| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

孔雀王D×D

作者:焼肉定食
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

13 ライザー、再び

  一誠達が、部室に入ってくると、リアスと朱乃が、待機していた。
「あ、あれ?部長と朱乃さん、今日は、どうしたんですか?何かありました?」
 一誠とアーシアは、久々に部室に顔を出していた二人の顔を交互に見ていった。
「もうすぐ、ここにライザーが来るわ」
 リアスは、一誠とアーシアを見つめていった。
「え?アニキが?」
 一誠とライザーには、いろいろと因縁があった。
 元はリアスの婚約者だったライザーは、一誠との戦いに敗北し、リアスを奪われ、自信喪失になった挙句、引きこもりとなった。が、自信を蘇らせるために一誠とともにいやいやだったが、修業の果てに自信を回復することができた。
 それ以降、ライザーは、一誠を弟のように可愛がり、一誠もまたライザーを兄のように慕っていた。
「もしかして、凰蝶ちゃんのことですか、リアスお姉さま?」
 アーシアの大きな目が、リアスに注いだ。いつもは、おどおどした感じな彼女だが、部長に命名してからは、しっかりしだした事にリアスは、喜びを感じていた。
「ええ、そうよ、アーシア」
 リアスは、にっこり微笑んで答えた。
「じゃあ、なにかわかったってことなんですかね?」
 一誠は、アーシアより一歩前に出て、リアスに問いかけた。
「そこからは、俺が説明しよう」
 どこからともなく声がしたかと思うと、フェニックス家の紋章を象った魔方陣が現れた。と同時に、一人の男と少女が、炎の中から現れた。
「アニキ!!」
「 レイヴェルちゃん!!」
 一誠とアーシアが、同時に声を上げた。
「よぉ、一誠。久しぶりだな」
 相変わらず赤いスーツを着て気障ないでたちでライザー・フェニックスが、現れた。そして、その横に レイヴェルが鹽らしく立っていた。
「早速だけど、ライザー、説明してちょうだい」
 リアスが立ち上がり、ライザーを見つめた。
「おいおい、リアス、君とも久しぶりなんだぜ。積もる話もあるし、お茶ぐらい出してくれないか」
 手を大きく広げ、やれやれと言った感じでライザーは、リアスに向かって言った。
 リアスは、ため息を一つついて、指をパチリと鳴らすとライザーと レイヴェルのテーブルの前に紅茶が2つ現れた。
「リアス様、皆様はまだ揃っていませんね」
  レイヴェルは、周りを見渡した。
「ああ、ロスヴァイセは教育会議、ゼノヴィアは生徒会の会議、ギャスパと小猫には、凰蝶を見張るように言ってあるわ。アザゼルは・・・・・。
 何をやっているのかわからないわね」
 リアスは、アザゼルの自由気ままな行動にため息をついた。
「あの方もいろいろ忙しいのでしょう。父、、、。
 あっ、いや、ヴァルキエル殿に聞いていますから」
 朱乃は、ヴァルキエルを父と呼びそうになり、顔を赤らめた。
 アザゼルは、駒王学園の化学担当の教師であり、オカルト研究部の顧問であるが、その実は、堕天使であり、グリゴリと呼ばれる組織の総督である。そして、ヴァルキエルも堕天使の幹部である。
 ヴァルキエルは、朱乃の実の父では、あるのだが、朱乃は、もうしばらく父と呼ぶことを控えていた。
「ほう、堕天使の総督殿も動きだしているわけか」
 ライザーは足を組み、腕を前に組んで頷いた。
「で、ライザー。何かわかったことがあるの?」
 リアスは、しびれを切らし、ライザーに詰め寄った。
「まぁまぁ、落ち着けよ、リアス。これから説明するよ」
 ライザーは、組んでいた腕でリアスの接近を抑えるように手を前にしてぶらぶらと左右に振った。
 リアスは、その様子をみて、再び座っていた椅子に戻って座り、腕を組んだ。
「さて、その凰蝶という娘の力の説明の前に、今いる我々の世界の歴史を説明しなければならない」
 ライザーは、身を乗り出し、リアス、朱乃、そして、一誠、アーシアを見つめた。
「私達の歴史を?」
 リアスは、ライザーをあきれたように見つめた。
「そうですわ、リアス様。私たちは、凰蝶を知るには、私たち、天使、堕天使、悪魔の歴史を知らなくては、ならないのです」
 ライザーの言うことは、何故か信じられないと思うが、 レイヴェルが言うのなら信じられると思った。
 何故なら、ライザーは、いつも表現が軽いのだ。その反面、 レイヴェルは、学力もさることながら一誠のサポート能力も高く、信頼がおける存在だ。
「わかったわ、ライザー、 レイヴェル。あなた方の報告を聞きましょう」
 リアスは、一つため息をついて言った。
「そういえば、一誠様もアーシア先輩も改めて、私たちの世界の歴史を知るのは初めてでしたわね」
  レイヴェルは、一誠とアーシアに微笑んだ。
「確かに、そうだなぁ」
「えぇ、そうですね。私は、教会で聞いたことはありましたが、教会主体の歴史しかしらないです」
 一誠とアーシアは見つめあいながら言った。
「いい機会だ、二人とも。これから悪魔界を担う二人には、じっくり聞いておいてほしい」
 ライザーの言葉に、二人は頷いた。
「我々、天使、堕天使、悪魔。そして、人間とこの世界を大別すると、4種類に分けられる。
 確かに姿、形はあるだろうが、大体はこれに当てはまると言っていい」
 ライザーは、静かに語り始めた。
「では、我々はどこから生まれ、どこから来たと思う?」
 ライザーは、周りを見渡した。ライザーの演説めいた話し方に、いつものライザーではない一面を見て、一誠は吹き出しそうになった。
「こら、一誠。真面目に聞け」
 ライザーはそんな一誠を叱咤した。
「そうよ、一誠」
「そうですわ、一誠君」
 ライザーに続き、リアスと朱乃にも注意を受け、一誠は、申し訳なさそうに頭を掻いた。
「一誠。ライザーが語ることは、これから貴方がもっともためになる話よ。こころして聞きなさい」
 リアスは、優しく、そして、厳しく言った。
「はい、部長。わかりました」
 一誠は、その言葉に答えるように気を引き締めた。
「いや、リアス。これから話すことは君も知らない話だ」
 ライザーの言葉といつにない真剣な表情にリアスは、息をのんだ。
「お兄様、無駄口はその辺になさって、本題に」
  レイヴェルもまた、いつになく真剣そのものだった。
「では、まず、始めにこの世界のことを話そう。これは、今まであった事件に関することで、おさらいみたいなものになるが」
 ライザーは、一つ咳をして、話し始めた。

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