イナズマイレブン~クロスライジング~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
禁断の技
前書き
遂に激突!
私はただひたすら立ち尽くすしかなかった。
「鬼道ッッ!!」
「ぐぅぅぅぅ!!」
鬼道くんはひたすら佐久間くんと源田くんが放つシュート受け続けている。
「鬼道くんッッ!」
「俺は大丈夫だ天空橋…」
佐久間くんは跳ね返ってきたボールを踏みつけ、鬼道くんに言い放つ。
「お前は俺たちを裏切ったんだぁ!!」
「違う!俺は裏切ったんじゃない!!」
佐久間くんは鬼道くんのその言葉を受け入れず、シュートの構えを取る。
「黙れぇぇぇぇっ!!」
佐久間くんが放ったシュートは鬼道くんの顔に向かいかなりのスピードで襲いかかる。
「くっ…!」
鬼道くんが顔を抑え、ボールが当たるかと思われたその時。
バシュ…!
「駄目だよ佐久間さん。この人は僕の憧れ…試合前に壊さないでください」
佐久間くんが放ったシュートを横から止めに入ったのは白髪のロングヘアの人だった。
「何故止めた倉崎!!」
「鬼道さんは僕が尊敬している人なんです、この人とはサッカーの試合で戦いたいんです」
倉崎という少年は不動くんを見て話す。
「いいですよね不動さん?」
「チッ…勝手にしやがれ…!」
円堂くんは倉崎くんを見ると話しかけた。
「お前も真・帝国学園の生徒なのか?」
「形としてはですね。僕はあの鬼道さんと戦えると聞いて不動さんの話に乗りました」
倉崎くんからは、全く敵意を感じないというかただ純粋に鬼道くんと勝負したいんだろうなという気持ちを感じることができる。
「だから僕たちと戦ってください、雷門中のみなさん」
【真・帝国学園スタジアム】
雷門中
FW 染岡 アツヤ 黒薔薇
MF 風丸 鬼道 天空橋 塔子
DF 木暮 壁山 吹雪
GK 円堂
真・帝国学園
FW 比得 佐久間 相馬
MF 不動 倉崎 目座 小鳥遊
DF 竺和 郷院 帯屋
GK 源田
両選手がポジションにつく。
不動くん、倉崎くんはMFか…。
後ろから円堂くんの声が響く。
「絶対勝つぞー!!」
円堂くんの言葉に私たちは頷き、ホイッスルを待つ。
ピーーーーーー!!
「行くぞ…!」
黒薔薇くんがアツヤくんにボールを渡し前に攻める。
「こんな奴ら俺の相手じゃねぇ!!」
アツヤくんは簡単にFWを抜き去る。
そこに倉崎くんが立ち塞がった。
「どけ!!」
倉崎くんは身をかがめると技を放つ。
「クイックドロウ!!」
バシュ!
「あ、あれは松野の技…!」
鬼道くんが呟く。
「行かせるか…!」
風丸くんが倉崎くんのスライディングをしに行く。
倉崎くんは足でボールを挟むと、飛び上がり技を放つ。
「竜巻旋風!!」
「ぐあっ…!」
今度は少林寺くんの技で倉崎くんは風丸くんを突破して行く。
「あいつまさか雷門の技を…!」
円堂くんがそう話すと倉崎くんが答える。
「僕は鬼道さんのファンですが、雷門中のファンなんです。皆さんの技は何回も何十回も見ました…、だから僕は雷門を超えるっ!」
倉崎くんは鬼道くんに向かい技を放つ。
「イリュージョンボール!」
無数に分裂したボールが鬼道くんを惑わし鬼道くんすら突破して行く。
「ま、まさか俺の技まで使うなんて…!」
そのまま倉崎くんは壁山くん、木暮を抜き去りついに円堂くんと対峙する。
「伝説のキャプテンの力、見せてもらいますよ…!!」
倉崎くんは黒い炎を纏い、回転し浮上する。
「ダークトルネードッッ!!」
黒い炎が円堂くんを襲う。
「おおっ!ゴッドハンド改ィィッ!!」
円堂くんはゴッドハンドを発動し倉崎くんのシュートに対抗する。
ギュルルルと音を立てて徐々に円堂くんを押し込んで行く、そして…。
「ぐああああっ!!」
ピーーーーーー!
