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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第七十九話

「其所の方。少し宜しいだろうか?」

「うん?………君は?」

「私は篠ノ之箒………昨夜貴方が手を掛けようとした者の恋人だ」

ゥヲイ!?

「何の事だかさっぱりだよ子猫ちゃん?」

「そうですか。しらばっくれるんですね。
まぁ、良いでしょう。
どうせ貴女では一夏の足元にも及びませんから」

神原駿河へ向かって行った箒が、挑発を繰り返していた。

「そうか。だけどね、用が有るのは君へではないんだ。
私が用があるのは…」

箒から外された視線が、その後ろにいた俺に突き刺さる。

「君だよ。織斑一夏君」

憎悪と嫉妬を孕んだその瞳は、二つが混じり合い、狂気のようだった。

箒を避け、彼女は俺の正面に立った。

「ええ、そうでしょうね。
神原駿河さん。貴女の事は戦場ヶ原さんからよく聞いていますよ」

『戦場ヶ原』という名字を出した瞬間、彼女から怒りが溢れた。

やはり、ひたぎさんに関わる事らしい。

しかし、恋愛面は除外するとして…なんだ?

もしかして、俺が彼女に取り憑いた怪異を祓ったからか?

本来なら自分が、みたいな事なのか…?

「君は、戦場ヶ原先輩とどういう関係なんだ?」

「そうですね…彼女が困っていたので、その問題の解決の為に少し手を貸しただけですよ」

「………そうか」

すると彼女はポケットから一枚の紙を取り出した。

それを俺の学生服の胸ポケットに突っ込み…

「私の住所だ。今日の放課後、待っている」

は?

俺が呆けている間に、彼女は振り返り、俺達の中学校から離れるように歩き出した。

しかし…

「待て。神原駿河」

それを箒が呼び止めた。

「年上には敬語を使わないとダメだぞ?」

と再び振り返った彼女が言った。

「いや、年上年下関係無く、一人の女として貴様には言っておくべき事がある」

箒から、拒絶と嫌悪と殺意が込められた想子…殺気が放たれた。

右手を水平に掲げ…

その手の中に、宵闇の柄"だけ"を量子展開した。

「貴様が一夏を殺めたならば、私はこの身と持てる全てを賭して、貴様の全てを奪い尽くす」

箒が、柄を彼女へ向けた。

柄だけの剣を。

刃のない刀を。

そんな事は一目見れば解る。

端から見れば、中学生が高校生の前で玩具のマイクでも掲げているだけのように見えるかもしれない。

だけど、"見える"者からしてみれば、今の状況は切迫した物となる。

「怪異を宿す貴様なら見えている筈だ。
貴様が一夏に敵う事は万一にもないだろうが…」

その柄から、淡く光る刀身が伸びていた。

煌めく刃が"視える"。

想子で形作られた刃が…

<無系統魔法『切陰』>と呼ばれる不可視にして不可避の刃。

肉体を一切傷付けず、精神を斬る魔法。

それが、紙一重の距離で、神原駿河の首に当てられていた。

「警告はしたぞ。神原駿河」

フッと切陰が消え、箒が柄をクローズした。

そして、神原駿河は、俺達から離れていった。

「お、おい箒?」

「どうした一夏?」

「いや、どうしたもこうしたも…」

「なに、私の自己満足だ気にするな」

拝啓、あの世の両親へ。

箒がバイオレンスです…











箒が神原駿河に呪詛を呟き、それを分解しているといつの間にか放課後だった。

ていうか途中から俺の分解速度越えようと躍起になっていた。

呪詛を送るのはどうかと思わなくも無いが、手段と目的を取り違えてませんかね?

あ、あと途中で箒がホモに向けた呪詛は放置した。

で、だ…

「よう、来てやったぞ」

「ああ、あがってくれ」

そうして彼女の私室に通されたのだが…

「コレで良いのか直江津高校のスター…」

「散らかっていて済まないな」

「なぁおい、全部焼き払っていいか?
安心しろ家には一切傷を付けん」

「それは困る」

「じゃぁ俺に30分寄越せ。話はそれからだ」

ゴミを全て分別してゴミ袋に突っ込み、散らばっている本(BL)を部屋の隅に積み上げ、衣類を全て洗濯篭に押し込め、漸く床が見えた。

その後群体制御で集めたホコリを燃やした。

「さぁて、話を聞こうか。被告人」

座布団に座り、彼女と向かい合う。

「……そうだな。
何処から話した物か…」

その後は、彼女に腕を見せてもらい、左手に宿る怪異の話を聞いた。

そして、俺から、一つ質問をした。

「アンタの左手に宿った怪異についてはわかった。
だが、何故俺を襲う?
俺は別にひたぎさんと恋仲ではないぞ。
アンタに嫉妬される理由がまるでわからん」

彼女の答えは、それはそれは真っ当かつ不当な物だった。

「ああ、そうだな…君は戦場ヶ原先輩とは、そういう関係ではない。
それは、知っている。知っているが…」

と、そこで区切り…

「それを知ったのは、既に私がこの腕に願った後だった」

なんと単純だろうか。

要するに、ただの勘違いだったという事だ。

「私は、納得した。納得したんだ。
だけど、それでも…」

彼女は言った。

「感情は、どうにもならなかった」

「そうか…そうかそうか」

なるほど…


「はっはっはっはっは!コレは傑作だ!」

そんな事かよ! 今まで考え込んでいた俺がアホみたいだ! 勘違い? その可能性は考えていなかった!

「いやぁ、一月分程笑わせて貰ったよ」

「その…責めないのか?」

「うん?まぁ、昨日のは確かに痛かったが、どうせ俺は不死身みたいな物だからな」

「ふじみ?」

「ああ、昨日ウィルバーナインに乗っていた時に食らったパンチ。
普通なら死んでるぞ」

「そう…だな…」

「おいおい。そんなに落ち込むなよ。
結果として俺は死んでいないんだから」

「しかし!」

立ち上がろうとする彼女を、手で制する。

「『理屈で宥めてくれたって、綺麗事の暴論だよ』」

「っ!…」

「俺が好きな歌の歌詞だよ。
だから、まぁ、俺を殺したいなら何時でもどうぞ。
今のアンタの精神は、怪異の干渉で、激しい負の情動が渦巻いてる。
だから、俺はアンタを責めない。
アンタに宿る怪異が、持ち主の願いを叶えられずに消えるその時まで。
俺は幾らでもアンタの襲撃をはね除けてやるよ。
それに、アンタは[敵]じゃないからな」

すると彼女は、そのまま、深々と腰を折り…

「っ…済まない!」

土下座をした。

その謝罪は、嗚咽混じりの、声。

「頭を上げてくれ。そんな事する必要は無いよ」

顔を上げた彼女は、案の定泣いていた。

あー…えーっと…

「じゃぁ、俺はこの辺で」

「…………」

「…………」

「…………」

「…えー…まだなんかある?」

「……君は案外酷い奴だな。
目の前で女が泣いているのだぞ?」

「いや、特段親しい訳じゃないし。
そっとしとくのがベストだろ」

「それも、そう…だな。
うん。済まない。帰って構わないぞ」

「そう、じゃぁ帰るよ」

彼女の部屋から出る







前に。

「レイニーデヴィル。雨合羽の悪魔」

「何の話だ?」

「ん?まぁ、取り敢えず…













ググれカス」
 
 

 
後書き
最後の「ググれカス」を書きたかった。 
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