| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ヴァンガードG ネクステージジェネレーション Re:start

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

Turn:18 俺に出来ること

 
前書き
努力を続けながらも結果が振るわないタツマ
U-20本番も近づき不安ばかりが募る
そんな中偶然カードキャピタルでクロノに出会った
悩むタツマに対してクロノはファイトを挑む 

 
賑やかだった壮行会の翌日
一人俯きながらカードキャピタルへの道を行くタツマの姿があった
U-20を目指しミライやミツキと共に努力を続けてきた
だが、二人との差が広がるばかり
先日の予選大会でそれを痛感した

Turn:18 俺に出来ること

いつも通りカードキャピタル二号店の扉をくぐるタツマ
すると店内ではシンとクロノが話すだけで他の客の姿はなかった
「あ?なんであんた………」
「よぉ、俺は仕事だ、予選大会の報告書貰いにな」
そう言って大きめの封筒、件の報告書が入っているのだろう、を見せるクロノ
「(あいつらいつもだったら先来てんのに………ん?)」
がら空きのファイトスペースを前に心中でぼやくタツマだったがふと昨日の帰り際を思い出す
「そういや、ミツキのやつは今日撮影あるとか言ってたっけか」
「ミライは今日は朝からハイメに連れてかれてたぞ、メッセ行ってないか?」
クロノの言葉にタツマは携帯を取り出し確認してみると
確かに来ていたらしくその場で項垂れた
ため息を零しつつファイトテーブルに手を置くタツマ
その様子を見てクロノは気になったのか声をかける
「ちょうどいい時間だし、下で飯でも食いながら話さないか?」

お好み焼きの種を混ぜるクロノを訝しげな眼で見るタツマ
「たまには店で食べるのもいいと思ってさ、今日は弁当持ってこなかったんだよなぁ」
そう言ってタネを鉄板に敷いて形を整えていくクロノ
「つか、なんであんたと………あんたクロニクルハーツのコーチじゃんか」
「ん?でもやっぱ、娘のチームメイトが悩んでるのはほっとけなくてな」
目を見開き驚くタツマ
「気づいてたんっすね」
「ま、俺もいろいろあったからさ、面倒ごとにも結構巻き込まれたりしたし」
そう言ってお好み焼きをひっくり返すクロノ
「そう言うの全部乗り越えて、んで、気づくんだ、こういう何気ない日常っていうのが、実は一番幸せだってこと」
そう言って焼けてきたお好み焼きをヘラで切っていく
「それから、仲間の大切さ、俺がそうだったように、支えてくれる仲間がいるっていうのは結構大きいんだぜ」
そう言ってクロノはタツマの方を見るが明後日の方向を見つめ聞いているのかどうかさえ怪しい状態だった
「重症だなこりゃ、しょうがないか」

ハイメに連れられた児童施設でファイトするミライ
「ジジのブースト、クロノジェット・ドラゴンでアタック」
「うーっ」
ミライの攻撃宣言に対戦相手の男の子が頭を抱えていると彼女の携帯に着信が
「ちょっとごめんなさい………お父さん?」

カードキャピタル2号店のファイトスペースでタツマとファイトするクロノ
「メーザーギア・ドラゴンでニーズにアタック」
「グリム・リーパーでガード」
「ガンナーギア・ドラコキッドのブースト、ヴァンガードのメーザーギア・ドラゴンでアタック」
「ノーガード」
「ドライブチェック」
【スチームメイデン アルリム】トリガーなし
「ダメージチェック」
【デススプレイ・ドラゴン】トリガーなし
「竜刻魔導士 リア・ファルにライド、ヴァンガードにアタック」
「ノーガードだ」
「ドライブチェック」
【アビサル・オウル】トリガーなし
「ダメージチェック」
【変革を呼ぶギアイーグル】トリガーなし
まだ序盤とはいえ淡々と進むだけの地味な展開
ファイトしているタツマ自身にも覇気がなかった
「スモークギア・ドラゴンにライド、クロックフェンサー・ドラゴンをコール、メーザーギアのブーストでアタック」
「グリム・リーパーでガード」
展開もどこか前のターンと似たり寄ったり
「ガンナーギアのブースト、スモークギアでアタック、ドライブチェック」
【クロックフェンサー・ドラゴン】トリガーなし
「ダメージチェック」
【デスフェザー・イーグル】クリティカルトリガー
「勝てないからって逃げるのか?」
カードをドローしようとしたタツマだったがクロノのその言葉が胸に突き刺さった
「俺は逃げてなんか………」
「いーや、逃げてるのと一緒だ、負けるのにビビッて前だけじゃなく周りも見えなくなってる、そんなんでU-20で戦えると思ってるのか」
「ビビってなんか………」
ルアードにライドしたタツマは勢いよくスモークギア・ドラゴンに向かっていく
【黒翼のソードブレイカー】トリガーなし
【竜刻魔導士 モルフェッサ】トリガーなし
ルアードの腕から放たれた攻撃がスモークギア・ドラゴンを吹っ飛ばす
【スモークギア・ドラゴン】トリガーなし

