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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第四章 RE:BIRTH
  英雄の集結



「え・・・・・」


その男の背を見て、なのはがこぼした言葉はそれだった。

この背中を、見たことがある。


いつでも助けてくれる、頼もしい人。
私の憧れる人。大好きな人。

でも、あの人はまだ・・・・


「舜君・・・・?」


だが、同じだった。その背はそう言っていいほどに。
しかし、男は答えることなく赤銅に向かって歩を進める。



「なのは、唯子!!大丈夫か!!!」

そこに一刀とクラウドが駆け寄ってきて彼女たちに肩を貸す。
立ち上がったなのはが、一瞬だけ男の顔を見る。


「違・・・う?」


疑問に思うのは一瞬。

だが、それでも似ている顔だ。
何だろうか。雰囲気というか、目つきが違う。

蒔風のものから感じる印象は受け止める器であるに対して、この男から感じるのは鋭い刃であった。




「おい、あの武器まさか・・・・「奴」か!?」

一刀も気付く。
武器の形状からして、あれは「奴」だと。

しかし、蒔風に似ている理由がわからない。


「なんであんな姿なんだ・・・・なんで舜と同じような姿なんだ!?」


その疑問。
この場で答えられるのは、一人。


「そこまで戻ったというのか、「奴」は」

「? 知っているのか?」

クラウド・ストライフ
その男の口から、彼の正体が明かされる。


「「奴」・・・・幾度も世界をめぐり、俺たちと戦ってきたあの男の正体」

「誰?」

「知らなかったのか?」

「知らないよ」

疑問に疑問で返し、それに答えるなのは。


「・・・・そうか。まああいつが自分から言うわけもないか」

クラウドは、赤銅に歩む男の背に向かって語るように、答えを述べる。


「アイツの本名は「マイカゼシュン」」

「な」

「別の世界で、主人公になれなかった蒔風舜の可能性だ」









「よお、この世界で好きにしてくれたみたいだな」

「・・・・・・」

「相手させてもらうぜ」



「奴」が手に持つ魔導八天の一本を赤銅に向ける。
その瞬間、「闇」「光」「虚無」の三人が「奴」を取り囲み、これ以上進めせないよう立ちはだかった。



「お嬢ちゃんたちからか?」

「あなたはイレギュラーすぎるからね」

「しゅ、主人公でも主要でもないあなたを、あ、あの人の近くには、いかせません!!」

「・・・・排除」



「闇」から黒煙が吹き出し、「虚無」の腕には刺々しい槍柱、そして「光」が拳を構えて戦闘態勢を取った。

瞬間


「ハァッッ!!」「えいっ!!」「・・・!!」


三人が同時に「奴」に突撃した。

それに対し「奴」は魔導八天をスカートのように出現させる。
そして、回転。

円形に広がったそれは迫る三人を一気に弾き返し、一本を残して消す。
そしてその一本を取って「闇」に向かって切り掛かって行った。



「闇」はそれに反応し、黒煙を前進と拳に纏わせ、「奴」の攻撃に備える。



「それは、き、効きません!!」


「闇」が叫ぶ。
今までこの防御を、一本の剣が突破したことはない。

これを弾くには連続攻撃かそれにあたいするもの。
彼女は自信を持っていた。

集中させさえすればあの乖離剣すらも耐えるこれに、一本の剣で斬られるはずがないと。


だが

「知らん」

その一言にすべてが切り伏せられた。


「え・・・・」



見ると、「奴」は剣を振り降ろしきっていた。

衝撃が「闇」の身体を左肩から右脇腹へと走る。
それだけで彼女は痛感した。


「ごゥッ!?」

「ダァッ!!」


そして、「奴」の突き。
その一撃で、「闇」の全身から黒煙がはじけ飛んで、その身体は森の奥へと吹き飛ばされていった。


「なぁ!?」

「バカな・・・・」


驚愕する一同。
だが、その時間すらも許されない。


「こっちだ!!!」

「・・・!!!」


「奴」が剣を振るい、「虚無」へと襲い掛かって行った。

左右に揺らめかせ、まるで一本の剣が柳葉のように―――――


「是ァッ!!!」

「んンッッ!!!」


そして、乱舞。
「虚無」の投げ放ってくる槍を、演武とでもいえる真っ向からの剣筋で真っ二つに叩っ斬って前進していく。

間合いまで入られて、「虚無」が槍を横薙ぎに振った。
それを「奴」が剣を逆さにするようにして受け止め、頭上に回し、反対側に落としていなす。


「虚無」も胴体から槍を出現させ、懐に踏み込んできた「奴」を串刺しにしようと力を放つも


「・・・見切られ・・・!?」

「貰ったァッ!!」

ドンッッッ!!!


