仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
第1章誕生!最強ライダー編
27話『雷神』
これまでの、仮面ライダーディロードは─
闇の青年によって奪われたアギトの力を、雅達は協力して取り戻すことに成功した。
古手神社宝物庫
-am8:00-
「もう、10の世界を救ったのか…」
「ううん、私の世界と圭一達の世界を含めると12だよ。」
「いや、圭一達の世界も、フェイトの世界もまだ救えていない。僕の旅はまだまだこれからだよ。」
雅とフェイトが話していると、
「今度の世界は、どんな世界なんですか?」
圭一が質問する。
「今いるこの仮面ライダークウガの世界は、平成ライダーの始まりの世界で、この世界はアギトの世界に繋がっている。」
「そう言えば、アギトの世界でそんなことを言っていましたね。」
「ああ。この世界の怪人、戦闘民族のグロンギは己にあるルールを敷いて、それに合わせて人を殺して楽しんでいる。」
「どうしてそんなことを!」
「グロンギにとっては命を奪うのはゲームでしかない。故に、言葉が通じても話しは通じない。そして、グロンギの殺人ゲームはグロンギの位が上がれば上がるほどより残虐性を増してきた。それでも、クウガは人々の笑顔を護る為に戦い続けて、ついにグロンギの王、ダグバを倒した…はずだった。」
「…もしかして!?」
雅の説明でフェイトは勘づく。
「ああ。世界の歪みはここ。ダグバが復活した。ダグバの霊石にはクウガの霊石と同等以上の回復能力があり、ダグバはそれで復活した。僕の役目は、クウガと一緒にダグバを完全に倒すことだ。こうしてはいられない。もしかしたらこうしている間にもダグバによる被害が出ているかもしれない。行って来る。」
「待って!私も行く!」
雅が出ようとすると、フェイトは共に出ようとするが、
「フェイト、ダグバは危険な相手だ。僕だって、かつてダグバとの戦いで何度も命を落としている。」
「なら、尚更!」
「そういうわけにもいかない。ダグバの力は桁違いだ。それに、フェイトを失うわけにもいかない。今、なのはの世界はフェイトが支えている。そのフェイトが消えれば、手遅れとなる。だから、耐えてくれ。それよりも、ダグバの手から逃れたグロンギが来てもいいように、圭一達を見守っていてくれ。」
「…わかった。行ってらっしゃい。」
「行って来る。」
雅は説得し、フェイトは納得した。
喫茶店ポレポレ
-am8:25-
雅はクウガに変身する五代雄介の活動拠点である喫茶店に行き、雄介がいないか探そうとする。
「いらっしゃいませ。オリエンタルな、味と香りのポレポレにようこそ。」
雅が入ると、店主が挨拶をし、雅はスーツ姿の男性の隣に座る。すると、
「もしかして、君が凪風雅か?」
男性は雅に質問する。
「どこでそのことを?」
雅は質問で返す。
「鳴滝という男が言っていた。これから未確認の王、0号が復活する。それに合わせて0号を倒す為に私と同様に異なる次元から戦士がやってくる。共に戦ってくれ。と。」
「鳴滝が!?はい、僕が凪風雅です。一条薫さん。」
「俺を知っているなら話は早い。五代ともここで落ち合う話になっている。直に来るはずだ。」
一条は説明する。
「なんだい、刑事さんの知り合いかい?」
「ええ、今起きている未確認の事件の捜査協力者です。」
店主、飾玉三郎の質問に一条は答える。すると、
「一条さん、0号が復活したって本当ですかっ!」
雄介が慌てるように入ってくる。
「おう、雄介。おかえり。」
店主は雄介に挨拶する。
「ただいま!それで、一条さん、その子は?」
「彼が、今回の協力者の─」
「凪風雅です、よろしくお願いします。4号、いいえ、クウガ。」
雅は手を出す。
「一条さん、本当に大丈夫なんですか?」
雄介は小声で一条に質問する。
「ああ、彼に任せても大丈夫だろう。五代の居場所で真っ先にここに来ないでわかば保育園を経由してここに来たらしいからな。」
一条も雄介に小声で答える。
「それじゃあ、大丈夫ですね。雅君、これ。」
雄介は雅と握手を交わし、『2012の技を持つ男』と書かれた名刺を雅に渡す。
「五代、凪風、急ぐぞ。0号が動きを見せた。」
「わかりました。急ごう。」
「はい。」
一条の言葉で雄介と雅も動き、ダグバの出現地点に向かう。
警視庁前
-am9:05-
雅達が着くと、既に何十という警官が被害にあっていた。
「ようやく来てくれた。ボクを楽しませてよ。」
表情は見えないが、ダグバは嬉しそうに雄介に話す。
「雅君、行こう。変身!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに、雄介は黒の金のクウガ、アメイジングマイティに変身する。
「今回は二人が相手か。なかなか楽しめそうだ!」
ダグバは無邪気な声で手を翳す。
「やばい!」
ディロードはダグバの視界に入らない位置へ回避すると、ディロードが動いていた場所がプラズマ発火を起こす。
「これでは迂闊に近づけない!」
【ATTACK RIDE-BLAST-】
ディロードは車の影に隠れてロードスラスターにブラストのアタックライドをスキャンし、
「これなら!」
追尾弾をダグバに放つが、
「そこにいたんだ!」
ダグバはクウガの攻撃を軽々と受け止めながら射撃の後で隙が出来たディロードをプラズマ発火させる。
「グアァァァッ!」
ディロードは車の影から出てもがき苦しむ。
「じゃあ、いくよ!」