カードキャピタル二号店の扉をくぐったミライはタツマとクロノがファイトしているのを見て目を丸くした
「どうして二人がファイトを………」

「ライド!スチームバトラー ク・バウ!スキル発動!クロックフェンサー・ドラゴンにアタック終了時タイムリープする効果を与える」
更にク・バウが剣を掲げるとその体を光が包む
「ストライドジェネレーション!時空竜 エポックメイカー・ドラゴン!」
二本の剣を携えたギアドラゴンがルアードを見据える
「コール!スチームメイデン メラム!ヴァンガードにアタック!」
コールされたメラムが自身の剣をボード代わりにルアードめがけて向かっていく
「ソードブレイカーでガード!」
ソードブレイカーが翼を広げメラムに向かっていく
メラムが体を反転させソードブレイカーの剣とメラムの剣が激突する
「メラムのスキルでデッキからスチームバトラー ウル・ワタルをスペリオルコール、ガンナーギアのブースト!エポックメイカー・ドラゴンでヴァンガードにアタック!」
エポックメイカー・ドラゴンの剣に稲妻が奔る
「双剣烈断!」
勢い良くルアードに向かっていくエポックメイカー
目の前で剣を振り上げた
「トリプルドライブ!」
【スチームワーカー エタナ】トリガーなし
【スチームスカラー カー・ランマ】クリティカルトリガー
【ラッキーポッド・ドラコキッド】ドロートリガー
「くっ」
エポックメイカー・ドラゴンの剣がルアードを切り裂く
更に振りぬかれた剣によって追撃が襲い掛かった
【デススプレイ・ドラゴン】トリガーなし
【黒翼のソードブレイカー】トリガーなし
「エポックメイカー・ドラゴンのスキル!ウル・ワタルをバインドしてスクエアワン・ドラゴンを山札からスペリオルコール!」
登場したスクエアワン・ドラゴンがその砲身を構える
「ウル・ワタルのスキルで自身を山札に戻して二枚ドロー、手札から一枚を山札に戻してシャッフル」

「お父さんはトリガーのパワーを前列と後列にそれぞれ一つずつ乗せている、その理由はおそらく………」
盤面を見守るミライはクロックフェンサー・ドラゴンに目を向けた
あのユニットには今ク・バウの与えたスキルがある

