魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第八十四話
成田空港ロビー 七月後半。
ドイツで行われる第二回モンドグロッソ。
昨年同様姉さんの応援をするため、篠ノ之一家とドイツへ行くのだ。
え?部活は無いのかって?
いや、スカウトはあったけど全部断った。
俺達は、まぁ、自分で言うのも何だが、オーバースペックも甚だしい。
上級生に目をつけられたくないのだ。
剣道部からのスカウトは丁重にお断りさせてもらった。
俺達は確かに剣道をしている。
が、それと同時に剣術も修めつつある。
それが何を示すかと言えば、俺達は人を殺せるのだ。
殺せてしまうのだ。
だから、部活はしない。
多分、火燐さんの所の道場も似たような理由で部活禁止だったはずだ。
と、まぁ、そんな訳で終業式翌日にこうして成田に来ている。
「一夏君」
「よう、刀奈。一年ぶりかな?」
「ええ、夏祭り以来だものね」
そして、またしても箒を護衛すべく、更識家が動いている。
先程合流した所、俺だけ隅の方へ連れてこられた。
簪は箒とはなしてるっぽい。
「元気してた?」
「ああ、十回以上死んでも生き返るくらい元気」
まず神原の件で二回。
リリムキッスで……十回以上…
「あら、そんなジョークが言えるなら大丈夫そうね」
まぁ、普通はジョークだよな…
「そういう事だ」
「んもう、生意気ね!」
と言って刀奈が俺に抱きつく。
そして、俺のポケットに手を突っ込んだ。
「例の調査結果よ」
と耳元で囁かれた。
「わかったのか?」
「ええ…。
貴方、自分の親の仕事知ってる?」
「いや…どうしても調べきれなかった…
役所にハッキング仕掛けても普通の会社員としか出てこなくてな。
だから…何かあって消されたってわかるんだが…」
「ええ、苦労したわ。ほとんどが全て物理媒体だったもの。
そこら辺も纏めたから、機内ででも読んでちょうだい」
「ああ、わかった」
刀奈が抱擁を解き…
「だけど」
と俺の眼を見据え…
「覚悟は、しといてね」
刀奈が簪を呼び、何処かへ連れていった。
「刀奈さんとは何を話していたんだ?」
「前に頼んでた調べ物の結果をな」
「……………両親の事か?」
「……………よくわかったな…」
「お前の事は…そうだな…六割くらいはわかる。
お前はわかりやすいからな」
六割って…
「私は、私はお前の両親については何も聞かん。
お前がいつか話したくなったら話せ」
「カッコいいよ。お前はさ。
俺が女だったら、お前になら処女をくれてやってもいいとか思ってるんだろうな…」
「それは男冥利に尽きるな」
本当、カッコいいよ…
手荷物とかその他諸々、特に預ける物は無い。
せいぜい機内持ち込みの荷物程度だ。
キャリーバッグとかは全部ウカノミタマに入れてある。
柳韻さん達は苦笑いしてたけどね。
搭乗から二時間が経ち、篠ノ之一家は皆寝ている。
さてと、それじゃぁ…
アマノハゴロモ、キャスト。
「メモリ・オープン」
さっきもらったUSBの中身を閲覧する。
<織斑夫妻失踪事件に関する報告書>
そんなファイルが、入っていた。
<織斑夫妻の足取りを…………>
と、文を読む。
こちらは状況に関するレポートのようだ。
<……………結論として織斑夫妻を殺害したのは亡国機業と思われる>
…………亡国機業、か。
原作五巻から姿を表した『謎の組織』。
俺が死んだ時での現行巻ではまだその正体が明かされていなかった組織だ。
俺もこの世界に生まれ落ち、ISを作る前に、亡国機業に関する情報を探してネットの海へ潜ったことがあった。
だが、都市伝説以上の内容はなかった。
世間での扱いは前世におけるフリーメイソンやイルミナティと同じか少し知名度が低いってレベル。
その実スコールやオータムといった手練れとゴールデン・ドーンやアラクネ、サイレント・ゼフィルスと言ったISを保持する組織…
そして…織斑マドカ。
途中で登場した三人目の『織斑』。
黒騎士を纏う、『一夏』の対極の存在…
ん?ファイルがもう一つある?
<ジャパン・ゲノミクスに関する報告書>
ジャパン・ゲノミクス? なんだそれは?
<織斑夫妻は日本国機密指定国営企業ジャパン・ゲノミクスに所属し、主任及び副主任研究員だったとされている……………>
父さんと母さんの仕事場?
<ジャパン・ゲノミクスは14年前に解散されている>
14年…俺が生まれる一年前だ。
<……………………解散直前のジャパン・ゲノミクスは遺伝子強化素体開発計画【プロジェクト・メシア】を遂行中だった。
本計画は緊迫する諸外国事情を鑑み、政治、軍事の為、より能力の高いデザインベイビーを製造する事であり…………………>
遺伝子強化素体?原作のラウラみたいな奴か…?
いや…政治もって事はアルペジオの
<亡国機業はジャパン・ゲノミクスの技術を目的とし、織斑夫妻を襲撃したと見られる………………………>
成る程…父さんと母さんは、亡国機業の襲撃から姉さんと俺を守る為に…
更に読み進めようとして…
<これ以上の閲覧はパスコードが必要です>
ふむ、パスコードね…
パスワードブレイカー<金の鍵>起動。
ブレイク。
えーと、なになに…?
<強化素体試作十一型一号 PMP1000及び
強化素体完成型一号 PM-0001に関する報告>
へぇ…そこまで調べ上げられたのか…
凄いな更識。
<プロジェクト・メシアにおいて製造が成功したのは試作十一型一号、完成型一号のみとされている>
ふーん…会ってみたいな…
その試作十一型一号さんと完成型一号さんには。
父さんと母さんが造ったのなら、俺らの兄弟みたいな物だしな。
<試作十一型一号は人工子宮での育成が、完成型一号は母胎での育成がされた>
SEEDとは逆なんだな…
<その後、試作十一型一号は織斑夫妻が引き取り、完成型一号は織斑婦人の母胎にて育成>
「は?」
<結論として、試作十一型一号は織斑千冬。
完成型一号は織斑一夏であると推測される>
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