしていたレモンが、笑みを……満面の笑みを浮かべて、こちらに近づいてくる。
だが、騙されてはいけない。これは嬉しくて笑みを浮かべているのではなく、寧ろ頭にきている事の証明でもあった。
「あー……その、なんだ。もしかして今のは俺のせいだったりするのか?」
「それ以外に考えられる?」
「ほら、技術班の面々が妙なトラップでも仕掛けていたとか」
自分で言っておいてなんだが、技術班の連中なら普通にそのくらいはやりそうな気がするんだよな。
しかし……そんな俺の言葉に、レモンは満面の笑みを浮かべたまま扉の方を指さし、出て行くように言うのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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