「クロックフェンサーでアタック!」
「アビサル・オウルでガード!」
クロックフェンサーに体当たりして攻撃を止めるアビサル・オウル
「ク・バウの与えたスキルでクロックフェンサーをタイムリープ!もう一枚スクエアワンをスペリオルコール」
エポックメイカーの左右に並び立つスクエアワン・ドラゴン
「左のスクエアワンでヴァンガードにアタック」
「(右のスクエアワンはメーザーギアのブースト込みでパワー合計24000………ここを止めるしかねえ)ガードだ!」
スクエアワンの攻撃を杖から放った攻撃で相殺するニーズ
あっという間にタツマの手札は3枚まで減らされてしまった
「右のスクエアワンにメーザーギアのブーストを付けてヴァンガードにアタック」
「ノーガード、ダメージチェック」
【アビサル・オウル】トリガーなし
「くそっ」
早くもダメージ5と追い詰められたタツマ
「ターン終了時、スクエアワン・ドラゴンのスキルでソウルチャージ、同じスキルをもう一度、そしてタイムリープとエポックメイカーそれぞれの効果で2体のスクエアワンを山札の下に、これで俺のターンは終了だ」
次はタツマのターン、だが彼は俯いたまま動かなかった
「あんたみてえな強え人には解んねえよ、俺の気持ちなんて」
俯いたままのタツマが告げた言葉にクロノは肩を落とした
「そう言うことか………俺だって最初から強かったわけじゃないんだぜ」
そう言ってテーブルの上のカードにやさしく触れるクロノ
「自分に何ができるのか、何をすべきなのか………いろいろ悩んで、何度も壁にぶつかった………」
クロノの眼には少年時代の記憶が
かつて相棒だったドラゴンのユニットと共にファイトしていた日々を思い出していた
幾度となく大きな壁にぶつかった、そんなとき、彼のそばには仲間がいた
「信じるんだ、仲間を………自分自身を」
「自分を………」
タツマの脳裏に浮かぶかつての記憶
ショップ大会で優勝したことを嬉しそうに報告する姉のタツミ
そんなタツミの背中がタツマにはどこまでも遠く感じた
両親からデッキを贈ってもらえた時、本当は嬉しかった
だが、タツミに追いつけるわけないと言い訳して、ずっとしまい込んでしまっていた
「今からでも………遅くないかな」
そう呟くと手札を持った手に力が入る
「喰らいつけ!求める世界を掴むまで!ストライドジェネレーション!」
天空を舞う竜 ルアードにストライドしたタツマの表情はこれまでになく生き生きしていた
「天空を舞う竜 ルアードの儀式!アビサル・オウルをスペリオルコール!パワー+4000!更にストライドスキル!ルートを退却してソードブレイカーとアビサル・オウルをスペリオルコール!そのアビサル・オウルをルートのスキルでパワー+5000!ソードブレイカーのソウルブラスト!1枚ドロー!ニーズとモルフェッサをコール!」
スキルを駆使して一気に展開するタツマ
更にパワーも十分すぎるほど
クロノのダメージはまだ3、手札も多いが決めきれる可能性はある
「ニーズのブースト!アビサル・オウルでアタック!」
天空を舞う竜の効果で呼ばれたアビサル・オウルが翼を広げク・バウに向かっていく
「ガード」
カー・ランマが画面のようなものを展開しアビサル・オウルの突進を受け止める
「天空を舞う竜 ルアードでアタック!」
飛び上がったルアードが腕を鳴らし攻撃を放つ
「トリプルドライブ!」
【竜刻魔導士 エスラス】トリガーなし
【グリム・リーパー】クリティカルトリガー
【覚醒を待つ竜 ルアード】トリガーなし
ルアードの放った攻撃がク・バウに襲い掛かる
更にそのまま下降したルアードがその勢いを利用してク・バウの頬を思いっきり殴りつけた
【スチームメイデン アルリム】トリガーなし
【アップストリーム・ドラゴン】トリガーなし
「モルフェッサでアタック!儀式!パワー+5000!」
モルフェッサの展開した魔法陣から竜を象ったエネルギーがク・バウに向かっていくが
「完全ガード!」
アルリムが展開した盾がその攻撃を受け止めた
「くそっ、凌がれたかっ」
悔しそうに指を鳴らすタツマ
だがその表情はどこか楽しそうだった
「今度はこっちの番だ!ストライドジェネレーション!」
どんなユニットが出てくるかと心を躍らせていたタツマ
次の瞬間目の前に巨大な機械人形のようなものが見えた気がして表情を引きつらせた
「え、えぇ~、ギアクロのユニットってこんなのもいんのかよ」
「烈火進撃の時空巨神!」

「そう言えば、タツマはギアコロッサスのユニット見るの初めてかもね、私のデッキには入ってないし、ミキも確か入れてるユニットってなかったかな」
タツマの反応を見て思い出すミライ
二人ともギアビーストやギアドラゴンのユニットを中心にしたデッキ
後は人型のギアロイドか小型のワーカロイドぐらいだろう
「あっ、でもミキは確かギアコロッサスのカードをデッキに………この間は使ってなかったっけ」

