ジオン公国転生記
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第19話 マクロスフロンティア編
ギレンの執務室にはガルマを除いて転生者全員が集まっていた。
ユーリの件についてである。
ドズル、キシリア、ハマーンは相手に責任を取らすべきと憤っていた。
ギレン、サスロは普段よりユーリに接している為、ユーリにも責任があると考えていた。
重苦しい時間が過ぎて行く。
そして、それはユーリの研究所、工房でも同じである。
ユーリの発想と行動力に忙しくも楽しい毎日であった。
ユーリがいないだけで足音一つしない静かな場所に変わっていた。
ギレンは執務室を出て総帥府を歩いて回った。
いつもこんなに静かな仕事場だっただろうか。
いつもであればどこからか「ギレン兄」と自分を呼ぶユーリの陽気な声が聞こえて来た筈。
原作にユーリ・ザビと言うキャラクターは存在しない。
しかしギレンはいつの間にかこの弟を本当の兄弟の様に思い1番可愛がり1番頼りにしていた。
俺は生死の境目で言うならば、死のゴール1歩手前にいた。
だが、ゴールイン手前で転移させられた。
昔懐かしくもない思い出したくもない大魔王様の薄暗い部屋である。
大魔王「久しぶりじゃ」
ユーリ「どうも」
大魔王「何じゃ元気ないのう、まるで死人の様じゃ」
ユーリ「死人にゴールイン1歩手前でさらって来たくせに」
大魔王「当たり前じゃ、お前に死なれてはワシの楽しみが無くなる」
ユーリ「それじゃあ。チートもっと頂戴。うちの転生者全員分」
大魔王「何が他に欲しいのじゃ」
ユーリ「ペンダントのリミッター解除、回数は5回のままでいいから」
大魔王「ペンダントのリミッター解除、餞別に回数は10回にしてやる」
ユーリ「さすが大魔王様」
大魔王「そうじゃ。転生者の事じゃが、今度神の転生者と戦う事になったから」
ユーリ「はあ?」
大魔王「魔王が青、神が赤のペンダント他は無し。しかも味方の転生者を殺す事は出来ん」
ユーリ「それで勝ち負けはどうやって決めるの」
大魔王「相手チームの殲滅又はギブアップ」
ユーリ「今まで取った世界は」
大魔王「無論こちらの物じゃ」
ユーリ「大魔王様、わかった」
大魔王「それからのイレギュラーの事だ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かったか」
ユーリ「まじか・・・・うん覚悟は決まった」
大魔王「それでは、行くぞ」
又、足元が開き落ちていった。
ベットで寝ている感覚が分かる、蘇った様だが何だか胸が苦しい。
少しずつ体を起こしていくと、ギレン兄の頭が載っていた。
ずっと看病していてくれたのかな。
サスロ「ユーリ目覚めたのだな。兄者、兄者。ユーリが目覚めたぞ、兄者」
ギレン「交代の時間か」
サスロ「何を寝ぼけとる、ユーリじゃ、ユーリが目覚めたのじゃ、ほれ」
ギレン「ユーリ!!」
『パーン』
ギレン兄にほほを叩かれた。
ギレン「この大馬鹿者無茶しおって。どれだけ、どれだけ心配したか」
ギレン兄に抱きしめられた。
ユーリ「ごめんよ。ギレン兄、ごめんよ」
俺は泣いていた。
暫くそうしてたが言っておかないと。
ユーリ「ギレン兄、今晩転生者集めて、大魔王様の伝言がある」
ギレン「お前大魔王に会ったのか」
ユーリ「死人の1歩手前で攫われて、ギレン兄達に伝言を頼まれて蘇りました」
ギレン「お前と言う奴は。今晩だな」
ユーリ「うん、お願い。そうだ、フロンティア船団は」
ギレン「お前の件があったが受け入れて補給作業をしている。見返りは技術交流だ」
ユーリ「暫く寝るね」
ギレン「ゆっくり休め」
ギレンはユーリの病室を出た、廊下でサスロが待っていた。
ギレン「すまんなサスロ、おまえも心配していたのに、私に譲ってくれて」
サスロ「何、ユーリが復活したら、いくらでも会話出来る、ユーリは?」
ギレン「体力が回復していないのだろう、又眠った」
サスロ「少し元気が出て来た、遅れてる仕事でもするか」
ギレン「まだユーリの事は秘密だ。みんなが一斉に押し寄せたら体に障る」
そう言って病室の札を『面会謝絶』にした。
サスロ「みんなも心配しておるのだが」
ギレン「今晩。転生者はユーリの部屋に集合だ。ユーリが何か重要な話があるらしい」
サスロ「まさか体に異常が?」
ギレン「ユーリが言うには大魔王の伝言だそうだ」
それから2人は2,3言葉を交わすとそれぞれの仕事場に戻った。
