世界をめぐる、銀白の翼
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第四章 RE:BIRTH
赤銅 消滅
最期の方のBGMは「光」
キンハの主題歌ですね。
お勧めはニコニコで「光 -KINGDOM Orchestra Instrumental Version-」
赤銅を消し去ったところから脳内再生どーぞ!!
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すでに瓦解し始め、今にもその高度を落として言っているラピュタ。
もしこのままこれだけの巨大要塞が海に、もしくは陸地に落下すればその被害は計り知れない。
海ならば大津波。
陸地ならば大砂塵が舞う。
どちらにしたって、この星の環境に甚大な影響を及ぼしてしまうのだ。
それを防ぐためにも、いま二人はラピュタに向かっていっていた。
「どうするんで?」
「バラバラに崩しながら海に落とす。そうすれば、被害は最小限のはずだ」
「なるほど」
手順を放しながら、翼刀と蒔風がラピュタ上部の都市部だった場所に降り立つ。
内部に突っ込んでいった赤銅のエネルギー暴走はまだ続いているのか、今もこの巨大な要塞が地響きで揺れている。
「ほとほと呆れたエネルギーっすね・・・・」
「翼を斬る、という手段が無ければ勝てないくらいだからな。行くぞ」
そうして、瓦礫を吹き飛ばして内部深くに侵入していく二人。
ほどなくして、その後を追うようにして瓦礫が道を塞いでいった。
「あ」
「出るときはまた壁でもブチ破ればいいさ。細かく砕けてくれた方がありがたいし」
そうして、中を探索していく翼刀と蒔風。
至る方向から赤銅色の光がほのかに光って、その後に振動が聞こえてくるが気にしていない。
「ってか本当にいつまで爆発してんだ?」
「航行機能まで壊れてなきゃいいけど」
「まだ浮こうとはしているみたいだから、それはないと思うけどな」
長い廊下を進み、ダンジョンのように入り組んだ内部を進んでいく二人。
歩を進めるごとに、赤銅のものとは違う高エネルギーの反応が彼らの肌をピリピリと刺激している。
「こっちだな」
「っすね」
「にしてもお前、此処にいたなら覚えてない?近道とか」
「あー、お恥ずかしながら俺、あんとき錯乱してそんな暇なかったんで」
「マジかー」
まあ行き先はわかるから問題ないか。
そう話を切り、また新しい話題を持ち出して進む。
まるでその感じは学校の登下校時の何でもないような話をしてるかのようでもあった。
「お」
そうして、数分後。
目の前に重々しい扉をしたエレベーターが出てきた。
抉じ開けてみると下の方には炎が待っており、エレベーターの箱はそこでグシャグシャになっているのを確認できる。
「この下が燃え盛ってるみたいだな」
「でもこの下に制御装置がある・・・早くしないと使えなくなるんじゃ!?」
「ああ、じゃあ行きますかね」
「あ!!そんな、一人で行かないで!」
だが、蒔風はヒョイと飛び降りるとそのまま落下していってしまった。
バフゥオ!!と翼を広げて勢いを殺し、最下層についた瞬間直角に曲がって一気に外に出ていく。
『どうしたよ。早くおいで~』
「チクショウ死なばもろとも!!」
それを追って翼刀も飛び込んで落下していき、ヴァルクヴェインを真上に突き刺した。
そこからザラザラと刃が出現していって接合、刃でできた縄で勢いよく降りて行って、最下層の数メートル手前から壁を奔っていく。
そして蒔風が飛び込んだ穴を見つけると、壁を蹴って飛び込んで受け身を取った。
「ットゥ!!」
「お見事」
出口の脇に立って翼刀を称賛する蒔風は、獄炎の力で炎を切り分けて道を確保していた。
こんな状況にいきなり飛び込んだら、いくら翼刀でも肺が焼けると思ったのだろう。
説明もなしにいきなり行っちゃうあたりが蒔風だが。
炎の中を進んでいく二人は、用心深く剣を構えて進んでいく。
ここが一番焔が燃え盛ってる場所、ということはこの近くに赤銅が突っ込んだと考えてもいいだろう。