大気をハンマーでたたいたかのような、そんな表現しかできない音が鳴った。
「虚無」の胴体を「奴」の一閃が斬り裂き、火花が散って回転させる。

空中をバク宙のように回転して吹っ飛んだ「虚無」が立ち上がろうと地面を掴んで上体を起こす。
しかし


「ドリャァ!!」

「はぐッ!!!」

「奴」の足刀蹴りが胸のど真ん中に命中し、またすっ飛んで行って地面に倒れ伏した。


「これで斬れないとは・・・全く、頑丈な体してるね?」

「これ以上は!!」

「ゲッホ・・・さ、せません!!」

バガァッ!!




自分の剣を眺めながら言う「奴」に、背後からの一撃。
その声に反応して振り返るも、「闇」と「光」の拳を同時に受けて、「奴」の身体が十メートルほど後退した。


しかし、攻撃を加えた二人が悔しそうな、信じられないような顔をする。


「こいつ・・・自分から跳んで・・・・」


「いきなりだな。そっちのはまだダウンしてなかったか」



「闇」はあの最後の突きの瞬間、その一点に黒煙を集結させていたのだ。
ゆえに、直撃は防いだ。

しかし、それを差し引いてもこの男は


「化け物ですか・・・・・」

「おいおい勘弁してくれ。俺にそんな代名詞付けたらよ、俺に勝ち続けた主人公には新しい日本語考えないといけないじゃないか」

「な・・・」

「俺は脇役だぜ?こんな端役に・・・・・」


ギギャィッッ!!!


「手こずんなっての!!」



「奴」が左右の手に一本ずつ剣を握り、左右の二人を同時に相手にしていく。
時に片足を上げ回避し、時に剣を滑らせいなし、時に蹴りも降り混ぜて対処する。
手首の回転が、まるでバトンを回しているかのような光景だ。


そして、「奴」が回転しながらしゃがみ込むと、頭のあった場所を「闇」と「光」の拳が通過し、正面からぶつかって弾きあった。

その衝撃に体勢を崩す二人。
瞬間、しゃがんだ回転からそのままに、「奴」は「光」と「闇」の足を斬った。


火花が散って二人が転がる。
斬られていないようだが、どう見てもすぐには立ち上がれるような傷ではない。


「奴」が剣を降ろし、残心する。

が、足を押さえて転がっている二人の視線に気づくと剣を上に、受け止める形で構えた。



ドッンッッ!!!



「・・・・・莫迦な・・・・」

「世界は破壊させない。俺の中に「思い出」としか残っていない世界(記憶)。それを背負い続けるために、この世界は必要なんだ」

「其の方は端役・・・・何故にこの力を・・・・!?」

「この力を手に入れたからだよ!!!」


落ちるように剣を構えてきた赤銅を受け止め、後に弾く「奴」。

二人の間隔は、五メートルほど。
剣を持って戦うのなら、一歩でも踏み込めば相手の領域に入る間合いだ。


「蒔風は仲間を背負って戦う――――だから世界を護る」


「奴」が一本ずつ、魔導八天を出現させていく。


「鉄翼刀は愛する者を背負って戦う――――だから世界を護ろうと立ち上がる」


まるで見えない手に掴まれているかのように、魔導八天が「奴」の周囲に浮遊し、それが腰の前後に吸着されていった。

前に三本、後ろに三本。
残る二本は、この腕に。


「だったらオレは・・・・この世界のために、世界を背負ってやるよ!!!」


危険を察知して飛び上がる赤銅。

その彼女が立っていた位置に剣が二本すっ飛んで行き、地面を吹き飛ばす。
だがそれらは地面に突き刺さらずに、空の彼女を追って飛びあがって行った。

「奴」も上空の赤銅に向かって飛び上がり、そこで二本を掴んで鍔競り合う。



「ッ・・・!!!」

赤銅が、初めてを握った。
そうでなくては、この力は抑えきれない。


「この世界は、俺が守るべき最後のモンだ。どんな奴であろうとも、この世界に手を出す輩は、この俺がぶっ潰す!!!」


ギャギギギギギィッ―――――


「奴」が腰の剣に手を添え、円板を回すように撫でた。
瞬間、腰の魔導八天が竹トンボのように回転して、赤銅の剣を弾き飛ばす。


その剣にはエネルギーも込められているのか、回転と一緒に斬撃や弾丸が飛び出しており、離れようが近かろうがお構いなしに敵に襲い掛かっていく――――!!!



