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ヴァンガードG ネクステージジェネレーション Re:start

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Turn:23 戦士の挽歌

 
前書き
U-20ファーストステージ初日もいよいよ中盤
序盤から苦戦を強いられるミライたちは遅れを取り戻すため奮闘する
一方カズヤはユキナと遭遇しファイトになっていた
経験豊富なユキナに苦戦するカズヤだが……… 

 
「U-20チャンピオンズリーグ、ファーストステージ初日は序盤から白熱のファイトが繰り広げられておりました!」
放送席で実況の男性が熱く語る
「ここで一度中間成績の発表、ファイターたちもしばしの休息、お昼ご飯となっております」
フィールドから移動できる場所に作られた食堂のような共用スペース
そこに出場選手たちが集まっていた
「果たして!一位はどのチームか!って………」
ふと実況の男性は隣のクロノが静かなことに気付き彼の方を見た
「クロノさん、それ、何食べてるんですか」
「ん?さっき嫁さんが持ってきてくれたコロッケパン、やっぱうめえなここのは」
「ちょ!ずるい!私にもくださいよ!」

Turn:23 戦士の挽歌

共用スペースでチーズバーガーとポテトの乗ったトレーを持ったミツキとコロッケカレーの乗ったトレーを持つミライ
そしてタツマはラーメンのようだ
「っかし、混んでんなやっぱ」
「参加選手はみんなこっちに来ているからね」
「おーい」
声をかけられた方を見るとクラッシュチャージの三人が席についていた
丁度彼らのいるテーブルに空きがある

「休憩中はポイント見れないんだな………」
自分のファイカをいじりながらぼやくカズヤ
「俺達結構ポイント稼いだんだぜ、そっちは?」
タイチの問いかけにドキリとするミツキとタツマ
二人の心情を察して苦笑いするミライ
「私たち、あんまりファイターに合わなかったから、地道に拾った分がほとんどかな」
「ふーん、ま、運も絡んでくるからなぁこのルールは」
「俺たちはハンターに会わなかったからいいけど、そういえば、チーム全員がハンターに捕まって失格になったチームあるらしいぜ」
「ぶふっ、なにそれ」
タイチの話に噴き出すハルカ
後ろを向いて一人で震えはじめたのでまたツボに入ってしまったのだろう
「あ、順位出たみたいだぜ」
壁に設置された画面に集まるファイターたちの様子に身を乗り出すカズヤ
「ほら、まずは食べ終わってから」

結果はすぐにミライたちの眼にも入ることになった
係員が食事中のファイターたちに順位が表示されたタブレットを持ってきたからだ
「えっと………お!やった、俺達10位に入ってる」
カズヤが結果を指でなぞってるなかミライは左右から来る重苦しい空気にいたたまれない気持ちになった
「あれ?えっと………」
ミライたちの名前が見当たらず首を傾げていたがしばらくして見つけたようで声を上げた
「何位だった?」
目をそらしながら問いかけるミライ
「35位………」
思った以上にポイントは集まっていたがやはりこうなったか
ミライは頭を抱えため息を零した
ちらりと見るとミツキが机に突っ伏して暗い空気を纏っていた
その事に気付いたクラッシュチャージの3人も思わずギョッとなる
「あ、あのさ、ミツキどうしたの?」
「ハンターに捕まって一気に大量のポイントをロストしたのよ、私は気にしなくていいって言ったんだけど………」
「確かに、それがなければ上位に入れたかもな」
「ちなみに一位はどのチームなんだ?」
「え?えっと………ブラックルーラーだな、うわっ、見ろよポイントの量」
「マジか!これだけ持ってんならブラックルーラーはハンター倒してるんじゃねえか?」
「二位のエドラリッターってチームもすごいよ、このチームもハンター倒してるかも」
「あ、それ去年の優勝チームだぜ」
「へえ、すげえやつがいっぱいいるんだな」
「ちょっとタツマ、あんまり余計なこと言わない方が………あぁ、ほら」
ミライが宥めるもすでに遅く
「どうせわたしは負けちゃいましたよ~だ」
ミツキはテーブルの隅で完全にいじけてしまった
「お、おい、大丈夫か………何をいじけてんだ?」
心配してタツマがそばによると
「タツマさんの………ばかー!」
「いってぇ!」
いきなり起き上がったミツキが涙目になりながらタツマの顔面めがけて拳を振るった
「あーあ」
「今のはタツマが悪い」
「あっはっは、やっぱ面白い~!」
なお、ミツキはモデルのほかにフェンシングもやっており同年代の女の子より力があることを追記しておく

