イナズマイレブン~クロスライジング~
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帝国の仲間
前書き
愛媛へと向かった雷門⋯。
京都を出て、どのくらい経っただろうか。
私たちは愛媛のコンビニに寄っていた。
「やった!本場の蜜柑ッス〜!」
「ホント凄い美味しそうだよね…!」
私と壁山くんがそんな他愛のない話をしながらコンビニを出て来ると、近くで電話をしている円堂くんを見つけた。
電話の内容からするに両親への電話だろう。
すると電話を終えた円堂くんが立ち上がると、近くでポンポンとボールを蹴る音が聞こえてきた。
そこにはモヒカンヘアの少年の姿があった。
円堂くんはサッカーボールを蹴る少年を見て、笑顔で話しかける。
「君もサッカー…」
円堂くんがそう話しかけた瞬間だった。少年は円堂くんの方に振り返り、円堂くんにシュートを放ったのだ。
「ぐっ…!」
円堂くんの反射神経が良かったこともあり、何とかキャッチしたが強力なシュートだった。
「円堂くん…!」
私と黒薔薇くんは円堂くんのもとに駆け寄る。
「何するんだよいきなり…!」
「おっせぇ…」
円堂くんにそう向かい話すと、さらに話す。
「愛媛に来るまでに時間掛かり過ぎじゃね?ってこと」
雷門中のメンバーも全員その場に集まる。
「誰だこいつ…」
染岡くんがそう呟くと、後ろから瞳子監督が現れ話す。
「キミ…。真・帝国学園の生徒ね」
瞳子監督の言葉にみんなが驚く。
「そっちこそ遅いんじゃない?あんなDVDで呼び出しておいて」
少年はその言葉に笑うと話す。
「俺、不動明王ってんだけどさ、俺の名前でDVDを送ったらここまで来てたのかよ。あの人の名前でDVDを送ったから愛媛まで来ることになったんだろ?違うか?」
瞳子監督もその言葉を聞くと少し笑いながら話す。
「ええ、そうね。で、あなたの狙いは何?」
不動くんは瞳子監督の言葉に、やっとかという表情を見せると話し始める。
「なぁに、あんたらを真・帝国学園にご招待してやろうと思ってな」
不動くんは辺りを見渡し、そのあと鬼道くんに視線を向け話しかける。
「⋯あんた、鬼道有人だろ?⋯うちにはさ、あんたにとってのスペシャルゲストがいるぜ⋯」
「スペシャルゲストだと⋯?」
鬼道くんが不動くんが話した言葉に反応すると、不動くんはもう一度話始める。
「ああ。かつての帝国のお仲間だよ」
「何っ!?」
私たちも勿論驚いたが、鬼道君は声をあげて驚く。
「⋯ふっ」
鬼道君は不動くんの言葉に、拳を震わせながら話す。
「⋯ありえない。影山の汚さは身をもって知ってる帝国学園イレブンが、あいつに従う筈がない!」
私も鮮明に覚えている。雷門中対帝国学園戦の時、鉄骨がグラウンドに降ってきた事件。
全ては影山が企んだ罠。
あの時は、鬼道くんが罠を見破っていてくれていたお陰でお兄ちゃん達は助かったんだ。
「そうだ!絶対ありえない!」
円堂くんがそう不動くんに叫ぶ。
「下手な嘘をつくんじゃねえ!」
染岡くんの言葉に、不動くんはまたしても不敵な笑みを浮かべ話す。
「だったら、俺の目が可笑しいのかな」
「貴様!一体誰が居るってんだ!」
不動くんの言葉に耐えかねた鬼道くんは、そう不動くんに叫ぶ。
「おいおい、教えちまったら面白くないだろう。着いてからのお楽しみさ。くくっ⋯」
結局、私たちは不動くんの言うことを聞き、不動くんが言う場所へと向かった。
「何処にあるの?真・帝国学園は?」
瞳子監督が不動くんに問う。
「俺の言う通り走ってりゃ着くよ⋯」
しばらく道なりに走っていくと、不動くんが話した。
「そこの門から入ってくれよ」
俗に言う埠頭にキャラバンは到着し、海沿いにキャラバンは停まった。
「何処にも学校なんてないじゃないか⋯」
円堂くんが呟く。
「てめぇ!やっぱり俺たちを騙してたのか!」
染岡くんが叫ぶと、不動くんが話し始めた。
「短気なやつだなぁ。真・帝国学園だったら⋯ほら」
と、不動くんは海の方に指を差す。
ズドーン!!!
