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魔法少女リリカルなのはStrikerS~赤き弓兵と青の槍兵

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本編
  十三話~ナンバーズ

side ティアナ



ランスさんの作戦通り、エリオ、スバル、ギンガさんの三人が打って出る。



「………邪魔」



魔力弾を飛ばしてくるが、それは私がすべて撃ち落とす。
前方からから迫る三人から逃げるために逃げるのは……上か後ろ。
上は私を警戒してるだろうから確率的には低い。
だから………


「アルケミックチェーン!!」
「………!?」


あらかじめ張っておいた罠のところに勝手に入ってくる、というわけだ。



「よっし!」
「レリックは無事確保。さあ、観念しなさい!」
「…………」


何を聞いても女の子はだんまりだ。丁度そこに先ほどの二人をとらえたランスさんが。


「レリックは?」
「無事に確保しました」
「で?このお嬢ちゃんはだんまりか」
「はい。さっきから何を聞いても……」


その時だった。


「私を捕まえるのはいいけど」


女の子が急に話し出した。



「大事なヘリは、放っておいてもいいの?」
「「「「「なっ!!」」」」」


まさか、本命はヘリの方!?



side クアットロ



「クアットロ。お嬢様たちが捕まった。救出してあげて」
「はぁ~い。わかりましたぁ」


通信を切る。


「お嬢様たちが捕まっちゃったみたい。私とセインちゃんで救出するから、ディエチちゃんはヘリを撃ち落としちゃってね~」
「いいの?レリックは無事だろうけど、マテリアルの方はどうなるかわからないよ?」
「あのマテリアルが当たりなら、本当に聖王の器なら砲撃程度では死なないそうよ」
「そっか。わかった」


こちらはこちらでやらなければならないことがある。セインちゃんに動いてもらわないとね。


(はぁ~い。聞こえる?セインちゃん)
(オッケー、聞こえてるよクア姉。どうする?例の青いのがいるみたいなんだけどさ)
(心配ないわ。私に考えがあるから。セインちゃんは隙を見てお嬢様たちを救出してあげて)
(了解。それじゃまたあとでね、クア姉)


さてと。それじゃあ、



(はぁ~い。お嬢様。クアットロで~す)
(クアットロ………)
(お困りのようですねぇ~。手助けが必要ですか?)
(……うん。お願い)
(それじゃ、今から言う言葉をそこにいる奴らに言ってくださいな)


こっちはOKね。



「IS、へヴィバレル発射まで10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、発射!」


ヘリの方もこれで落ちたわね。




side 士郎


三人にガジェットを任せ、市街地に戻ってくる。


「ヘリは無事のようだな」


距離はかなりあるが、無事は確認した。
と、視界に妙なものが。



「アレは………!」



ボディスーツのようなものを着た二人組。その一人が取り出したものを見て、それから起こるであろうことを察した私はすぐさま通信をつなげた。



side はやて



「はぁ、はぁ……」
「大分、片付いたね………」
「あと何体や?」
「あと六編隊、だね」
「幻影の解析パターン、判明しました!!」


幻影対策も出来、これで一安心。
そんなことを思った時やった。


「通信……士郎から?」


なんやろうか。


「マスター!今すぐ私を令呪でヘリのもとまで飛ばしてくれ!!」
「え?」


いきなりすごい剣幕で話す士郎に呆気にとられてしまう。


「早く!ヘリが落とされる!!」
「「「!!!!!」」」


その言葉に現実に引き戻される。



「でも、なんで令呪が………?」
「距離が遠すぎる。このままでは間に合わんのだ」
「でも、陸に怪しまれるんじゃない?」
「たしかにそうや。でも………そんなことで助けられるものを助けないことはできんよ」
「マスター……。こちらの準備はできている。いつでも行けるぞ!」
「いくよ!我が騎士、衛宮士郎に令呪を持って命じる!今すぐにヘリのもとへ行き、攻撃からヘリを守れ!!」



その瞬間、爆発的な魔力の奔流が私の右手から流れた。



side シャーリー



「そんな………」
「Sクラスの砲撃が、直撃………」


突如街中に現れたエネルギー反応。それは砲撃のチャージのもので、推定Sクラスの砲撃がヘリに直撃した。


「まだわからないわ!通信は?」
「ジャミングがひどくて繋がらない!」
「復旧急いで!」


私たちがもう少し早く気付ければ……!



side ティアナ


「あなた、仲間がいるのね!どこにいるの?答えなさい!」
「ヘリは…………落ちちゃったんでしょうか……」
「いや、落ちちゃいねえよ」
「ヘリは無事です!」


声のした方に振り向くとヴィータ副隊長が。


「ヴィータ副隊長!どうしてですか!?」



そんなときだった。


「スターズ5より全体通信。ヘリは死守した。これより犯人を抑える!空戦可能メンバーは手伝ってくれ!」
「スターズ2、了解!そっちに向かうぜ!」
「ライトニング5、俺も行くぜ、少し待ってろ」



