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ドリトル先生と春の花達

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第四幕その九

「多分相当速いよ」
「論文書かない先生もいるしね」
「学者さんのお仕事では物凄く大事なのに」
「そうした人もいるのに」
「先生は違うわね」
「うん、とにかく書いているよ」
 様々な学問のそれをというのです。
「常にね、しかもこのことはね」
「来日してからだね」
「それまで書く機会なんて滅多になかったから」
「論文を書くこと自体が」
「もう本当に」
「イギリスにいた時は」
 その時のことを思い出しますと。
「本当にね」
「論文書く機会もなくて」
「病院なんて患者さん来なくて」
「サーカスや郵便局はやったけれど」
「アフリカや月に行ってね」
「けれど学者さんとしては」
「何もしていないも一緒だったわ」
「それが全く変わったよ」
 来日して本当にというのです。
「こうして様々なジャンルの論文を書いているからね」
「それもいつもね」
「書いて書いてね」
「次から次に」
「そう思うと本当に変わったね」
「先生も」
「そうなったよ、それでじゃあ」
 あらためて言った先生でした。
「今からね」
「書くんだね、論文」
「数学のそれを」
「それで書き終わったらだね」
「また次を書くんだね」
「そうするけれど」
 それでもというのです。
「まずはこの論文だよ」
「ううん、学問についてはね」
「先生に言うことはないよ」
「というかこと学問については」
「先生以上の人はそうそういないんじゃ」
「いやいや、僕はただ好きでしているだけで」
 学問をという先生でした。
「別に何でもないよ」
「天才とかじゃなくて」
「ごく普通っていうんだ」
「凡人だっていうんだね」
「先生は」
「そう、僕はただ好きでしているだけで」
 学問、それをというのです。
「特にね」
「別になんだね」
「天才でも何でもない」
「先生はそうなんだね」
「普通の人だっていうんだ」
「僕は本当にね」
 それこそというのです。
「特に才能がなくて」
「好きなことをしているだけ」
「それで学問が好きだからだね」
「本を読んで論文を書いている」
「そうなのね」
「そうだよ、僕はね」
 それこそとです、また言った先生でした。
「ただそれだけだから」
「ううん、そうなんだ」
「というか好きでやって凝ってるとね」
「それだけでいいんじゃない?」
「お医者さんとしても今はお仕事があるし」
「大学の教授だしね」
「うん、しかも論文お認めてもらって」
 そうしてというのです。 
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