「ッ!!グお・・・・・」


それを剣で受け、弾き、次第に追いつかなくなっていく赤銅の翼。
Χブレードは宙を浮き、両腕両脚を駆使しての防衛だというのに、この剣は止まることを知らない。


「逃がさん!!」


接近

「奴」が二本を首に向かって、左右から薙ぐのを両腕で受け止める赤銅。
が、「奴」はそれから手を放してすぐに別の剣を掴んだ。

それを振られる前に赤銅が足で「奴」の手首を抑え止める。


「!!」

「終いぞ・・・・」


それに驚愕し、赤銅を見るとその眼前にはがあった。
切っ先を顔に向けられ、その剣先にはエネルギーが込められており・・・・・


「ッアァッ――――ァ甘いヤァッ!!!!」


放たれたエネルギーを、首をひねって回避した。
首筋に焼けるような痛みが走るが、「奴」はそのまま体ごと回転してハイキック、そしてそこを踏み台にして背後に回った。
そこから赤銅を踏みつけるように蹴りつけ、大地に叩き落とす。


「ふゥっ―――――!!!」



地面に激突し、土煙を上げる赤銅。
「奴」は空中で両腕を腰に持ってきて、深く息を吐いていた。




その一連の戦闘光景に、他のメンバーは唖然とするばかりだった。

登場は確かに驚いた。
その参戦も驚いたが、理由を聞けば、一応の納得はいった。



だがその驚きなど、今の光景に比べれば大したことはない。
まさか一人であの三人に打ち勝ち、さらには赤銅に決定的な一撃を放ってまでいるのだから・・・・!!!


「流石だな・・・・WORLD LINKがなければ、蒔風に圧勝していただろう男・・・・・」

「か、勝てる・・・・・?」


唯子の小さな一言。
それが聞こえたのか、「奴」が自嘲気味に笑った。


「勝てるかって?バカ言うな。相手はまだ本気を出していない」

「え・・・・」



「翼人ってのはな、力が強すぎて自分の身体を崩壊させちまうもんなんだ。それを防ぐために、反動やエネルギーの排気口みたいのがある。それが翼だ」

「じゃ、じゃあ・・・・・」

「赤銅の翼は、開ききっていなかった。エネルギーの噴出も、その光も見えない。この意味が解るか?」



突如、土煙が鈍い赤色に光った。
そして、大きな翼の羽撃たきで一気に打ち払われていく。


赤銅、開翼。




その翼はまるで地獄のマグマでもあるかのように紅く、そして鈍い。
「怒り」を司るに相応しい、まさにそんな色。

きっとこの色の絵の具を作り、キャンパスに塗りたくるだけで「怒り」のタイトルを付けられる。
それほどまでに体現した色。


それがこれまでにないほど大きく開かれ、輝いて「奴」を照りだしていた。


「ほーら見ろ。流石、追い詰めてから逆転されることに関しては定評のある俺だぜ」



言った瞬間、赤銅の姿が消えた。

まるで瞬間移動。
「奴」の眼前に「出現した」と言ってもいい速さで移動した赤銅が、手にΧブレードを握って下から振りあげて行った。


それには「奴」も反応していた。
魔導八天の三本を束ね、両腕で握ってそれを受け止めようとする。

しかし、その目論みは見事に外れ


ギィン!!


弾かれ、「奴」の手を離れる魔導八天(三本組)
それが地面に落ちるよりも早く、赤銅の腕は「奴」の首を掴んでいた。


だが「奴」もさるもの
首を掴むその腕を逆に捻りあげ、首から離す。

そしてその腕を引き付け、脚では蹴る。
セルフのカウンターだが、赤銅の腹はそれを受け止めた。


「なに!?」


反動で、逆に「奴」の手から赤銅の腕が抜ける。
そして足を掴まれ、振り回されたのちに地面に投げ止されてしまった。



「グぉッ!!!」

ドゴン!!と「奴」が地面に落ち、受け身を取るも、地面に足を突く。
その脇には弾かれていた魔導八天が突き刺さっており、それを支えに立ち上がる。



「チッ・・・・こっちは病み上がりなのに、いきなりなんて相手だよ・・・・」

ゴォンッッ!!



ぼやいていると、赤銅がを構えて突っ込んできた。
それを今度は魔導八天をすべて組み上げて受け止める。


「端役なれど、其の方ならば吾に至れるやもしれんというに・・・・」

「あ?お前に至るだ?そんなのは俺の仕事じゃない」

「なに?」

「俺は倒すと言っただけ。もしお前に至る者がいるとしたら、この世界にはもっと適役がいる。二人くらい」

「・・・・誰だ」

「さぁな。まあとりあえず・・・・・来たぜ」




ビャォッッ!!!!

