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レーヴァティン

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第六十一話 伊勢へと続く道その三

「もうな」
「そうらしいっちゃな」
「こうした話は結構あってな」
 大型の肉食獣、人を襲う様な生物を駆除することはだ。
「肉食獣も絶滅してや」
「若しそこでお肉が美味しいとっちゃな」
「余計にや」
 獣害を理由として駆除される以外にというのだ。
「数減ってな」
「絶滅に近付いてたっちゃな」
「そうやったやろな」
「よくわかったっちゃ」
 虎のお世辞にも美味しいと言えない肉を食べつつだ、愛実は耕平に応えた。
「そのことも」
「そやろ、しかしほんまに虎の肉はな」
「美味しくないっちゃな」
「蛇の方が美味しいわ」
 こちらの方がというのだ。
「ほんまにな」
「蛇は鶏肉みたいな味だっちゃな」
「知ってるんか」
「起きてる時の世界で台湾に行ったことあるっちゃ」
「あの国でか」
「そうだっちゃ、食べたっちゃ」
 その蛇をというのだ。
「鶏みたいな味だったっちゃ、けれど」
「小骨が多いな」
「それが困ったっちゃ」
「細いし小骨はな」
「多いっちゃ」
 それでというのだ。
「それがどうにもっちゃ」
「そやな」
「困るっちゃが」
「蛇はそれなりの味やな」
「そう思うっちゃ。あと蝮酒も飲んだっちゃ」
「あの酒飲んだことあるんか」
「これは天王寺で飲んだっちゃよ」
 大阪のそこで、というのだ。
「動物園前に売ってるおじさんがいるっちゃ」
「そんなおっさんまだおるんか」
「うちが前行った時はいたっちゃ」
 蝮酒を売っている者がいたというのだ。
「動物園に行く途中の公園にいたっちゃ」
「あそこでかいな」
「そうだったっちゃ」70
「よおそんなん売ってるな、まだ」
「売ってるぜよ」
 当季が笑って首を傾げさせた耕平に言った。
「これがのう」
「そうなんか」
「そのおじさんわしも見たぜよ」
「天王寺でかいな」
「動物園に行く途中の公園でのう」
 まさにそこでというのだ。
「環状線の天王寺から降りてな」
「ああ、あの公園か」
「今現在もおるかどうかはわからんが」
 それでもというのだ。
「わしが前行った時はおったか」
「そうなんか」
「それで蝮酒を飲むとな」
「精がつくんやな」
「あれはまっことよか酒ぜよ」
 その蝮酒自体のことも話す当季だった。
「風邪なんか一発ぜよ」
「全快やな」
「そこまで凄いぜよ」
「風邪の時に飲んだんか」
「ああ、その時丁度のう」
「風邪ひいてたんか」
「それでもデートやから気合入れて行ってじゃ」
 そしてというのだ。 
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