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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
第1章誕生!最強ライダー編
  第26話『取り戻すアギトの力』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
再び開いたミラーワールドとの接点を閉じる為に雅は戦うが、またしても鳴滝の妨害にあった。


「早いものだ。もうアギトの世界か。」
「この世界には、どんな仮面ライダーがいるんですか?」
対策を考えている雅に圭一は質問する。
「仮面ライダーアギトの世界は、後に行くことになるある世界の続きだ。もっとも、世界は繋がっているだけで、中身は別物だけれど。この世界では、かつて光と闇の大きな戦いがあった。」
「じゃあ、光が勝ったんですか?」
「いいや。闇は人や命を生み出した存在。そして、光と闇の戦いは闇の勝利に終わったんだが、光は死の瞬間に分子となって飛散し、その時一番弱くて脆い人類に自分の力を植え付けた。すべては、やがて自分の力に覚醒した人類で、闇に復讐するために。」
「もしかして、光って─」
雅の説明にフェイトは勘づく。
「ああ、その光の力に覚醒したのが、仮面ライダーアギトだ。そして、この世界の怪人、アンノウンは闇から天命を受けアギトの力を持つ人々を抹消しようとしている。アギトではない人類を、アギトから護るために。」
「なんで怪人が人を守っているの?」
「人類にその感覚はなく、ただの無差別殺人にしか思っていないが、アンノウンは人類が生まれる前に闇が生み出した子供。アンノウンにとって人類は兄弟のようなもの。敵の手に染まった仲間から兄弟を護っているだけだ。ただ、今いるアギト達は人類に友好的であり、闇はアギトからその力を奪い、ただの人間に戻したにも関わらず危険だからという理由で殺そうとしている。こうしてはいられない。僕は出て行くからフェイトは圭一達を頼む。」
雅はそう言って出て行く。

雅がマシンディローダーを走らせていると、3人の男性がハリネズミの怪人、ヘッジホッグロードと梟の怪人オウルロードに襲われていた。そして、オウルロードはアギトに変身する津上翔一に突進しようとするが、
「どけ!」
アナザーアギトに変身する男性、木野薫が翔一を突き飛ばし、その攻撃を受けてしまう。
「しまった!」
雅は素早く近づき、ヘッジホッグロードが飛ばす針をロードスラスターで弾く。
「君は?」
翔一は尋ねる。
「詳しい話は後でします。今は任せて下さい。」
【KAMEN RIDE-FAIZ ZERONOSS-】
雅はロードスラスターから仮面ライダーファイズとゼロノスを召喚する。
「巧さん、桜井さん、お願いします。僕は彼らの避難を行います。」
「わかった。とっとと行け。」
ファイズは雅達を逃がす。
「最初に言っておく。俺達はか~な~り、強い!」
ファイズとゼロノスは武器を構え、アンノウンに向かって行く。
「何故人間がアギトを守る!」
オウルロードは突進する。
「決まっているだろ!襲われているからだ!」
ゼロノスはゼロガッシャーをサーベルモードに変えてオウルロードを切り裂き、墜落させる。
[exceed charge]
[Full charge]
「ゥオラァッ!」
「ハッ!」
ファイズはファイズショットを装着して放つ拳、グランインパクトを、ゼロノスはゼロガッシャーの斬擊、スプレンデッドエンドを放ちオウルロードを撃破するが、ヘッジホッグロードは逃げてしまう。
「逃げられたか!」
ゼロノスはいらつくが、
「目的は果たせただろ。」
ファイズがそう言うと納得し、二人はカードに戻る。

「説明してもらおうか。」アギトの亜種、ギルスに変身する葦原涼は雅に説明を求める。雅は自分が何者なのか、何故戦えるのか、何故この世界に来たのか説明した。
「異世界から来た?信じられるか。」
葦原はそう言うが、
「葦原さん、雅君のさっきのあれを見てそんなことを言うんですか?」
翔一が宥める。
「それで、世界を正しい方向へ修正させると言っていたが、何をすればいい?」
「皆さんに、アギトの力を取り戻してほしいんです。この世界は、皆さんがアギトの力を取り戻せないことが原因で崩壊してしまいます。なので、大変不躾なのは承知の上ですが、お願い出来ますか?」
雅は頭を下げる。
「雅君、頭を下げないで。俺達こそ、協力してもらっちゃう感じでごめんね。」
翔一は雅と握手する。
(本当は、その後木野さんに死んでもらう必要があるけど、そんなことは言えないから黙っていよう。多分、もうその未来は決まったことだ。)
雅は一人考えていた。すると、翔一の携帯が着信する。
「はい。ああ、氷川さん?本当ですか?ありがとうございます!」
翔一は通話を終わらせる。
「俺達からアギトの力を奪った人の居場所、解りましたって。行きましょう。」
翔一は電話の内容を伝え、闇の青年がいる倉庫に向かった。