「えっ⋯!?」
「あ、あれは⋯!?」
私たちの目の前に現れたのは、途轍もなく大きい潜水艦だった。
すると、潜水艦が開き始め、中に設備されていたのであろう、フィールドが顔を出す。
さらに潜水艦から、階段が目の前まで伸びてきた。
そしてその階段の頂点には、あの男。影山の姿があった。
「か、影山⋯」
私の口からもついついそう言葉が出る。
「久しぶりだな円堂。⋯それに鬼道」
「影山ぁぁぁっ!!!」
影山の言葉に鬼道くんの怒号が響き渡る。
「もう総帥とは呼んでくれんのか」
「今度は何を企んでるんだ!」
鬼道くんが影山に叫ぶ。
「私の計画はお前たちには理解できん。この真・帝国学園の意味さえもな!⋯私から逃げ出していなければお前にはわかった筈だ」
「俺は逃げたんじゃない!あんたと決別したんだ!!」
影山の言葉に鬼道くんは影山に指を差しながら叫ぶ。
「影山零治!あなたはエイリア学園と何か関係あるの!?」
瞳子監督が影山にそう話す。
影山は瞳子監督を見ると話す。
「吉良瞳子監督だね?さて、どうかな。ただエイリア皇帝陛下のお力を借りてるのは事実だ」
「エイリア皇帝陛下⋯?」
影山の言葉に円堂くんがそう呟く。
「誰なんだ。そいつ」
「宇宙人の親玉ッスかね⋯」
黒薔薇くん、壁山くんもそう呟く。
「さあ、鬼道。昔の仲間に会わせてあげよう」
そう言い残し影山は潜水艦の中に姿を隠した。
「待て影山ぁぁっ!くっ⋯!」
「鬼道!!」
円堂くんの呼びかけにも反応せず、鬼道くんは階段を駆け上がっていく。
「俺も行く!」
「俺もついていくぜ円堂」
そう円堂くんに話しかけたのは黒薔薇くんだった。
「黒薔薇⋯!?」
「俺も嫌な予感がするんだ」
私も少しでもエイリアの謎に近づきたい。
「私も付いていくよ黒薔薇くん!」
「天空橋⋯。ああ、ついてこい!行くぞ」
私たちも鬼道くんの後を追いかけ階段を駆け上がっていく。
「お、おい円堂!」
「円堂が行くならあたしも!」
不動くんは他の人たちを止め話す。
「お前野暮だなぁ。感動の再開にぞろぞろ付いて行ってどうするんだよ。デリカシーがあるならここで待ってな。ふっ⋯」
私たちは真・帝国学園のグラウンドの真ん中にまで到着した。
ここまで案内したのは他でもない影山だ。
「鬼道。自分の愚かさを悔い、再び私の足元に跪いた仲間を紹介しよう!」
私たちの視界に入った選手は二人。
その二人は私もよく知っている。
「⋯!源田に佐久間⋯」
円堂くんがそう呟く。
「久し振りだな鬼道」
佐久間くんがそう鬼道くんに話しかける。
「はっ⋯。感動の再開ってやつだねぇ」
「では、もとチームメイト同士仲良く話したまえ」
とある場所。雷門と真・帝国学園が出会う前日。
「エクレール!真・帝国学園の情報手に入ったよ!」
「ナイスだシアリア。真・帝国学園に居る帝国学園の選手を教えてくれ」
「うん。真・帝国学園に居る帝国学園の選手は源田と佐久間⋯って二人みたい」
「源田と佐久間だって?」
俺が少し驚いたことに意外だったのか、こちらを見ている。
「源田と佐久間とは少し面識があってな」
俺はそう言うと立ち上がりジャンバーを羽織る。
「エクレール何処か行くの?」
「ああ。愛媛まで行ってくる」
俺は一言言い残して、愛媛へと向かったのだった。
後書き
エクレール「真紅の心を救ったお前らが何故⋯。」
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