ルアードと比べてかなり大きなそれに呆気にとられるタツマ
「コール!スチームワーカー エタナ!クロックフェンサー・ドラゴン!クロックフェンサーのスキルでエタナをタイムリープ!ドレインバルブ・ドラゴンをスペリオルコール!」
重圧な体を持つギアドラゴンが煙を吹かしながら身構える
「もといたクロックフェンサーは退却、ドレインバルブ・ドラゴンのスキルでクロックフェンサー・ドラゴンと自身のパワーを+2000!更に手札以外から登場したことで自身のパワーを+2000!エタナのスキルでクロックフェンサーをパワー+5000!スチームバトラー マシュダをコール」
リアガードをフル展開し攻撃の態勢を整えるクロノ
「まずはクロックフェンサーでアタック!」
マシュダと合わせ合計パワー21000
クロックフェンサーが双剣を振り上げルアードに向かっていく
「ガード!インターセプト!」
「烈火進撃の時空巨神でアタック!そのスキルでマシュダとニーズを山札の下に!ニーズと同じグレード1のカードを手札からガードに使うことは出来ない!」
前のターンに手札にエスラスが入っていたのを見ていた
だからこそクロノは烈火進撃の時空巨神を使うことを選んだ
このスキルを活かすために
「ジェネレーションガード!暗黒竜 プロットメイカー・ドラゴン!更にデスフェザー・イーグルでガード!」
プロットメイカーとデスフェザー・イーグルが烈火進撃の放った砲撃を阻む
「(こっちの手札はあと完全ガードとルアードの2枚………手札がなくなってもルアードの儀式がある!)」
何をドローしようと次のターン攻撃するうえでは問題ない
「このファイトもらった!」
「ファイトは最後の瞬間までわからないぜ、トリプルドライブ」
【アップストリーム・ドラゴン】トリガーなし
【スクエアワン・ドラゴン】トリガーなし
【スチームバトラー ウル・ワタル】スタンドトリガー
「クロックフェンサーをスタンド、パワー+5000」
「なっ!スタンド………」
攻撃を防げるのはあと一回、それ以上タツマに防御の手はない
「クロックフェンサー・ドラゴンでアタック」
スタンドしたクロックフェンサーがルアードに斬りかかる
クロックフェンサーの剣で十字に切られその場で倒れるルアード
【竜刻魔導士 エスラス】

「負けちまったか」
頭を掻いてデッキをしまうタツマ
ここでようやくミライが見ていたことに気付いた
「つええな、お前の親父さん」
「うん………なんだかタツマ、いい表情になった」
ミライのその言葉に照れくさそうに頬を掻く
「その………うまいこと言えねえけど」
「信じてるわ、私も」
そう言ってミライはファイトテーブルに歩み寄ってデッキを取り出した
「ね、せっかくだから次は私とやりましょう、いつかのリベンジ」
「なに言ってんだ、そう簡単にリベンジされてたまるかってんだ」
「よく言うわ」
楽しそうに話す二人の様子を見守るクロノとシン
「なんだか懐かしいですね」
「ですね、あいつら見てると昔を思い出しますよ」
「ゲット、クリティカルトリガー」
「ゲッ!いきなりかよ………」
「ところでクロノ君、時間大丈夫なんですか?」
「ん?いけね!そろそろ戻らないと、それじゃあシンさん」
「仕事、頑張ってくださいね」
クロノが行ってしまったのを確認するとシンは真剣な表情でミライを見た 
 

 
後書き
次回予告
「すげえんだな、お前の親父さん」
「家では普通のお父さんだよ、ヴァンガードの事話したり、一緒に料理したり」
「は?親父さん料理するの?」
「お母さんがすることもあるけどお父さんの方が上手だから」

turn:19 迫る出陣

「私のお父さんも普通だよ、家族4人で仲良く」
「ミツキの場合は職業が普通じゃないけどね、大きな会社の社長さんじゃない」
「普通って何だろう………」 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