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リング

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197部分:ラグナロクの光輝その五十一


ラグナロクの光輝その五十一

 程無くして九人のワルキューレ達がグラールに案内された。その会議室においてまた七人の戦士達と会うのであった。
「暫く振りです、フロイライン達」
 パルジファルは七人を代表して乙女達に述べた。
「約束通り来て頂けましたね」
「はい」
 ブリュンヒルテがそれに応えた。
「こちらも貴方達が来て頂き感謝しております」
「私達が」
「そうです。最後の戦いに来られたことを心より感謝します」
「それはまた」
「七人の戦士達よ」
 九人の乙女達は七人の戦士達を見据えて言った。高く硬質だが透き通る様な声であった。
「遂に最後の時が来ました」
「ラグナロクが」
「そうですね、遂に」
 パルジファルも六人の戦士達もそれに頷いた。
「これから私達はヴァルハラに向かいます」
「道案内は我々が行います。そして」
「ビブロストだな」
 六人の戦士達はここでワルキューレ達に対して言った。
「はい、それを使って」
「別働隊をヴァルハラに送り込みます」
「それ自体はいい」
 ヴァルターがまず言った。
「だが問題は」
「誰を行かせるか、だな」
 次にタンホイザーが述べた。
「これが一番重要だ」
「誰がその別働隊を率いるのか」
 ローエングリンも続いた。
「それにより勝敗が大きく変わる」
「俺が行こうか?」
 ジークムントが名乗り出てきた。
「思う存分暴れてやるぜ」
「いや、卿は空母を使った艦載機による戦術を得意としている」
 だがそれにトリスタンが一言述べた。
「今回は機動力と隠密性を考慮したものにした方がいい。卿は主力に参加すべきだ」
「では誰が行くかだ」
 ジークフリートが最後に述べた。
「我々七人のうち一人が絶対に行かなければならないが」
「それはもう決まっています」
 だが最後ではなかった。パルジファルがそこにいた。
「それは一体」
「誰なのだ?」
 六人はパルジファルに顔を向ける。そのうえで問うてきたのであった。
「私です」
「卿がか」
「はい。私が行かせてもらいます」
「ではムスッペルスヘイムから入る主力は」
「お任せします」
「我等六人がか」
 六人はワルキューレ達に問うた。
「そうです。貴方達ならお任せ出来ます」
「気持ちは有り難いのだが」
 ジークフリートがパルジファルに対して言った。
「卿自ら行くのは。どうなのだ」
「卿は我等の総帥だ。何かあれば」
 タンホイザーが述べる。
「それで指揮系統は終わる」
「それはすぐに敗北に直結することになる」
 トリスタンはそれを最も危惧していた。
「全ては終わることになる」
「ラグナロクは俺達の負けになっちまう」
 ジークムントも何時になく慎重な言葉であった。
「かなり危険な賭けだぜ」
「それでも卿は行くというのか」
 ヴァルターが問う。
「死を覚悟して」
「我等のうち一人が行けばいい」
 ローエングリンも忠告した。
「卿が行くのはあまりにも危険だ」
「いえ、私が行くのが最もいいのです」
 しかしパルジファルは六人の同志達に対してこう述べたのであった。
 
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