ゴールネットに収まったボールを見て倉崎くんは言う。
「そして今、僕は雷門を超えた!!」
ピーーーーーー!
またしてもボールはこちらからだ。
攻め込んで行く黒薔薇くんにまたしても倉崎くんが立ち塞がる。
「行かせない!クイックドロウ!!」
バシュ…!
黒薔薇くんもボールを取られ、攻め込まれると一歩足を下げた時だった。
「さっき雷門を超えたと言ったな?雷門は超えてもさらにそれすら超えてくるぞ。お前の想像の遥か上をな!!」
黒薔薇くんは低姿勢のまま左足を軸に回転を放つ。
「ムーンドロップ!!」
「くっ…!」
黒薔薇くんの新技、ディフェンス技が倉崎くんに炸裂しボールを奪い返した。
「凄い黒薔薇くん!」
私も黒薔薇くんと共に上がり、前線を駆け抜ける。
ディフェンスが3人迫ってくる。
私たちの前にはアツヤくんがいる。黒薔薇くんと私はお互いに頷き技を放つ。
「「ツインドライヴッッ!!」」
イナズマ一号のパス技の改良版で、実践で使うのは初めての技。
何故今まで使わなかったのか、それは…。
「アツヤ止めろぉぉぉ!!」
「ぐおおおおおおっ!!」
技の威力もイナズマ一号に匹敵する程のパワーだからだ。
それを受け止められるような人は今まで居なかった、だけど今はいる…。
「…誰に止めろだって?俺に不可能はねぇ!!」
アツヤくんは強力なパスを見事に止めると、シュートの構えを取る。
「大人げないが、行くぜ…エターナルブリザードォォ!!」
源田くんは前に両手を構え、技の構えを取る。
しかしその時、鬼道くんが叫んだ。
「それはやめろ源田ぁぁぁぁっ!!」
しかし源田くんはその鬼道くんの言葉を聞かずに技を放った。
「ビーストファングッッ!!」
バシュゥゥゥ…
完全にシュートは止められ、ボールは源田くんの手に収まった。
「な、なにっ!?」
「そんな!?アツヤのエターナルブリザードが止められるなんて…!」
源田くんはアツヤくんを見てニヤっとするも、すぐにその顔は苦痛の顔へと変わった。
「ぐああああああああっっ!!ぐぅ…あっ…あああっ!!」
ピーーーーーー!!
前半終了。
鬼道くんは源田くんに駆け寄る。
「源田何故その技を使ったぁ!!その技は禁断の技だぞ!!」
鬼道くんの言葉を聞くも無言で源田くんは立ち上がり、ベンチへと下がって行く。
「もう二度と使うんじゃない!多用するとサッカーができなくなってしまうぞ!!」
源田くんは立ち止まり、鬼道くんに向かい話す。
「俺に超えられるのが怖いか。俺はお前を越えるためだったら何度でも使う。例えこの身体が壊れようと…!」
そう言い残し源田くんはベンチに消えた。
「あれが本当にあの源田なのか。佐久間まで…まるで別人じゃないか」
「エクレール、あの技って…」
シアリアの問いかけに応える。
「ああ。威力は途轍もないが…あれではあいつらが壊れる」
「壊れるって…、サッカーが出来なくなるってこと!?」
「ああ…。だがそんなことにはさせない。最悪の場合は俺が出る」
俺はそうシアリアに言い、グラウンドを見つめたのだった。
後書き
鬼道「……。」
天空橋「鬼道くん…。」
ページ上へ戻る