倉庫では、既にG3-Xが先程のヘッジホッグロードと戦闘を行っていた。
「しまった。カートリッジが。」
G3-Xは大型ガトリングのケルベロスを乱射していたが、用意していたカートリッジが無くなり、短剣のスコーピオンで応戦する。そこに、雅達がやって来る。
「津上さん!ところで、その子は?」
「彼が、話に出した人です。」
「初めまして、氷川さん。詳しい話は後で、今は津上さん達もただの人間です。まずは奪われたアギトの力を取り戻す事が一番です。皆さん、これを受け取って下さい。そして、願いを込めて下さい。」
雅は自己紹介をし、白紙のカードを渡す。すると、
「君も人間、私の子供のはず。どうしてアギトに味方する?」
人類やアンノウンの親である、闇の青年が現れる。
「僕が護るのは人やアギトとか関係ない。世界の在り方だ!それに、今の津上さん達はただの人間だ!それを殺そうとする時点であなたは間違っている!集え、世界の願い!」
雅はコールし、アギトの世界のワールドホープが完成する。
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER AGITΩ-】
雅はアギトの世界のワールドホープを発動する。すると、
「っぐ、私に何をした!」
闇の青年は苦しみ出す。
「大方、あなたが津上さん達から奪った光の欠片が、反抗しているんだろう。」
「馬鹿な!彼らは望んでいるというのか!人間とアギトは共存できない!できるわけがない!」
「それはあなたの願望だ!こうして、アギトと共存している人だっている!あなたは現実から目を背けているだけだ!津上さん、葦原さん、木野さん!もう手を伸ばせば届く距離です!後は、手を伸ばせば!」
雅が言うと、翔一達は手を伸ばし、掴み取る。己が望むもの、アギトの力を。
「皆さん、行けますか?」
雅は質問する。
「うん、大丈夫!」
翔一は答え、変身ベルトのオルタリングを出現させる。
「ああ、平気だ。」
葦原も答え、変身ベルトのメタファクターを出現させる。
「俺も、問題ない。」
木野も、変身ベルトのアンクポイントを出現させる。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅達は変身する。
「氷川さん、ありがとう御座います。後は僕達に任せて下さい。」
ディロードはG3-Xにそう告げるとロードスラスターを手にヘッジホッグロードに向かう。そして、四人のライダーは初めて共闘したとは思えない連携でヘッジホッグロードを攻撃してゆく。
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディロードは一歩引き、ロードスラスターにブラストのアタックライドスキャン。徹甲弾でヘッジホッグロードを攻撃する。
「皆さん、今です!決めて下さい!」
ディロードはアギト達に呼びかける。
「はい!」
アギト達はその声を聞き、エネルギーを溜める。そして、アギトのグランドキックとアナザーアギトのアサルトキックが炸裂し、ヘッジホッグロードが立ち上がった瞬間にエクシードギルスのダブルヒールクロウが放たれ、ヘッジホッグロードは光輪が出現し、撃破される。
「馬鹿な。人間が私に歯向かうなんて!」
闇の青年は驚いているばかりであった。そして、ヘッジホッグロードが倒されたことを知ると、去っていった。
「氷川さん、大丈夫でしたか。」
雅は氷川に近づくが、
「君、事情はわからないけど、君は銃器を持っていた。君には署まで来てもらいたい。」
氷川は警視庁の人間として雅を逮捕しようとする。しかし、
「いいえ、そういうわけにもいかないので、ここでお別れとさせていただきます。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのアタックライドで戻っていった。