どうやらかなり広い部屋のようで、石版のようにいくつもの機械が均等に並べられている。
それらや壁に埋め込まれた機材は、今も炎に焼かれてだんだんとその機能を失って行っているところだ。
このままでは本当に機能といじれなくなる。
「せめてバラバラ加減と海上というのだけは打ち込まないとだしな」
「そんな精密操作できるのか?この状況」
「これだけの要塞だ。自爆装置の一つや二つ、なきゃおかしい・・・・ほら」
そうして話しているうちに、どうやら到着ししたようだ。
広いその部屋の一番奥。
そこにそれはあった。
壁にいくつかのレバーが取り付けられており、そこの壁は今にも壊れてしまいそうに火花を上げていた。
一見、どれがその装置かわからなくなるような光景だ。
だが、彼等にはどれがそのレバーか一目でわかった。
「これだよな?」
「そうだろうな」
そのレバーには、人の手が添えられていた。
今にも降ろそうとしたのか、レバーの上に手が乗せられている。
手と言っても、肉も何もない。
その手の主はとうに白骨化しており、その頭蓋骨は銃痕で砕けていた。
「阻止しようとしてここまで来てやられたんだろうな」
「彼も止めようとしたのか・・・・」
「さ、その遺志を汲んでやるべきだ」
そうして、翼刀の肩を叩いてレバーを降ろそうとする蒔風。
だが、その瞬間ラピュタが今までで一番大きく揺れた。
何処かで大爆発が起こったのだろう。
その振動に体勢が崩れる二人。
さらには周囲に瓦礫がガラガラと落ちてきて、周囲の機材をつぶした。
この部屋もじきに崩れる。
「マズイ!!」
「早く降ろそう!!で、脱出だ!!」
その大きな振動は収まる気配がなく、このままでは本当に部屋がつぶれてしまう危険があった。
それを感じて翼刀がレバーに飛びつくようにしてそれを降ろす。
ゴォゥン・・・・・!!という地獄の底から聞こえるような起動音が響き、ラピュタがさらに振動していく。
外から見れば、この瞬間ラピュタ全域に回路のような光が走り、端からガラガラと崩れて行って、海にボチャボチャとその欠片を落として言っているのを確認できた。
「ラピュタ崩れていく・・・・」
「俺たち、やったんだ!!!」
うぉオオオオオオオオオオオオオおおおお!!!
周囲を「EARTH」メンバーや時空管理局員の雄叫びがつつんでいく。
皆、そばの人の手を取り、ある者はハイタッチし、ある者はその戦果を讃えた。
瞬間
ドォン!!!!
森の中から爆音が聞こえ、何かの影が飛び出して来て地面を転がった。
皆それに驚愕して武器を構えるが、それが何かを確認してそれも収まる。
それは、破損して動かなくなったG4だった。
装甲を弾き飛ばしたクロックアップ状態のそれが、全身から火花を散らして破壊されている。
さらに森の中からウェポンメモリを挿入したのか、巨大要塞と化したG4が三つほどせり上がってきていた。
しかし、どんでもない爆音と一太刀、そして巨大な獣に飛びつかれて尽くが粉々に破壊された。
そしてそれが収まると、茂みがガサガサと揺れてその中から「奴」が出てきた。
「プハッ・・・・ん?なに?」
ビビっていたこちらの気も知らず、「奴」はケロリと聞いてくる。
その様子に何だか気を抜かれてしまうが、見た目が似ているとはいえ「奴」であることを思い出して少しの緊張が走る。
「あー、なんだ。俺にもうお前らをどうこうする気はないから安心してね?ね?」
その言葉にまだ警戒を解かない彼等だが、一応刃を向けることはやめる。
そして「奴」がラピュタを見上げ、目を細めた。
「さて、最期の後始末だ」
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「脱出する!!」
「おう!!っと!?」
ゴォン・・・バガゥッッ!!!!
ラピュタの本格的な崩壊が始まり、周囲の爆発がいよいよ本気じみてきた。
それを回避しながら壁から離れ、元来た道を戻ろうとする二人。
しかし
メキッ
「な」「に!?」
ドンッッ!!
「GYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
地面が膨れたかと思うと、そこから赤銅が姿を表してきた。
それが赤銅だとわかったのは、この要塞内に彼女以外がいるわけがないと思ったからだ。
だが、それを「彼女」と言っていいのかどうか。
もはやそれは赤銅の翼人などではなかった。
周囲を申し訳程度に赤銅の羽根が散り舞っているものの、その姿は化け物のそれだった。
腕は四本生えているし、頭部からの角は禍々しいのが六本もある。
口は耳元まで大きく避け、身体も濁った赤に染まりきっている。
眼球は真っ赤に染まり、髪も荒々しく猛っていた。
身体の大きさも肥大化しており、飛び出してきたのは上半身だけで下半身は埋まっているし、ボコンボコンと血脈の動きを表しているかのように皮膚は隆起を繰り返していた。
まさに、最後の最後まで「戦い、破壊するための兵器」
それが、この赤銅の翼。
「マジかよッ!!!」
「ここと一緒にふっとびやがれッッ!!!」
それに向かって、二人が剣を抜き放って突っ込んでいく。
その瞬間にもラピュタの様々な個所で大爆発が起きており、そして――――――――
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崩れていく、ラピュタ。
それを見ていると、その最下層部がことさら大きく爆発した。
ガラガラと崩れ落ちていく岩石。
その中に、さらに動く三つの影があった。
化け物と化した赤銅の翼に鉄翼刀が刃幕を撃ち放っていき、それが全身に突き刺さっていく。
それ自体は体液に溶かされたのかドロリと消えて、その穴からは緑となった血液がビュウビュウと噴き出した。
攻撃されたことに腹を立てたのか、痛いのか、それとも目の前の障害に向かっているだけなのか、赤銅が六本の腕を翼刀に伸ばした。
だが蒔風がその腕をすべてきり落とし、上半身と下半身を切り分けた。
切り落とされた腕と下半身はグズグズと崩れて行って、塵芥となって消滅する。
そして翼刀と蒔風が回転し、同時に剣を赤銅の首に突き刺した!!!
「GEEEEEEEEEEEEAAAAAAAAAAAAAAJJJJJAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
凄まじい雄たけび。
その声に顔をしかめる二人だが、腕に力を込めて剣を押し込んでいく。
「JAAAAAAAAAAA!!!!JYYYYAAAA!!!!J・・・・JAAaaaaa・・・・・・」
赤銅の声は次第に小さくなっていき、その体からも力が抜けていく。
終わりか。
そう思い、翼刀と蒔風が一瞬息を吐き
「ギィッッ!!!」
赤銅が口をバカリと開けた。
それにびっくりする二人だが、その光景にさらに驚いた。
口の中に、タイマーがある
そして腹が凄まじいエネルギーを発していき、それが臨界に達しようとする―――――!!!
00:20
「このエネルギー・・・まさか!!!」
00:17
「世界ごと吹っ飛ぶ気かよ!?」
00:14
世界を破壊してきた赤銅の翼。
その存在の最後をかけてまで、その方向性は破壊に向く。
00:09
そして口の中のタイマーが一気に減って行き
00:03――――――
「いただきます」
赤銅の背後に「奴」が現れ、その肩に手を当てた。
瞬間
キュごゥッ――――!!!
そんな音がして、赤銅が消えた。
その跡には黒い穴が残っており、蒔風の脇を「奴」が落下していっている。
「お、お前まさか・・・・」
「世界ごと切り取って食った。あんだけ弱ってたから、強行できたよ。これくらいは許してくれ」
両手を合わせてスマンという「奴」だが、あまりに急に終わったのでキョトンとしてしまう二人。
そして、黒い穴に視線が向く。
「あー・・・あんな食い方したから穴、開いちまったな。ま、あれくらいならすぐ戻るだろうけど」
「それはいいけど」
「だがこの影響で、どんな因果を引き込むかわかったもんじゃない。何が起こるかわからないから気を付けろよ?」
「奴」が忠告する。
だが、蒔風の口元はゆっくりと笑みに変わっていく。
「大丈夫さ、オレらがいれば」
「まあ、な」
「しょうがないって!!これくらい!!!」
そうしていると、その穴がギュッッ!!と一気に縮こまった。
そして、それが一気にはじけ
パァンッッ!!!