くっきりと残った拳の跡を光らせながら午後のファイトに挑むタツマ
「黒炎をまとう者 オグマでアタック」
渦を巻いた黒炎がオグマを中心にして迫ってくる

「あの顔どうしたのかしら?」
観客席でコロッケパンを食べながら首を傾げるトコハ
「がんばれたっつーん!」

「エヴァンジェリンでアタック!」
午前の失態を取り返すべくミツキも奮闘していた
若干しかめっ面でご機嫌斜めに見えるのは気のせいだろう………たぶん

ミライたちが躓いてしまったことに驚きを隠せないカズヤ
改めてこの大会のレベルの高さを実感しつつあたりを警戒していると
「あつ!」
ファイカの警告が鳴る
近くにいるファイターを確認してみると同じようにファイカを確認するユキナの姿
「あんたは?」
「チームクロニクルハーツ、美浜ユキナよ」
「クロニクルハーツ………さっき見た時確か3位に入ってたな」
ユキナの所属を聞いて先ほど見た順位表を思い出すカズヤ
「チームクラッシュチャージのリーダー、星野カズヤだ、悪いけど、こんなところで躓くわけにはいかないんだ」
「それは私も同じ、このデッキに誓って、負けるわけにはいかない」

「だから、悪気はなかったって言ってんだろ」
一度合流してポイントの確認をするミライたち
ミツキはまだ先ほどのことを怒っていた
「そりゃあ、タツマさんの性格からしてわざとじゃないのはわかってるけど、にしたってデリカシーなさすぎです」
「なあ、機嫌直せって」
「じゃあ、予選終わって、ポイントの合計、私より低かったら帰りにクレープおごりってことで」
笑顔でそう告げるミツキにたじろぐタツマ
ミライは一瞬彼女の笑顔の中に黒いものを見た気がした
「タツマ、私もその話乗るわね」
「いや、お前は一番ポイントもってるじゃねえか!」
「よーし!頑張って集めるぞー!」
「………マジか」

「マイ・レンのブースト、睡蓮の銃士 ルースでヴァンガードにアタック」
剣を構えマルヤーキに向かっていくルース
「ドライブチェック」
【鈴蘭の銃士 カイヴァント】トリガーなし
マルヤーキに鋭い刺突を浴びせ転倒させるルース
【メチャバトラー ブッタギル】トリガーなし
「ドロー、メチャバトラー アバレールにライド!マルヤーキ、ブッタギルをコール」
「(ユニットを並べての速攻………パワー型の様ね)」
「アバレールでルースにアタック!」
手に持った剣を振り上げルースに向かっていくアバレール
【フュリアス・パンチャー】トリガーなし
アバレールの剣がルースに振り下ろされた
【蓮の銃士 リアナ】ドロートリガー
「パワーをルースに、一枚ドロー」
「ブッタギルでアタック!」
「リアナでガード」
突っ込んできたブッタギルの前に立ちはだかるリアナ
攻撃を終えアバレールの操縦席で身構えるカズヤ
「ライド、竜胆の銃士 アンテロ、更にもう一枚アンテロをコール、ヴァンガードのアンテロでアタック
攻撃にカードを使ってしまいガードの余裕がないタツマ
その様子を見て小さくため息を零すユキナ
【鈴蘭の銃士 カイヴァント】トリガーなし
アンテロの剣がアバレールに突き刺さる
【フュリアス・パンチャー】トリガーなし
「アンテロのスキル、同名のリアガードがいる時、アタックが成功したことで一枚ドロー、リアガードのアンテロでブッタギルにアタック」
「フュリアス・パンチャーでガード!」
リアガードを狙った攻撃をガードするカズヤ
ブッタギルは攻撃の主力となるユニット、ここで失うのは避けたかった
「まあ、そう来るでしょうね、ターン終了よ」
「まるでこっちがどう来るかわかってるような言い方だな、スタンドアンドドロー」
「わかるわ、私は毎日のようにヴァンガードに触れてきた、そして腕を磨いた、あなたみたいなファイターはわかりやすいもの、どこまでも一直線で………単純すぎる」
「言ってくれるじゃねえか、ライド!ムッチャバトラー ビクトール!更にビクトールをリアガードにコール!カブトロンのブーストしたビクトールでアタック!」
リアガードのビクトールがアンテロに襲い掛かる
その剣が振り下ろされた
【リシアンサスの銃士 ロレイン】トリガーなし
「ヴァンガードのビクトールでアタック!」
「ダニエルでガード」
ブーストを付けていないヴァンガードのアタック
ツインドライブの両方がトリガーでないと通らない最適なタイミングでのガード
「ツインドライブ」
【メチャバトラー ブッタギル】トリガーなし
【メッチャバトラー ダンシャーク】トリガーなし
「ブッタギルでアタック」
「ふぅ、ノーガードよ」
ブッタギルの攻撃がアンテロに決まる
【鈴蘭の銃士 レベッカ】トリガーなし
「スタンドアンドドロー………」
手札の一枚を手に取るユキナ
自然とその表情には笑みが浮かんでいた
「ライド!白詰草の銃士 ミア・リータ!」
幼い頃引き裂かれながらも再会を果たしたユキナの切り札
「ストライドジェネレーション!常夏の花乙姫 ベラーノ、スキルで手札からミルッカをコール、手札一枚とドロップゾーンのダニエルをデッキに戻し、山札からミルッカをコール」
二体のミルッカが左右の後列に並んだ
「カイヴァントをコール、そのスキルでアンテロを退却、山札の上四枚を見て、アウグストをコール」
盤石の体勢を整えるユキナ
カイヴァントがビクトールを鋭い太刀筋で切り裂いた
【メチャバトラー アラシード】トリガーなし
「常夏の花乙姫 ベラーノでアタック!」
ベラーノが銃を構えビクトールを狙う
それを防ぐ術は今のカズヤにはない
「トリプルドライブ」
【赤薔薇の銃士 アントニオ】トリガーなし
【月下美人の銃士 ダニエル】クリティカルトリガー
【梔子の銃士 アラン】クリティカルトリガー
ベラーノの銃がビクトールを打ち抜く
ダブルクリティカルによってダメージを一気に3点受けてしまうことになってしまう
「俺は………あきらめない!こんなところで………負けるわけにはいかねえんだ!」
【メチャバトラー マルヤーキ】トリガーなし
【メチャバトラー アバレール】トリガーなし
【ラウンドガール アイ】ヒールトリガー
「なっ!?」
まさかのヒールトリガーに驚くユキナ
「まだよ、ミルッカのブースト、アウグストでアタック!」
「ガード!インターセプト!」
レッド・ライトニングと2体のブッタギルがアウグストの攻撃を阻む
これでユキナの攻撃は終了、カズヤのターンとなる
「(今の気迫………)」
「よし、俺のスタンドアンドドロー」
「一つ聞かせて」
カードを引いてターンを始めようとしたカズヤにユキナは声をかけた
「あなたは何のために戦うの」
「………約束したんだ、大事な仲間と」
ユキナの問いかけにカズヤはそう答えた
「(約束、その約束を守るためにここまで………)」