「ッ!?」

「おっトォ!!」

ズガガガガガガガガガッッ!!!!



鍔競り合う二人。
ちょうどその隙間を狙ったように、無数の刃が真上から飛来してきた。


二人は互いを弾くように剣を押し出し、その場から後退、それを回避する。



そして、「奴」の目の前に青年が着地した。


「あんただったんだな」

「よう」


青年――――鉄翼刀が神剣を手に戦場に降り立つ。
声から自分を導いた男を推察し、手を差し伸べる。


「手、いるかい?」

「立ち上がるには及ばんさ」


そして、二人が剣を構える。
赤銅はその翼刀を見て、さらにその目を見開いた。


「其の方が一人目・・・・?己が心の軋轢に耐えられず、逃げる其の方が?」

「そうだ。逃げた。だが、俺はそれを乗り越えた!!!」

そして、剣を握る反対の手で唯子を指した。


「俺はあいつを護る!!あいつがいるこの世界を守る!!俺に残された、たった一つの宝物だ!!!」


そして、赤銅も唯子を見る。
真っ赤になりながらも「何よ」とジト目で返す唯子だが、それを見て赤銅の口端が上がった。


「理解・・・ではもう一人はどの方か」

「知りたいか」

「・・・・・・・・」

「そうだな・・・・・・・振り向いてみたらどうだ?」

「む・・・・・!?」



「奴」の言葉に、赤銅が振り返る。
その瞬間、天空から銀白の光が舞い降りて、赤銅の胸を縦一文字に切り裂いていった。


「ぐぉぁ!?」


光が収まり、そこに人の影が現れる。
赤銅の反撃に、身を返して回避して「奴」と翼刀の間に立つ。


「やっと来たか」

「あんたは・・・・・確か・・・・」



「皆、待たせてすまない」

「待ァたせすぎだ。出番奪っちまうとこだったぞ」

「その時は任せるさ」

「けっ」



舞い降りた銀白。
時間が戻る。


全てが集結する。






「奴」と蒔風が剣を抜き、その一本を手に取る。

そして前に一歩踏み出しながら、その切っ先をそろえて赤銅に向けて言い放った。



「さて」

「役者もそろった」






「「世界最強(オレ)を相手に、勝てると思うなよ!!」」




強大な敵。だが、それがなんだというのだ。
二人の男は、不敵に笑う。


世界最強、揃い踏み。


そこに、翼刀も剣を重ねる。



「行けるか?」

「いまさら聞くな」

「俺は大丈夫!」



上空に舞い上がり、三人を見下ろす赤銅。
それを見上げ、剣を構える三人。


ラピュタを見上げると、明らかにその移動速度が落ちた。
施設破壊の影響がようやく出てきたようだ。


更には、まだ圧倒的な数とはいえ模造兵士の出も減ってきており、状況がこちらに傾いてきている。




「行くぞ!!」


ドンッ!!!!


蒔風の掛け声と共に、三人が飛び出した。

蒔風が脇に飛び、「奴」は真っ向から赤銅に向かって行く。
翼刀はその「奴」を覆うように刃での弾幕を張って、自身は赤銅の真上へと飛びあがって行った。


「ぬゥン!!」

ギャゴォッ!!


「奴」の振り下ろした魔導八天が、宙に浮くとぶつかり合って火花を生み出した。
が、その火花が散りきるよりも早く、翼刀の弾幕ならぬ刃幕が雨のように振ってきた。


「ハッ!」


バク転の要領で下がる「奴」はそれを回避し、赤銅が雨に飲みこまれた。

しかし、彼女の力も全力だ。
雨はすべて大地に突き刺さって行き、赤銅の真上のものはそこでビタリと止まっていた。

ギリギリと震え、突貫しようとする刃はじきに動きを止め、そこで砕けて消え去っていく。


キラキラと光りながら散っていくその鉄片。
その中に交って、蒔風が赤銅の背後に立っていた。

「!?」

「シっ!!!」

ギャン!!という金属音が鳴り、赤銅の剣と蒔風の剣が交差する。
そして、赤銅が蒔風を相手にしようとすると

ビュォッッ!!