「あはははははははは!!!」
「おぉ・・・・」
「ひゃー」
虹色の光を吐き出して、それをキラキラと降らせていた。
その中を、蒔風たちは落下していく。
腕を広げながら笑う蒔風。
腕を組んで、口元で笑う「奴」
落ちていくことにワタワタと慌てる翼刀。
戦いは終わり、最期に贈り物を。
最高の笑い声が、空に響いていく。
三人が、海に向かって行く。
陸地には、彼らの仲間が出てきている。
皆腕を振って、三人を迎えに来ていていくれた。
翼刀は見る。
その集団に前に立つ、自分の名を叫ぶ大切な人。
その人のために、自分はこれからも強く生きよう。
「奴」は見る。
こんな素晴らしいものは、世界のどこにだってあるはずだと。
それを自分は、これから守って行こう。
蒔風は見る。
自分はこの光景のために、命を懸けられる。
最高の仲間と共に、これからも――――――
世界をめぐる、銀白の翼
第四章 RE:BIRTH
構想・執筆
武闘鬼人
オリジナルキャラクター原案
武闘鬼人
リュウガ 様(鉄翼刀)
ソーヤ 様(綺堂唯子)
二次創作原作
「Visual Art's KEY」より
Air
CLANNAD
リトルバスターズ!
Angel Beast!!
「平成仮面ライダーシリーズ」より
仮面ライダークウガ
仮面ライダーアギト
仮面ライダー龍騎
仮面ライダー555
仮面ライダー剣
仮面ライダー響鬼
仮面ライダーカブト
仮面ライダー電王
仮面ライダーキバ
仮面ライダーディケイド
仮面ライダーW
「FINAL FANTASYシリーズ」より
FINAL FANTASY Ⅶ
「恋姫無双シリーズ」より
恋姫無双~ドキッ☆乙女だらけの三国志演義~
真・恋姫無双~乙女繚乱☆三国志演義~
真・恋姫無双~萌将伝~
「魔法少女リリカルなのはシリーズ」より
魔法少女リリカルなのは
魔法少女リリカルなのはA's
魔法少女リリカルなのはStrikerS
サウンドステージ StrikerS X
「TYPE-MOON・Fateシリーズ」より
Fate/stay night
Fate/hollow ataraxia
うたわれるもの
涼宮ハルヒの憂鬱
らき☆すた
とある魔術の禁書目録
ひぐらしのなく頃に
真剣に私に恋しなさい!
バカとテストと召喚獣
11eyes
出演
(オリジナルキャラクターのみ)
蒔風舜
鉄翼刀
綺堂唯子
佳景山優
初原洋介
アリス
長岡ユキ
凩
「街」の住人たち
オルセアの住人達
赤色の翼人
レジェス
多那砂此乃道、ほか
赤銅の翼
「光」
「闇」
「虚無」
「奴」
マイカゼシュン
支えてくださった方々(英数、五十音順)
3 様
anoki 様
ATD-X 様
h.o 様
H@LYA 様
K・H 様
LAST ALLIANCE 様
MERAN 様
reimu 様
tyta 様
White Seal 様
アストラル 様
アラン 様
無花果 様
ウエイ 様
ヴェルディ 様
宇宙ひらめ 様
液体の蛇 様
エリック 様
桜龍 様
カイ・R・銃王 様
彼方からの翼 様
神威 焔 様
唐揚げ 様
カレーパン 様
神無月 様
キョン 様
久遠 様
クリア 様
グレイ 様
幻妖 様
コンバース 様
桜の木 様
紗夜華 様
シャドー・ナイトメア 様
準也 様
深蒼の覇者 様
朱雀 様
すっすん 様
ソーヤ 様
だいさむ 様
蛸壷の主 様
剣 流星 様
ティエト・コーティオン 様
とある旅人 様
ニャンコ隊長 様
ハイパーカイザー 様
灰狼 様
東雲葉月 様
バラランシャ 様
ヒダリキキ 様
ヒューイ 様
ファントムクロウ 様
ふかやん 様
ブレ 様
ポリンキー羽田 様
柾棟 様
ミケ猫 様
モナー 様
夜一 様
保名 様
夕 様
やたからす 様
理想を追い求めし者 様
リュウガ 様
流寸 様
ルシフェル 様
レイガン 様
レイフォン 様
レン 様
わや 様
RE:BIRTH―――
―――生まれ変わる
「なあ、そろそろ助けて?」
「なんで」
「疲れて空飛べない」
「あ、俺もっす。そもそも空中制御程度で飛ぶなんてとても無理」
「お前ラピュタに・・・・」
「あれは大ジャンプ」
「マジ?」
「てなわけで俺らは無理」
「わりぃ。残さないように消化処理しててそっちに力回せない」
「「えーーーー!!??」」
三人が海に落ちる。
海岸に、みんなが走って行った。
ある者は飛びつき
ある者は抱きしめ
ある者は拳を叩いた
これにて、この戦いは幕を閉じる。
では、また会う時まで!!!
to be continued
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