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真田十勇士

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巻ノ九十八 果心居士その十三

「それを仙術で燃やせばな」
「より一層ですな」
「強くなる、前から炎は出していたが」
 槍にだ。
「しかし仙術を使えば」
「より、ですな」
「強くなる」
 実際にというのだ。
「これはかなり使える」
「そうですな、そしてそれがしですが」
 筧は火遁の術を出してだ、その直後に周りに激しい雨嵐を起こしてからそのうえで幸村に対して言った。
「こうしてです」
「火遁に水遁にじゃな」
「使っています」
 そうするというのだ。
「この様に」
「そうじゃな、御主は」
「こうして術を使い」
「そのうえでじゃな」
「戦います」
 そうするというのだ。
「時が来れば」
「それでは」
「うむ、さらに術を極めるか」
「そうします」
 筧は今度はだ、木ノ葉隠れの術を使った。只の術ではなく木の葉は無数の刃になっていて周りにあるものを切り刻んでいた。
「この様にして」
「その術を使えばな」
「これまで以上にですな」
「戦える」
 幸村は筧に確かな声で言った。
「よいことじゃ」
「それでは」
「うむ、そしてじゃが」
「果心居士殿が言われた二つ三つ同時に使うことも」
 木ノ葉隠れの術にだ、さらにだった。 
 先程の水遁の術に土遁の術も使う、三つの術を同時に使いつつ述べた。
「次第にですか」
「出来てきておるな」
「はい、しかし五行で相性の悪い術同士はです」
 そうしたものはというと。
「使えませぬ」
「うむ、水と火等はな」
 果心居士が話した。
「どうしてもじゃ」
「無理ですな」
「使えぬ」
「ですな、火と水の術を同時に使いますと」
 筧はその例えについて自分から話した、それを行ってはいないがだ。
「どちらも消してしまいますな」
「そうなってしまう」
「相性の悪い術同士は」
「どうしても使えぬ」
 そうだというのだ。
「そこもわかるとよい」
「はい、それもですな」
「強くなるうちの一つじゃ」 
 それになるというのだ。
「筧殿もわかっておられる様で有り難い」
「はい、五行の相克、相生ですな」
「それをわかって使うとな」
 二つ三つの術を同時にだ。 
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