「ッッ!!!?」


背後から「奴」が接近して、赤銅の腕に止められた。
ギリギリと「奴」の力を受け止め、もう一方の腕では蒔風の連撃を受け続けている。


その戦闘光景はあまりにも次元が違過ぎて呆気にとられてしまうものだが、周囲のメンバーも動きを止めてなどいられない。





「そ、総員!赤銅はあの三人に任せたったらええ、うちらは他の模造兵士をやるで!!」

「了解!!」

『はやて!!』

指示を出すはやてに、蒔風の念話が飛ぶ。
その声にいろいろと返したい言葉はあるが、今は後だ。


『「光」とかの三人はまだ生きている!!お前達にはそっちの処理を頼む!!』

「ま、まだ生きとるんか!?」

『ああ・・・頼んだぜ!!』



それだけ言って、蒔風が念話を切る。
今の話を、皆が聞いていたようだ。

頷いて、足を踏み出す。


「行くで!!」

「うん。舜君から、託されたもんね!!」


彼女らも向う。
今こそ逆転の時だ。









「ラァッ!!」


翼刀の斬撃。
その一撃は一撃では終わらない。
いったん振り降ろされた剣を受け止めても、その後から無数の刃がのしかかってくるのだ。


だが、赤銅は後続の刃を一纏めにして握り潰すと、それをぶちまけて目晦ましにする。
それに翼刀と「奴」は離れるが、左後ろから蒔風が首を狙って剣を振るってきた。


それを受け止める赤銅。
そのぶつかり合う衝撃で、鉄片が吹き飛び翼刀と「奴」が向かってきた。


翼刀の剣を腕で受け止め、「奴」の剣を脛で受け止める。



「こいつ・・・身体の硬度も半端ねぇぞ!!」

「関係ない!!!」


それを見て驚く「奴」だが、翼刀はヴァルクヴェインの上部に手を当てて叫んだ。
刃そのものを押し付けるように剣を両手で触れる翼刀は、一瞬息を吸ってから

「破ッッ!!」

一気に吐き出した。
それによって放たれたのは、不動の斬撃。
受け止めていた赤銅の腕がブシュッ、と血を噴き出し、一瞬だけ力が抜ける。

それに合わせて「奴」が顎に蹴り上げをかまし、蒔風が後頭部からの蹴りをお見舞いした。


前後からの挟撃。
それにさすがの赤銅も脳が揺れ、翼刀の踵落しで大地に叩きつけられていった。


だが


「うお!?」

「なぁ!?」


その落下の際、翼刀と蒔風の腕と足を掴み、道連れにしていった。

共に地面に落下した三人。
着地と同時に取った受け身の挙動、その風圧で、土煙が一瞬で晴れて向き合う。


刹那、視線が交わり蒔風が「天」「地」を左右に構えて突っ込んでいった。
左からのΧブレードを受け止め、右拳で殴りつけていくが赤銅はそれを後退で回避。

蒔風は拳をそのまま突き出し、振り切り、さらに背中を上に向けるように拳を下に落とす。
その背中を転がるように「奴」が現れ、赤銅に向かって剣を振り下ろした。


それらの攻撃を受ける赤銅だが、彼女の防御はまだ終わらない。
剣を振り下ろした「奴」は蒔風の手を取って引き上げその体をブレイクダンスでもさせるかのように肩と背中の間で回転させた。

その連続蹴りを放ちきって着地した蒔風がしゃがみこみ、「奴」がその後ろに立つ。



このコンビネーション、赤銅がいいようにされているのには理由がある。
これには、一切の隙ができないのだ。

そもそも、複数人で戦うときはお互いの隙を埋めあって行くから強くなるものなので、単純に二人だから強さが二倍になるというものではない。
どんなに積み重ねても、「他人同士」ということが壁になり、少しの隙間は生まれるものだ。


だが、この二人に限っては違う。


もしも理想のコンビネーションを思い浮かべたのなら、拒絶しない限り二人は同じ形を連想する。
そして、自分が取る方さえ分かれば後は穴埋めで相方の動きもわかる。

手に取るように、どころのレベルではない。

それは単純なコンビネーションではなく、二人で行うシングルアクション――――――!!!





「邪魔だ」

「消えろ」


そしてのばされた腕から小さな獄炎弾と波動弾が連弾で飛び出していき、一本の砲撃のようにのように彼女の腹と胸に命中する。

「グッ、あ!!!」

その攻撃に大きく後退、上空に舞い上がって行く赤銅。
それを追って翼刀が飛び出していき、圧倒的な剣技で追い詰めていき、翼刀が赤銅の背後に回ると「奴」が魔導八天を大剣にして叩きつけていった。


「行くぜ翼刀!!」

「おう!!」


正面からの二人の猛攻。
それを防御できているからといえ、そこから反撃の一手に出れない赤銅。


「ここらで一発、頼むぞ蒔風!!」

「お見舞いするぜェッ!!!」


上空で戦う二人の隙間を縫うようにして、蒔風が地上から砲撃を打ちはなって行く。
二人の陰になる、死角からの攻撃はまさに的確。


しかも、「奴」の背後から撃つ時は刹那すらの無駄がない。
その攻撃に耐えきれずに、再び弾いて後退する赤銅だが


ズドドドドッッ!!!