その日の夜9時、ギレンの指示により転生者が全員ユーリの部屋に集まった。
全員(2人除く)がユーリが目覚めている事に驚きそして喜んだ。
ユーリ「みんな心配かけてごめんなさい」
俺はまず全員に迷惑と心配させた事を誤った。
みんなはそれぞれの言い方で謝罪を受け入れ、体の事を労ってくれた。
ギレン「まずはその辺で良かろう。集まって貰ったのは、ユーリが目覚めた事ともう1つユーリから重要な話があるからだ。ユーリ始めてくれ」
ユーリ「俺は、又大魔王様に会った。そこで重要な話を聞かされた」
・神と大魔王それぞれの転生者で戦う事になった事
・魔王が青、神が赤それ以外の色のペンダントは存在しなくなった事
・味方の転生者を殺せなくなった事
・勝敗は相手の殲滅又はギブアップ、またはその世界の征服、敵のリーダーの殺害
・死んだ転生者は別の世界に転生するが戦いから除外される
・今まで通った世界はこちらの物だが、UC世紀は決着が付いていないのでどちらの物でもない
・敵味方転生者の数は不明
・最終決戦はUC世紀から選ばれる(UC世紀には決戦場が決まるまで入れない)
・ペンダントに関してリミッター(制限)が解除された事(不死、蘇生は出来ないまま)
・願いが10回に増えた事
俺はそれをみんなに告げた。
ただしイレギュラーの事はみんなには告げなかった、俺だけが知っていればいい事だから。
ハマーン「神の転生者か面白い」
キシリア「味方の裏切りを気にする必要がいらなくなった」
ガルマ「敵味方どれだけ転生者がいるかが分からいのが不安だな」
ユーリ「前にも言ったけどエースパイロットは絶対転生者だよ」
サスロ「探すと言ってもどうやって探す」
ユーリはペンダントを握り締めると
ユーリ「こうやって『ジオンの転生者のリストよ出ろ』」
『バサ、バサ、バサ、バサ、バサ、バサ、バサ、』
雨のように紙が降って来た。
キシリア「こんなにもいたか。ほう、ユーリの言う通りだ真紅の稲妻、黒い3連星」
ガルマ「!シャアが戻っている」
ギレン「別の転生者だろう。人気があるからな」
ドズル「白狼、ソロモンの悪夢いっぱいだな」
ユーリ「ラルさんは絶対と思ったら俺の関係者、研究所、工房までだからノリが良かったのか」
ギレン「民間人は戦闘除外だ」
サスロ「とにかく転生者には全員さっきの話を通達しないとな」
話は遅くまで続いた。
俺は次の日フロンティア船団に潜り込んでいた。
ギレン兄に今朝ペンダントで体を直され『フロンティア船団の技術を盗めるだけ盗んで来い』だって言われた。
頭がクラクラする、見る物全てが新しい知識として俺の頭に入って来てきつい。
ダメそこの公園で1度休もう。
ユーリ「どこ見ても知識として入ってくるもんな・・・お、いい匂い」
見るとクレープの屋台がでている、ちょうど小腹も減ったし買って来よう。
タイミング良く列が無くなりすぐに順番になった。
「「イチゴにチョコのトッピング」」
女の声で横から同じ注文が割り込んだ。
店主「すいません。イチゴ後1人分しかないんです」
女「当然、レディーファーストよね」
ユーリ「横から割り込んで何がレディですだ譲らない」
女「譲りなさいよ」
ユーリ「譲らん」
女「ゆずり・・・・・貴方・・・もしかして・・・・ユーリ?」
ユーリ「それが何だ、譲らん、えっ」
女「元気に、なった、のね、・・・・ユ~~リ~~」
突然、女はポロ、ポロ泣き出した。
俺は突然の事におろおろした。
ユーリ「分かった。クレープは譲るから、おごるこれで泣き止んで」
俺は女を泣き止ませようとするが、一向に泣き止んでくれなかった、周りの視線が痛い。
その時、男がこちらに駆け寄って来た。
男「おい、大丈夫か?・・お前が泣かしたのか」
ユーリ「いやその」
男「てめ・・・・お前、ユーリ・・・か?」
ユーリ「へっ?」
男はアルトだった。
ユーリ「いやあ、おひさー」
アルト「何が、『おひさー』だ。元気になったなら何故連絡してこない。隊長なんかまだ自己謹慎しているところなんだぞ。な、シェリル」
ユーリ「シ、シェリル!?」
シェリル「グス。何よ・・・私何て覚えてないの」
サングラスを少し外した顔は、間違い無くシェリルだった。
ユーリ「いやー、今日もお綺麗で」
アルト「まずいなー。周りがシェリルに気付き始めてる」
ユーリ「どうしたの??」
アルト「仕方が無い、SMSに行くぞ、走れ!」
アルトがシェリルを立ち上がらせて、俺達は公園を抜け出し走り始めた。
ユーリ「何故に、逃げる必要があるので?」