ダグバは右手に暗黒のエネルギーを集めてディロードに向かって走り、そのままディロードを何発も殴る。防御の堅いディロードといえど、ダグバのパンチに何発も耐えられるわけもなく、その場で変身が解除されてしまう。
「雅君!」
クウガは雅がダグバの攻撃を受けないようにダグバに攻撃しようとするが、プラズマ発火によって、止められてしまい、
「もっと本気を出して、ボクを楽しませてよ。」
ダグバはクウガの脚を掴み、地面に叩き付けて変身を解除させる。
「五代さん、ここは一旦隠れて、対策を考えましょう。」
【-BLAST-】
雅はロードスラスターからガス弾を放ち、一条のいる所へ逃げる。
「一条さん、0号かなり強くなっています。俺も雅君も、なんとかここに着くのがやっとでした。」
「そうか。凪風、何か打開策はあるのか?」
「はい。五代さん、一条さん、これを受け取って下さい。」
雅は白紙のカードを渡す。
「これは?」
雄介は質問する。
「それは、この世界の希望を紡ぐ為の鍵です。それに、願いを込めて下さい。後は、世界が帳尻を合わせます。」
雅は説明する。
「一条さん、やりましょう。」
「ああ。」
雄介と一条は白紙のカードに願いを込める。
「今だ!集え、世界の願い!」
雅は自身が持つ白紙のカードを掲げ、願いを集約させ、クウガの世界のワールドホープを完成させる。そして、そのタイミングでダグバがやってくる。
「ようやく見つけたよ。さあ、ゲームの続きをしよう。」
「ダグバ、もうゲームは終わりだ!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER
KUGA-】
雅はクウガの世界のワールドホープを発動する。すると、辺りは黒雲に覆われ、雄介は雷に打たれる。
「五代!」
一条は叫ぶ。
「一条さん、大丈夫です。雅君、ありがとう。超、変身!」
雄介はクウガに変身する。しかし、そのクウガの姿は雄介では絶対に成り得ない姿、ライジングアルティメットであった。
「面白い。最高に面白いよ!」
ダグバは嬉しそうに走って行く。そして、クウガを殴り飛ばそうとするが、クウガはその拳を受け止める。
「そうでなくちゃ、楽しみ甲斐が無いよ!」
ダグバは殴られながら言う。
「俺はちっとも楽しく無い!」
クウガは殴る。
「なんで、命を奪って!」
更に殴る。
「みんなの笑顔を奪って!」
殴り続ける。
「それで楽しいんだ!自分が同じ目にあっても、同じことが言えるの?!」
そして、フィニッシュと言わんばかりに殴り飛ばす。
「ボク達は楽しいさ。それがボク達と、君達リントとの差さ!埋められるわけも無い!」
ダグバは再びクウガを殴ろうとするが、クウガによって再び抑えこまれ、殴り飛ばされ、間合いが出来る。
「俺は終わらせる!こんな悲しいだけのことは」
クウガは右脚にエネルギーを溜めて走り、跳び上がり、必殺技のライジングアルティメットキックをダグバに放つ。ダグバはその攻撃を受け止めきれず、直撃を受けて蹴り飛ばされる。
「やっぱり、君とは最高のゲームが出来る。ボクは満足だ!」
ダグバはそう言って爆散し、撃破される。クウガは雅達の方を振り向き、親指を上に立てる。
「一条さん、雅君。俺、やりました!」
雄介は変身を解除する。すると、海東が現れ、ダグバの霊石を拾い上げる。
「グロンギの王が使っていた霊石。このお宝は僕が頂く。」
「待て!」
雅は呼び止めるが、
「待たない。」
海東は次元のオーロラを通って去ってしまう。
「今の男は?」
一条は雅に質問する。
「彼は海東大樹という男で、様々な世界の秘宝を狙うトレジャーハンター。言わば世界クラスの泥棒です。」
「詳しいな。」
「僕も追っていますから。では、僕はそろそろこの世界から出ていかないと。」
「あの男を追う為か?」
「それだけではありません。世界が安定した中で僕が居れば、僕自身が歪みとなります。そうなる前に、僕は去らせていただきます。それに、僕の救いを求めている世界は沢山ありますから。」
雅は礼をして去って行く。
「ついにオリジナルの世界にまでディケイドの影響が…これは私もなり振りかまっていられないな。」
鳴滝は、物陰から雅達を観て、雅がクウガの世界から去るのを確認すると、ディケイドライバーを見ながら次元のオーロラを通っていった。
古手神社宝物庫
-am10:37-
【SOUL RIDE-KAMEN RIDER KUGA-】
クウガの世界から戻り、雅は座ると即座にソウルライドが発動される。
「五代をサポートしてくれてありがとう。」
「一条さん素っ気無すぎですよ。そうそう、この前アフリカのある地域に行った時にパンツを旗みたいにしている旅の人と出会って、話が弾んだんだよ。それじゃ、雅君も旅、頑張ってね。」
ソウルライドが終わると、雅はフェイト達を前に姿勢を正して話し始める。
「みんな、次が僕達が回る平成最後の仮面ライダー、フォーゼの世界だ。気を抜かずに頑張ろう。」
絵巻には、月面に設置された基地が描かれていた。
つ づ く
次回、仮面ライダーディロード
天の川学園に転校した雅。友情を最優先に思う弦太朗に雅は試練を出す。そして、ディロードの新たな力が覚醒する。次回『究・極・集・結』
後書き
新カード紹介
仮面ライダークウガ(ワールドホープ):クウガの世界のワールドホープ。クウガが一時的にライジングアルティメットに変身する。
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