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レーヴァティン

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第六十一話 伊勢へと続く道その二

「これもな」
「癖の強い味っちゃ」
「そうやねん」
「犬肉は聞くっちゃが」
 猫の肉よりはとだ、愛実は自分が聞いた中から耕平に返した。
「それでもっちゃ」
「癖強くて常に食うかっていうとな」
「違うっちゃか」
「そうした肉やないわ」
「韓国辺りが有名っちゃね」
 犬の肉を食べる国はというのだ。
「最近はあっちでも殆ど食べないと聞いてるっちゃ」
「そうらしいな、あっちでも」
「あと昔は日本でも食べていたっちゃね」
「仁義なき戦いでもあったな」
 広島死闘篇の冒頭に出て来る場面だ、主人公の組の者達が主人公に肉を食べさせる為に用意したものだ。
「それでもな」
「やっぱりメジャーではないっちゃな」
「こっちの島では肉も食うけどな」
「牛肉や豚肉が多いっちゃ」
「そっちの方が美味いしな」
 食べてみて実際にとだ、耕平はこうも言った。
「鶏とかな」
「確かに。今食べている虎よりっちゃ」
「肉は牛とかの方が美味いやろ」
「そう思うっちゃ」
 実際に食べてみてとだ、愛実も答えた。
「虎よりも牛の方が美味しいっちゃ」
「そういうこっちゃ。美味しかったらな」
「もっと皆食べてるっちゃな」
「それで下手したら絶滅してたわ」
「美味しいとっちゃ」
「それわかるやろ」
「わかるっちゃ」
 愛実もこう返した。
「美味しい生きものはこれまでっちゃ」
「よおさん絶滅してきてるな」
「そうだっちゃ」
「例えばオーロックスやな」
 牛のはじまりとなった生きものだ、牛はこれを家畜化したものなのだ。
「あれもな」
「絶滅したっちゃな」
「美味しかったさかいな」
 欧州の森林地帯にいたがだ。
「そうなったしな」
「他にもいるっちゃな、そうした生きものは」
「オオウミガラスとかな」
 欧州の北の海にいた飛べない海で泳ぐ鳥だ、当初ペンギンというとこの鳥をさしていたのはもう知らない者も多い。
「あれもな」
「美味しいかったからっちゃ」
「乱獲されてな」
「絶滅したっちゃな」
「そうや」
「それで虎もっちゃ」
「美味しいとや」
 この要素があればというのだ。
「絶滅してたかもな」
「獰猛でもだっちゃな」
「実際狩られて数減ってるわ」
 虎もというのだ。
「中国とかでな」
「猛獣だから駆除されてっちゃな」
「あと毛皮も狙われてな」
 そうしてというのだ。
「そうなってたわ」
「そうだっちゃな」
「水滸伝でも退治してるわ」 
 豪傑の強さを物語る話としてその中にあるのだ、武松等腕っぷしの強い豪傑が虎を退治しているのだ。
「そういうことが多くてな」
「それでっちゃな」
「虎の数は減ってった」
「朝鮮半島ではもういないっちゃな」
「野生の種類はおらんわ」
 その虎はというのだ。 
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