飛びのいたところに、蒔風の投擲した風林火山の四本が命中して火花と共に赤銅を数メートル落とした。


「さて・・・・わかってるか?」

「あぁ・・・このままじゃ負けるな」

「え?」


上空にやって来た蒔風が剣を取り、まだ自分たちよりは上空にいる赤銅を見上げ、つぶやく。
それに驚く翼刀だが、「奴」の言葉が後を引き継ぐ。


「離れたところじゃ、まだあの三体は生きている」

「しかも、ラピュタからの模造兵士団はこの瞬間にも生み出されているんだ。この空域もいつか飲み込まれる」

「じゃあこのままだと赤銅も相手にできないってことなのか!?」

「あぁ・・・ま、だが」

「そうだな。そろそろあっちも重い腰を動かすだろうよ」

「?」




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「報告!「EARTH」局長が戦線に復帰しました!」

「やっとか・・・」

「その直前にも新戦力が二名、加入。赤銅の翼を押しとどめているようです!」

「うむ」



報告を聞いて、部屋から魔道士が飛び出していく。

時空管理局、作戦司令室。
そこにいるのはレジアス・ゲイズをはじめとした、彼の部下数名だ。


「敵戦力、なおも増加。「EARTH」別部隊が奮闘してますが、敵の増加率が135%!!」

「追い付けていない・・・飛行能力を有した群れに「EARTH」は対処しきれません!!」

「我々が出なければ!!」

「父さん!!」



その言葉に、レジアスは小さく頷く。
このタイミングを待っていたと。


そして、レジアスはその部屋からすぐに外に出た。

目の前には、自分が指揮するという部隊の魔道士が杖を手にして整列していた。


「諸君、聞いてくれ」


マイクに向かって、レジアスが言葉を告げる。
それは、反撃の狼煙。


「我々は組織だ。勝手な行動は一切許さん。それは組織の命も、個人の命も危険にさらすものだからだ。だから儂は、どんなに懇願されようとも諸君らの出撃を拒んだ」


その言葉に、オーリスも部下も、首肯する。
それはわかっている。
だから自分たちは準備してきた。


「だから、勝手な真似は許さん。これからの命令を、絶対に順守せよ」

《はい!》

「絶対に死ぬな。行くぞ。世界を護ってきた、我々の力を見せる時だ!!」


ザッッ!!と一糸乱れぬ直立の足音が鳴る。


「全戦力を赤銅の一味に向け「EARTH」を援護せよ!!」

『了解!!!』

バォウ!!



レジアスの一言に、その場に集まった魔道士の声が轟き、次の瞬間には全員が飛び出していった。


「さて、我々も動くぞ」

「はい」

部屋に戻り、レジアスが座る。
その目の前には盤上があり、敵戦力と味方戦力を映し出していた。


「では・・・・この儂が地上の英雄と言われたゆえん、お見せしよう」




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「まだまだッ!!!」

ババババンッッ!!!




観鈴や理樹などの翼人四人が、空の模造兵士たちを相手取っていた。

観鈴が大声を上げて衝撃波で模造兵士がバラバラと墜ちていくが、まるで数が減る様子はない。
いつしか押し込まれる。


「諦めるな!!相手も無限ではない!!明らかに出てくる数も減っている!!」

「でもまだこっちの許容量は越えてますよ!!」

「だからって、諦めちゃだめだよ!!」


空を観鈴の衝撃波が覆うように走って行き、扇状に模造兵士が墜ちていく。
だがやはりまたその分以上の軍勢が出てくるし、ほかの個体を壁にして耐えるのもいる。


「クラウドさんたちはあっちの三体で疲弊しちゃってるし・・・ここは私が・・・え?」


気張っていく観鈴。
そこに、通信気が光って新たな反応が迫っていることを伝えてきた。


「この反応・・・数は・・!!」


そうしていると、目の前の模造兵士が弾幕によって一斉掃射されていった。
明らかに「EARTH」のものではないし、一人が放ったものではない。


振り返ると、多くの魔道士たちがデバイスから魔法弾を放って敵を次々に落としていっていた。
そして、その大部隊は見事と言えるような編隊を組んで別れていく。


「これなら・・・・いける!!!」


そして、空の掃除に取り掛かる。
次々と編隊の形を組み上げ変えていくのはレジアスの指示。

これだけの大編隊を、たった一人の男の指先で、まるで盤上の駒のように的確に動いて行っていた。


「すごい!!」

「少数精鋭の「EARTH」とはまた違った戦い方だな」







別れたほかの部隊。
それらは三体の元へも向かって行っている。

「我々が援護します!!「EARTH」はその内に!!!」

「すまない!!」


「光」と戦っていたハクオロ、美琴、そしてサーヴァント勢の共にやってきた部隊に助けられ、その援護のもとに彼女を徐々に追い詰めていく。


「グっ、この・・・雑魚が調子に・・・!!!」

「力が強ければいいという物ではない!!!」



デバイスを構えて射撃し、さらには突っ込んでいく部隊員をすれ違いざまに手刀や拳で払っていく「光」。
バリアジャケットから火花が散って地面を転がる彼等だが、すぐに引っ込んで邪魔にならないようにする。


