碧い銀河
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同盟の再建
クブルスリー統合作戦本部長は侵攻作戦の後、ヤン提督の幕僚総監就任を望んだ。
《史実》では希望が実現せず、アンドリュー・フォーク元参謀の銃撃で負傷しているけど。
イゼルローン要塞の陸戦隊、シェーンコップ隊長の率いる猛者達が首都に潜入。
救国軍事会議のクーデターは起こらず、ハイネセンは想定外の事態に見舞われた。
帝国領侵攻作戦を実施中に補給破綻、の報告を最高評議会議員達は認めなかった。
提督達に責任転嫁して事態の収拾を試みず、現実逃避し続けている。
ヤン提督と密談の後で、薔薇の騎士連隊が動くまでは。
最高評議会議員は身柄を確保され、最前線で陣頭指揮を執る旨が通達された。
艦隊指揮官と幕僚も魔術師の城、鋼鉄の砦に召喚された。
アムリッツァ星域会戦の終了直後、第36代皇帝は崩御して権力闘争は一気に表面化。
捕虜交換式の約2ヶ月後、リップシュタット戦役が始まった。
ガイエスブルグ要塞に門閥貴族達が集い、ローエングラム侯爵の追討を高らかに宣言したけど。
当の相手から賊軍と切り返され、逆上して意味の無い進撃を試みている。
イゼルローン要塞に篭る最高評議会は動かず、帝国内部の権力闘争を静観。
戦火拡大に伴う財政的負担、犠牲者の試算を明示し専守防衛を唱えた。
ドワイト・グリーンヒル査閲部長、ジェシカ・エドワーズ野党議員は当然だけど。
ジョアン・レベロ元財務委員長、ホワン・ルイ元人的資源委員長も説得を受け容れた。
ヤン提督は鋼鉄の砦で議論の後、人的資源の配置転換を図り無人艦隊の構想を呈示。
自由惑星同盟の全域に艦隊乗組員達の帰郷、兵役免除の宣告を歓迎する声が轟いた。
イゼルローン要塞から幾重もの周波数で艦隊を動かし、遠隔操縦の実験映像も公開。
一般大衆は家族の帰還に喜び、再び戦場に送らなくても良い施策に万雷の拍手で応えている。
ヤン提督が帝国軍を撃退してくれれば、他の場所は無防備でも問題は無い。
艦隊は基本的に無人化され、必要最低限の整備要員を残して鋼鉄の砦に繋留。
多数の艦隊乗組員達が警察に就職し憂国騎士団、地球教徒の取締り強化に尽力しているけど。
テロリスト達の強奪に備え、イゼルローン回廊の警備艦隊は秘密裏に自爆装置が仕掛けられた。
フェザーン等の資金援助を受けた煽動家は諦めず、ヤン提督を罵倒。
軍隊を使って権力を握った簒奪者、民主主義の敵、帝国の手先、独裁者と糾弾しているけど。
肝心の魔術師に精神攻撃、誹謗中傷の嵐は届かなかった。
次の一手を打つ為に、自由惑星同盟の領域を離れていたんだ。
後書き
ヤン提督が幾度も実力行使を拒んだ事は重々、承知していますが…
フレデリカさん、ユリアン君達の背負う重荷を知った場合には…?
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