通信が切れた後、ヴィータ副隊長とランスさんが私の元へ。



「ティアナ、これをお前に預ける。こいつでみんなを守ってやれ」
「なんですか?これ………盾?」
「ほう、あいつのものか」
「ああ。何でも魔法に対しては無敵だそうだ」
「………わかりました。ランスさんはなんですか?」
「……嫌な予感がする。警戒は怠るなよ」
「……わかりました」


さてと、それじゃあ、


「スバル、エリオ。ギンガさんと一緒にそこの三人を地上へ運んで。私とキャロは後から行くから」
「「了解!」」
「ギンガさんもいいですか?」
「ええ。構わないわよ」


キャロと二人で地上へ戻る三人を見送る。



「あの……ティアさん?私たちだけ残ったのには何か……?」
「そう、レリックを安全確実に保護する方法があるから、その準備!」



side クアットロ


作戦通り、とはいかないものの、ヘリは落とした。


「ディエチちゃ~ん。さっさと帰りましょう?」
「静かにして。ちゃんと落ちたの確認してから…………」


いきなり言葉に詰まるディエチちゃん。だが、それは私も同じだった。なぜなら…………




手から大きな花のようなものを出した男がヘリの前に浮いていたからだ。それだけでなく、ヘリも、男も無傷だったのだ。



「こっちも本気じゃないとは言っても………」
「あの男、何者なの?」



ドクターは研究したい、とか言ってたけど………
と、男がこちらに声をかけてきた。


「街中での危険魔法使用、並びに殺人未遂で拘束させてもらう」


あ~ら、まずいわね。ここは………


「ディエチちゃん、逃げましょう!」
「うん。あいつはまずい気がする」






side 士郎




令呪のおかげで何とか落とされる前にヘリのところへ来ることが出来た。そして、私がヘリを守るために展開したのは



熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)


私自身が最も得意とする防御武装。投擲武器に対しては無敵、という概念を持つ盾であり、展開すると七つの花弁のようなものが展開され、その一枚一枚が城壁に匹敵する防御力を誇る。



本来、魔法攻撃を防ぐにはヴィータに渡したイージスの方が適しているのだが、アレは範囲が狭いうえに魔力消費が膨大なため、今回はアイアスを投影した。
しかし、対象はそれを見てすぐに逃走を図った。


(ヴィータ、ランサー。対象は逃走を図った。こちらで動きを止める。確保は任せたぞ)
(おう!)
(はいよ)


動きを止める、という事ならば適しているのはこれだな。



「カートリッジロード」
[load cartridge.]


今回は3発ロードする。


「よし。投影、開始(トレース・オン)


投影したのはいつもの弓に、赤き猟犬。


魔力を込める。5秒、10秒込めたところで、放つ。


「赤原を往け、緋の猟犬!」



直線起動で放たれた猟犬をよける二人組。だが、



「うそ!?戻ってきた!?………IS発動、シルバーカーテン!」


途端に二人の姿が消えた。しかし、


「その程度で逃げられるとでも?」



フルンディングはその特性上、射手が健在ならば対象に当たるまでずっと追い続ける。


それゆえ、


「「うわっ!?」」



どこに逃げようが、姿が消えようが問題はないのだ。
足を狙ったため、完全に動きが止まった。


「よう、待たせたな」
「お前ら、逮捕するぜ」
「さあ、観念しろ」


丁度二人も追いついた。ようやくひと段落、といったところか。




side トーレ



「馬鹿どもが………!」


見に来ていて正解だった。
衛宮士郎。ドクターが面白い男、と言っていたが、実際見てみれば厄介なことこの上ない男だった。
クアットロとディエチをとらえた矢。空中で360°反転する矢など聞いたことすらない。だが、


(クアットロ、ディエチ、そこを動くなよ!)
(トーレ姉さま!)


私のISならば逃げ切れる。


「IS発動!ライドインパルス!」


二人を脇に抱え、離脱。そのままセインと示し合わせていた合流地点まで一気に進んだ。



side ルーテシア


「やった!」
「犯人たちを捕らえたみたいね」


クアットロ達、捕まっちゃったのかな………
そんな時、


(ルーお嬢様、ナンバーズ6、セインです。今から私のIS、ディープダイバーでお助けしますので、ガリューさんを引っ込めて、フィールドとバリアをオフにしておいてください)
(うん)


セインはまず、レリックを持ったオレンジの髪の人のところへ。


「なっ!?」



突然のセインからの攻撃に手に持った盾で防御すると、


「うわっ!?」


セインは吹き飛ばされる。が、盾も粒子になり、消えた。


「仲間か!捕まえる!!」
「やっば!?」


再び地中に潜るセイン。警戒が強くなり、出てこられないみたいだが、


(ルールー、目つぶしやるから目ぇつぶってろよ!)
(わかった)
(じゃあ行くぜ、3、2、1、0!!)