まさに、最高の援護だった。
そして、その隙間を縫ってアーチャー、ライダーと斬りかかって行ってその腕に切れ込みを入れる。

それだけしてから二人が身を翻して「光」の前から消えると、その後ろからタイミングを合わせてセイバーが剣を振り下ろして正面を斬り、さらに背後に回って斬り捨てた。


最初の部隊員の攻撃からの連続で、流石の「光」の肉体も疲弊してきていた。

火花と共に血飛沫が舞い、身体を仰け反る「光」。
だが、その仰け反りは


ドッ!!

「ガァッぐっっ!?」


心臓に突き刺さったゲイ・ボルグによって即座にくの字に曲げられた。

槍がランサーの手元に戻り、支えを失って胸を抑える「光」。
だが流石は赤銅の断片、ボダボダと血を溢しながらも倒れず、しかもまだ戦おうとするのか、おぼつかない足で前に進もうとする。


だが伸ばした手にエネルギーが溜まるよりも早く美琴の電撃が脳天を突き刺して全身を止めてしまった。


「がっ・・・こ、こまで・・・・か」


そして、最後にウィツァルネミテア化したハクオロの巨大火球が命中し、その火焔に焼かれ


「あははははは!!まっとう!ここまで彼らは来ましたよッ・・・ガブっ!!」

ドゴゥンッッッ!!


火炎の中で爆発し、消滅した。

「やったぞ!!」

「うむ!!」


元に戻り、扇をパンッと開いてハクオロが頷く。










同じく、「闇」
こちらが相手にしているのは仮面ライダー勢

やはり「光」と同じように援護になった魔導師たちに翻弄され、黒煙を全身に纏うしかないように仕向けられる。
一点に集中すれば乖離剣すら受け止めるそれも、全域に回せばかき消すことの不可能ではない。


「一斉掃射、てぇ!!!」

バシュンッッ!!!


周囲を取り囲んでからの魔法弾を黒煙で受け止め、さらにそれを噴出させて数人の首を絞める「闇」。
だが、「奴」との戦闘ダメージを引きずっているのか他の魔導師たちからの攻撃を受け、ほんの少しずつ黒煙がかき消されていっていた。



「行くぜ!!!」

「ッッ!!!」


そこに、ディケイドがカードを装填させた。
アタックライド・スラッシュの力を乗せたライドブッカーが叩きつけられ、それを回避すると地面にいくつもの斬撃の跡が刻みつけられた。


その隙にディケイドがさらにカードを発動させる。


【FINAL FORM RIDE―――ALL R R R RIDERS!!】


「お前ら!ちょっとくずぐったいぞ!!」

「!?」



その発動に一瞬気を取られ、次に「闇」が振り返った。
が、その瞬間にキバアローからのディエンドファングが飛来してきていた。
それを裏拳で弾き消す「闇」だが、その直後にはディエンドの構えたファイズブラスターからフォトンブラッドのポインターが放たれていた。


「ぎう、まず・・・・」

「行くぜ!!ユウスケ、一真、翔一、良太郎!!」

「おう!!」「ああ!」「了解ですよ!!」「うん!!」


「闇」は腕に黒煙を集中させ、ポインターに抱き着くかのようにして握り潰し始めた。
だが、彼等の攻撃も、彼女に到達する。


ポインターと向き合う「闇」の左からはクウガゴウラムに乗った電王が、右からはアギトトルネイダーに乗りブレイドブレードを手に取ったディケイドが迫ってきている。


「うあああああああああああああ!!!!」

バキィンッッ!!!