「何とか助かった…」
雅は入り口でため息をつく。まさか、いきなり銃刀法違反で逮捕されそうになるとは誰も思わないだろう。
「ただいま!」
雅は帰宅すると目の前の光景に驚いた。何故なら、そこには芽キャベツの装飾が施されたケーキが1ホール置いてあったからだ。
「誰、これを用意したのは?」
雅は質問する。
「わたくしと梨花の二人で作りましたのよ。」
「沙都子が、日頃戦っている雅に何かしたいって言っていたから、フェイトに頼んで創作料理の検索をしてもらったの。」
雅の質問に、沙都子と梨花が答える。
「…そうか。」
雅は、そう言うしか無かった。
「どうしたの雅?」
フェイトは雅に質問する。
「いや、そのケーキは…アギトに変身する津上さんが考えたメニューなんだ…」
雅は質問に答える。
「アギトに変身する方って、とても家庭的なんですね…」
その答えに圭一も固まりながら感想を言った。
「そのケーキが出来た時の話だけどな、津上さんは居候先の子供の芽キャベツ嫌いを直す為に模索して、そのケーキを作ったんだが、その時津上さんはアンノウンの毒で余命僅かって時に作った挙げ句、みんなが心配する中、ケーキの食べ過ぎで体重が増えたって笑っていた時のケーキなんだ…」
雅が説明すると、流石にみんな笑うしか無かった。
「さて、せっかく作ってもらったことだし、みんなで食べようか。」
雅は慣れた手つきで五等分し切り分ける。
「それでは、いただきます。」
雅達は芽キャベツケーキを食べた。因みに、感想は、
「健康的な味だね…」
であった。

芽キャベツケーキを食べ終え、一段落していると、
【SOUL RIDE-KAMEN RIDER AGITΩ-】
アギトの世界のソウルライドが発動される。
「雅君、助けてくれてありがとう。俺達の分も頑張れ。」
「凪風君、逃げたね。次あったら銃刀法違反の容疑で逮捕するからね。」
「とりあえず、済まなかった。」
「君、隠し事を一つしたか?俺の勘違いならいいのだが。」
雅は役目を終え、アギトの世界との繋がりは絶たれた。
「雅、隠し事って本当?」
「ああ、木野さんはあの戦いの後、戦闘前にアンノウンから受けた傷が致命傷となってその命を落とす。そして、形は違えど、それは実行された。」
「じゃあ…」
「今頃、木野さんはその命を終わらせているだろう。とにかく、僕の旅は幸せな事ばかりではない。こうやって、死なないといけない命を死なせるのも、僕の役目だ。さて、次の世界は、仮面ライダークウガの世界。平成の最初の仮面ライダーの世界だ。」
絵巻には、黒い戦士と白い戦士が吹雪の中で燃えあがりながら殴り合う絵が書かれていた。

少し戻ってアギトの世界の話。
自身が住むマンションの部屋に戻った木野はソファにくつろぎ、
「浩二、コーヒーを淹れてくれ。」
共に住み、ギルスに自身のアギトの力を託した青年、真島浩二にコーヒーを淹れるように頼む。
「はいっ!」
真島は元気よく返事をしてキッチンに向かう。
(思った通り、彼は嘘をついていたか。なるほど、俺の死に関して、あの場で言う訳にもいかないから、黙っていたわけか。その気持ち、今ならわかるな。)
木野は一人思っていると、
「木野さん、俺、医者を目指す事にしました!それで、木野さんみたいな立派な医者になります!」
真島が話しかけた。
「そうか。お前ならきっとなれる。」
木野はそう言い、目を閉じる。
「本当ですか!ありがとうございます!」
真島は喜びながらコーヒーを持って来る。そして、
「木野さん、コーヒーできました。…木野さん?…ッ!」
既に木野は、その命を終えいた。しかし、その顔は何故か晴れやかであった。それもそのはず。彼は、最後に死に別れた弟と一緒に雪山を登り切る夢を見ていたのだから…
to be continued


次回、仮面ライダーディロード
復活した0号を相手に戦う雅と雄介。そして、目覚めるはずの無い力。次回『雷神』目覚めよ、その魂! 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーファイズ:ファイズを召喚するカード。
仮面ライダーゼロノス:ゼロノスを召喚するカード。
仮面ライダーアギト(ワールドホープ):アギトの世界のワールドホープ。翔一達がアギトの力を取り戻す。 
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