「ストライドジェネレーション!メテオカイザー ビクトール!」
ストライドしたカズヤは真っ直ぐミア・リータを見据えた
「あいつの手札は全部わかってる!ここで一気に決めてやる!アバレールをコール!スキル発動!更にメテオカイザーのスキル!行け!ビクトール!」
カズヤのその言葉と共にリアガードのビクトールがカブトロンのブーストを受け向かっていく
「ガード」
ダニエルがその攻撃を受け止める
「アバレールでヴァンガードにアタック!スキルでビクトールをスタンド!ビクトールの闘魂の効果で前列のユニットを+2000!」
アバレールの剣がミア・リータを直撃する
【竜胆の銃士 アンテロ】トリガーなし
更にスタンドしたビクトールが剣を勢いよく振り上げるが
「ガード!」
その攻撃はアランが受け止めた
「メテオカイザーでアタック!ストライドスキル!ビクトールとカブトロンをスタンド!
「完全ガード!」
赤薔薇の銃士 アントニオがビクトールの攻撃を受け止めて見せた
「トリプルドライブ!」
【メチャバトラー マルヤーキ】トリガーなし
【ムッチャバトラー ビクトール】トリガーなし
【ラウンドガール アイ】ヒールトリガー
「ゲット!パワーはリアガードのビクトールに!カブトロンのブーストでアタック!」
手札の尽きたユキナにこの攻撃を防ぐ術はない
【赤薔薇の銃士 アントニオ】トリガーなし
「カブトロンのスキルでビクトールをスタンド!もう一度アタックだ!」
再びスタンドしたビクトールが剣を振り上げミア・リータに迫る
「単純といったことは取り消すわ」
顔を上げたミア・リータは笑顔でビクトールを見ていた
「あなたみたいな素晴らしいファイターに会えたのは、初めてよ」
ビクトールの剣にミア・リータが切り裂かれる
【月下美人の銃士 ダニエル】

互いの健闘を握手でたたえる二人
「それにしても、そこまで思ってもらえるなんて、なんだかその仲間の子が羨ましいな」
「そう………かな?でも、俺もソイツのお陰でこの舞台に立てるわけだし、そういう意味じゃ感謝してる………」
照れくさそうに笑いながら答えるカズヤの様子に面白いと言わんばかりの表情を見せるユキナ
「ねえ、もしかしてその子って………女の子?」
「えっ?何でわかったんですか?」
「やっぱりそうなんだ!ね、年上?それとも………もしかして年下?」
「ちょ、何!?確か俺より一つ下………つか、なんでそんなグイグイ来るんですか!?」
「へえ!ね、可愛い?その子の事、どう思ってるの?」
「かっ、何を聞いて………」
問い詰めるユキナだったがドロップゾーン送りのため足元が動いたのでおとなしくなる
「あーあ、いいところだったのに」
「た、助かった………」 
 

 
後書き
次回予告
「あーあ、負けちゃった」
「ドンマイユキナ、そんな日もあるって」
「けど、ミア・リータが傷つくのを見るのはやだなぁ」

turn:24 荒ぶる剣神

「まあ、ここから取り返せばいいって」
「そうね、ミア・リータと一緒に頑張るわ」
「………私たちの事忘れてないよね」 
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