アルト「あんな所で、シェリルってばれたら暴動が起きる。しかもシェリル泣かしたお前は命が無くなるぞ」
ユーリ「ところで、肝心のシェリルさんが遅れているのですが?」
アルト「チィ。とにかく真っ直ぐ走ればSMSの官舎が見える。俺はシェリルを連れて来る」
ユーリ「ぐふふふ。おんぶかな、お姫様抱っこかなー」
アルト「ユーリてめえー。後でぶっ殺す!覚えてろ」
アルトはシェリルをお姫様抱っこして走り始めた。
SMSの官舎が見えて来た時。
『カシャ、カシャ、カシャ、カシャ』
カメラのシャッター音が聞こえた。
ユーリ「情報提供で3割!」
ミハエル「うんー俺のカメラで俺の腕。だが快気祝いだOK」
犯人はユーリとミハエルだった。
アルト「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、お前等・・・カメラを・・・・よこせ」
ミハエル「カメラいいよ。でも高かったんだよな。電波式と言って撮った画像をそのまま現像して、写真にしてくれる、おまけにコピーもしてくれる」
アルト「はぁ、はぁ、はぁ、御託はいい・・・画像の・・・・データーをよこせ」
ミハエル「10km先のカメラ屋にデーターはある。今頃ポスターサイズになっているだろう。100枚、1枚1000円で」
アルト「何処だ、そのカメラ屋は・・・何だ、シェリル?」
シェリル「嘘よ。電波式カメラは本当だけど100m程度しか飛ばないわ。だから官舎の中ね」
ミハエル「さすが、このカメラのCMをされている事はある」
アルト「ミハエルてめえーぬけぬけと」
シェリル「アルト! ユーリがいないわ。コピーに行ったんだわ」
アルト「落ち着けシェリル。コピー機はSMSの認識証が必要なんだ」
ミハエル「もういいだろう。アルト連れないな。いつも一緒に行動しているのに」
アルト「?・・・・!!てめえ、ルカを買収したな」
ミハエル「ナナセの写真を撮ってやると言ったら嬉しそうにしていたよ」
アルト「ここでの会話は時間稼ぎか」
ミハエルが扉の前から動いた。
ミハエル「ユーリが消えた瞬間から販売スタートだ。何枚売れたかな。しかも買った奴等は血の涙を流しているだろう。アルトが憎いと待ってるよ。さあ入り給え地獄の官舎に」
アルト「ああ、行ってやる」
ミハエル「ちなみにルカは、艦内へ売りに行った。パイロット待機室は凄い殺気だろうね」
アルト「くそう!」
その時、官舎からカナリアが出てきて言った。
カナリア「そうは上手くいかないんだ。ミハエル、今日はコピー機の定期点検日なんだ」
ミハエル「しまった。うかつにもそんな事を忘れるなんて」
カナリア「と言う訳で、ミハエル。今日は1日私に付き合って貰おうか。ちなみにユーリはオズマの部屋に叩き込んで来た。いくよ」
ミハエルは1日中、カナリアの柔道の相手をさせられた。
ルカはある意味被害者なのでおとがめなし、そしてもう1人の馬鹿者は。
オズマ「怪我はもういいのか」
ユーリ「はい、完全に治りました」
オズマ「すまん。注意されていたのに、挙句にお前まで巻き込んですまん」
ユーリ「俺の方が悪いんです。テスト段階の機体を素人同然『カチィン』のパイロットを乗せた方が悪い、ごめんなさい」
オズマ「いや、俺の操縦は良かったが、機体が未完成品『カチィン』じゃ、癖を掴み切れず無理した為に危うく死にかけ『カチィン!』お前まで巻き込んで本当にすまん」
ユーリ「俺が悪い。隊長だから上手いとか凄いとか勝手に思い込んで『カチィン!』普段乗っている機体との違いも判断出来ない『カチィン!!』パイロットを選んだ俺が悪い」
アルトとシェリルとルカは、ユーリがオズマの部屋にいるのをカナリアに聞いたのでオズマの部屋にやってくると、中から激しい音がするので勝手に開けると、2人は取っ組み合いのケンカをしていた。
アルト達では止められなかったので、カナリアに来てもらい2人を分けた。
カナリア「で、何故こうなった」
オズマ「こいつが未完成機に乗せておいて、俺の腕が悪い、判断力が無い何て言いやがるから」
カナリア「ハイ、ハイ、それでユーリ」
ユーリ「テスト中の機体だから50%で操縦してくださいって言ったのに、フルパワー出しやがるから貧血を起こしてだから、隊長って言っても色々なのがいるんですねって」
カナリア「お前等、小学生か馬鹿者!」
2人共カナリアに1発ずつ殴られた。
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