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ドリトル先生と春の花達

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第四幕その十

「評価もしてもらっているし」
「じゃあ余計にいいね」
「そうだよね」
「先生の好きなことが認めれるなら」
「それだけでね」
「そのことも凄く幸せだから」
 だからだというのです。
「満足もしてるしね」
「だからそれ以上は求めない」
「そう言うんだ」
「無欲だっていうのね」
「つまりは」
「そうだよ、こんな幸せはことはないよ」
 心から言う先生でした。
「だからおうね」
「これ以上はなんだ」
「もう求めないんだ」
「そうなんだね」
「うん、皆が何言ってるかはわからないけれど」
 日笠さんのことについてはです、本当に先生は何一つとして気付いてはいません。皆にとって残念なことに。
「日曜は予定が出来たね」
「うん、それはね」
「その通りよ」
「日曜は海よ」
「朝からね」
「そうだね、あとね」
 ここでこうも言った先生でした。
「一つ気になることは」
「気になること?」
「っていうと?」
「うん、学校の小鳥達だけれど」
 そこに住む彼等がというのです。
「春になったのにね」
「それでもっていうんだ」
「春になったのに」
「それでもって」
「うん、天気もよくなって暖かくもなるのにね」
 それでもというのです。
「今一つ浮かない感じかな」
「あれっ、そう?」
「僕達は別にそう思わないけれど」
「そんな感じなの」
「そうなの?」
「うん、何かね」
 先生が思うところというのです。
「そんな感じがするよ」
「そうなの」
「僕達は特に思わないけれど」
「今一つ浮かない?」
「そんな感じなの」
「僕の気のせいかな」
 そこが気になるというのです。
「そうも思ったんだ」
「ううん、じゃあ聞いてみる?」
「小鳥さん達に直接」
「そうしてみる?」
「そうだね、今日はこれから論文を書いて」
 そしてというのです。
「五時半位にお家に帰るから」
「もうその頃には小鳥さん達寝てるし」
「だからだね」
「お話するのは明日だね」
「その時になるわね」
「うん、だから明日聞いてみるよ」
 こう言うのでした、そしてです。
 先生は論文を書いてそのうえでお家に帰りました、そうしてトミーに晩御飯の後で学校でのことをお話しますと。
 トミーは先生にです、微妙なお顔で言いました。 
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