白き竜の少年 リメイク前
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問い
写輪眼
三大瞳術に数えられる血継限界の一つ。忍術・体術・幻術を見破り、跳ね返す力を持つと言われる瞳術の中でも見切りに特化している。開眼する事が出来るのはうちはの家系のみだが、現在のうちは一族は4人しかいない。他に写輪眼を持つ者は移植したか、第三次忍界大戦時などの失踪者。その血縁者だと推測出来る
「何故・・・・何故、お前がその眼を持っている⁉︎」
ハルマが目を見開き、訊ねる。するとダイゴは高笑いをした後、話す
「貰ったのだ。戦利品としてな!そして俺はうちはとなった‼︎」
彼の言葉はうちは一族から目を奪い、うちは一族の名を騙ってきたという事を示している
「お前はうちはではない。それを証明してやるよ」
「面白い。やってみろ‼︎」
するとハルマは手を十字に交差する
「影分身の術」
煙を上げて一体の影分身が現れた。それを見てダイゴは見下したように話す
「分身一体出したところで何が出来る?写輪眼にかかれば分身と本体を見抜くなど造作も無い」
写輪眼に絶対の自信を持っている口振り。だが、ハルマは余裕がある様子を見せ、口が弧を描く
「ああ。知ってるさ。だが、分身は戦う為に出したんじゃない」
「俺は任務を遂行する。ただ、それだけだ」
「何?」
影分身が自身に背を向け、部屋を後にする。それに動揺したダイゴはハルマが素早く接近して拳を放つ寸前まで気付いていなかった
「オラァッ‼︎」
咄嵯に腕を交差してガードしたものの重い一撃に後ろへ後退し、倒れ込む
「ぐっぅぅ‼︎(しまった・・・・⁉︎)」
ダイゴは反撃しようと立ち上がるが、その時にはもう人が拘束された柱の前に立っていたハルマが印を結んでいた
「(水遁・霧隠れの術‼︎)」
部屋を霧が包み込む
「なっ・・・・⁉︎」
それによって視界が遮られ、ダイゴはハルマを見つける事が出来ない。それはハルマも同じ。しかし、彼自身は写輪眼を奪ったダイゴに思うところはあるが、倒す事に執着していない。目的の一つは夜桜の奪還。それは分身に行かせ、目的は達成出来るだろう。後はこの二人を助けて脱出するだけだ
「影分身の術」
再び影分身の術を使い、分身を二体出す。本体は老人を背負い、一体の分身はもう一人の男性を背負う
霧が晴れた頃にはハルマの姿は無かった
「くっ!」
ダイゴは悔しそうに顔を歪ませる。実際、その心中は穏やかではないだろう。年若い忍に押され、一本取られた事で、彼のプライドはボロボロだった
「次は必ず!」
リン第6班の四人と、オビト、マキトが船の大広間に集まっていた。アサヒの姿は見えないが、ハルマは然程驚きもしなかった
おずおずという具合にマキトが口を開く
「ハルマ殿。夜桜は?」
ハルマは首を横に振り、答える
「見つけたが、偽物だった」
後はオークションに出される筈だった方だが、あちらは災害のせいで、開催されてすらない。アサヒは夜桜が偽物だったと知ってから塞ぎ込んだまま。それに影響されてか、船の雰囲気は重くなっている
「そうですか・・・・」
「とりあえずは皆寝なさい。疲れを癒さないと」
リンの言葉で、皆が部屋に戻って行く。しかし、そんな中でハルマはアサヒの元へ向かう
「何用ですか?」
襖越しにハルマがアサヒに問い掛ける
「姫。貴女は明日もそうやって塞ぎ込むつもりで?」
「私の勝手ではありませんか!」
アサヒには諦めに近い感情があった。しかし、ハルマは彼女に問いを投げかけていく
「貴女は我々に任せきりにするのか?大切な者の形見というのに何故諦める?貴女が夜桜が戻る事を望むのなら、我々は命をかけてそれを実行する。しかし、貴女がそのままでいるのなら我々は命をかけはしない」
「態度に表せ。口先だけの者、覚悟無き者に人はついて来ない。人に、流れに任せるだけの者の為に命をかける価値はない」
ハルマは少しの間を置いた後に言葉を紡ぐ
「どうするかは貴女次第だ。だが、後悔しない選択をするのを期待している」
翌日。大広間に来たアサヒ。しかし、そこへマキトが慌てた様子で現れる
「姫!一大事でございます!」
その場に居合わせたハルマ達6班も、オビトも何かあったのだと察する
「何事ですか?」
しかし、マキトが齎した情報は皆にとって予想外の出来事であった
「夜桜が・・・・賊の手に渡ったとの情報が‼︎」
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