目をつぶっているが、管理局の人たちがあわてる声が聞こえる。
その隙に、


「いっただき!」
「あっ!」


レリックを確保したセインがこっちに来た。


(じゃ、いきましょうか、お嬢様)


セインに連れられ、私は逃走した。




side 士郎



私たち三人は、現在、報告を行っている。



「ああ、すまねぇ、咄嗟の事であたしたちの誰もあいつらを追えなかった」
「すまない、マスター。宝具まで出しておきながら………」
「しゃーないよ。でも、傷は負わせたんやろ?」
「三人のうち、二人には」
「そんならしばらくは行動を起こせんはずや。それだけでも良しとしよか。………リインからも連絡が来とる。これ以上ないなら三人は隊舎の方に戻ってな」


通信を切る。
完全に安心しきっていた。それゆえのミス。しかも、二つも宝具を使用してしまった。
部隊が目をつけられるかもしれんな………



side リイン



「はい、すみませんです。召喚士たちには逃げられ、レリックも奪われちゃったです………全部リインのせいです」


はやてちゃんに報告。その最中、


「あの~、リイン曹長……」
「報告中です。後にしてくださいです」
「レリックなんですけど……」
「無事ですよ」
「「「「ええ!?」」」」


でもケースは……


「ケースは取られちゃいましたけど、中身は私が取り出して、キャロが直接厳重封印して」


キャロが突然帽子を取る。そこにはカチューシャが。


「ティアさんのシルエットでこうやって隠して私が持ってました!」


「「「おお~」」」


最悪の事態は避けられたみたいです~



side トーレ



「いや~なんとかなったなあ」
「お嬢の集団転送のおかげですね。ありがとうございます」
「うん。それより、クアットロとディエチ、けが大丈夫?」
「ええ。足をやられてしまいましたけど、私は前線タイプじゃないんで平気です~」
「でも、驚いたね。軌道が変わる矢なんてさ」
「全く、私がいなかったら捕まっていたぞ」
「今度はそんなヘマしませんよ、トーレ姉さま」
「反省くらいはしろ。セイン、ケースの中身の確認を」
「はいは~い」


しかし、ケースは



「空っぽ!?」
「ちょっとセインちゃん!ちゃんと確認したの?」
「したに決まってるだろ!」
「ディープダイバーの使い方間違えて落としてきたんじゃないの?」
「んなわけないって!ちゃんとスキャンして本物か確認してきたんだから!」


スキャン映像を見せてくるセイン。


「確かに本物ねぇ………」
「間違いないみたい………」


………これは!


「この馬鹿ども!よく見ろ!本物はここだ!」
「あ!このチビの帽子の中……」
「してやられたね」
「すみませんお嬢。愚妹の失態です」
「いいの……私が捜してるのは11番のコアだけだから」
「あ、これ6番か」


しかし、これでコアもマテリアルも管理局の手の中だな………



side レジアス



副官である娘オーリスから見せられた映像は、衝撃的なものだった。



「なんなんだこれは!」
「本日海上にて遺失物捜査部、機動六課がAMF装備のアンノウンとの戦闘時に起きたものです」
「このような膨大な魔力をこんなところで使うなど……ふざけている!」
「この魔力反応、SSSクラスの魔力が観測されたにもかかわらず、付近への影響がありませんでした。この魔力の使用者は、機動六課部隊長、八神はやて二佐です」
「八神……!?あの八神はやてか?」
「はい。闇の書事件の八神はやてです。それと、こちらを」


次の映像は浅黒い肌に白い髪の赤い外套姿の男だった。


「この男は?」
「機動六課所属、衛宮士郎三等空尉です。管理局所属前の経歴が不明であり、八神はやての特別戦力扱いになっています。後見人が元管理局提督、ギル・グレアム氏であることも気になります」
「経歴不明……どうせ犯罪者つながりであろう!」
「……問題発言です。公式の場ではお控えください」
「わかっている!……近いうちにお前が直接査察に入れ。問題があれば即部隊長の査問だ」
「了解しました」


海の連中め、好き勝手にしおって……!




side なのは



保護した女の子は聖王医療院に入院させることにし、現在は私と士郎君が様子を見に来ている。


「検査も問題なかったし、私たちも戻って報告書書かないとね」
「そうだな。しかし、あの少女は一体……」
「狙われる、っていうことは何かあるのかもしれないね……」


そんな会話をしながら売店の前を通ると、ウサギの人形が。


「私、もう少し残るから士郎君は先に戻ってて」
「構わんが……なにかあるのか?」
「もう少しあの子の様子を見ててあげたいんだ」
「そうか。あまり遅くなるなよ」
「うん」


それだけ言うと士郎君は帰っていった。
人形を購入し、あの子のところへ。




「ママ……」
「……大丈夫。ここにいるよ」


うわごとで母を呼ぶ女の子。私はしばらくの間、そばにいて手を握っていた。ママはここにいるよ、と語りかけながら。 
 

 
後書き
ヴィヴィオが来ました。


後半の日常はヴィヴィオメインにする(予定)ことにしてます。


この小説も折り返しに入りました。

評価してくださる皆さんには本当に感謝してます。


そして、ここで一つ報告です。


後半に向けて、オリジナル宝具を募集したいと思います。


感想版、メッセージなど方法は何でも構いませんのでよろしくお願いします。


あと、挿絵とか書いてくださる方がいたら作者はハイテンションになって更新速度が上がります。外伝なども書いちゃうかもしれません。


後書きが異常にダラダラしてしまいました。ホントにすみません。


それでは今回はこの辺で~


 
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