が、「闇」が力でポインターを破壊した。
しかしその直後、それがわかっていたかのようなタイミングでディエンドが引き金を引いてディエンドフォトンを放ち、紅い砲撃が身を焦がした。

その攻撃によって黒煙が最大限まで薄れ、直後に左からのディケイドアサルト、さらに右からはディケイドトルネード&エッジが命中し、黒煙を完全に弾き飛ばして地に伏せさせる。



「闇」は即座に黒煙を構築しようとするが、ヒビキアカネタカが変形して音撃鼓となり、仰向けにして地面に磔け動きを止めた。



「ォォおおおおお!!決めるぜ!!!」



そしてその音撃鼓目掛けて龍騎、カブト、ディケイド、そしてWのフォームライド・ジョーカージョーカーとサイクロンサイクロンが一斉にライダーキックを叩き込む!!



「ぃ、あああああああああああああ!!!!」

ドォッッオオオン!!!



キックの衝撃と、さらには打ち出された音撃の衝撃に内部と外部からダメージを食らい、それによって爆発して消滅する。


周囲から管理局員の雄叫びが聞こえ、ハイタッチなどを決めていくメンバー。
後は一人。
















「行くでぇ!!」


はやてが杖を差し向ける。
それを合図に、シグナムとヴィータが「虚無」に向かって切り掛かり、殴りかかっていく。


それを片手に持つ槍柱で受け止める「虚無」は、さらに背後からのフェイトの斬撃を振り返らずにもう片方の腕の槍柱で受け止めた。
前後から押し込まれて身動きが出来なくなる「虚無」だが、一瞬で回転してそれらを吹き飛ばしていく。

と、その瞬間に襲いくる弾幕。
局員からの援護射撃だが、それを無数の槍を地面に突き立てることで壁にして防ぐ「虚無」。

さらに背後からのはやてとフェイトの砲撃も、それによって防いだ。

己を囲う槍柱の壁。
その真上から、竜騎士の一閃が舞い降りる。



「紫電――――一閃!!!」

ヂォッ、バァッッ!!!



一瞬地面を電撃が走り、その槍柱の壁を吹き飛ばした。
そこに現れるのは、ストラーダを受け止めた「虚無」。

だが、その「虚無」の身体をアルケミックチェーンと局員のバインドが束縛し、身動きを止めた。


キャロの強力なチェーンに加え、局員八人が掛けたバインド。
「虚無」はそれにヒビを入れていくが、顔に一瞬焦りが生まれ――――――


「スバル!!!」

「はいッっ!!出力全開、行きます!!!」


斜め上を見上げると、そこからウィングロードが目の前まで伸びてきており、スバルがその上を、マッハキャリバーの車輪を最大限に吹かして掛け滑り降りて、その後ろを、唯子も走ってついて行く。

最初にスバル。
リボルバーナックルから魔力粒子が吹き出し荒れて、すべてを粉砕する究極の拳が放たれる!!

「IS発動、振動破砕!!ダぁぁああああああ!!!」

「ッッ!!!」

「振動拳!!!」

ダォンッッ!!!




それが「虚無」の胸に命中し、一瞬の静寂。



そして直後に、彼女らの足元以外の地面が円形に塵芥となって吹き飛んだ。
そこに

「行くよ!!」

ドォンッ!!


さらに唯子が突っ込んだ。

唯子は走りこんだ勢いを両腕に乗せ、スバルの肩に両手でぶち当てたのだ。
その衝撃はスバルの体を通り、「虚無」の体の内奥深くに突き刺さる!!

「グブッッ・・・バハッ・・・・」

「いまです!!」

「なのはさん、ティア!!!」



「行くよレイジングハート!!」

「決めるわよ、クロスミラージュ!!!」

《《スターライトブレイカー》》


その間に収束させられていた膨大な魔力粒子が最後の一片までかき集められ、星の名を冠する最強の集束魔法砲撃が二本、師弟の手により放たれる!!!





「ぐ・・・・・」

唯子とスバルが離れ、迫る桜とオレンジの砲撃。
それを見、「虚無」は終わりを悟った。


「虚無に・・・還るか・・・・」

そして



ギャォォオオオゥ!!!




「虚無」がその二つの光に飲まれ、身体が消えていく。
その跡には敵はなく、彼女たちも勝利を核心した。


「やった・・・・やったよ!!みんな!!・・・・舜君・・・!!!!」
















バチッ、バチィッ
ドドドドドンッッ!!!!

「う、ぐぉあウ!!!」

その瞬間、赤銅の身体から火花が花火のように散り吹き出し、大きく仰け反って胸を抑えた。



「やられた・・・か」

「いまだ翼刀ォ!!」

「おう!!!」


怯んだ赤銅に向け、翼刀が刃幕を放ってそれを赤銅が、視線を向けてで薙ぎ払う。
が、翼刀もそれに合わせて同時に接近し、その刃の内の一本を握って赤銅の肩に手を当てて頭上を回り込んだ。


「らァッ!!」

「おぅッ!!」


そして、その一本を赤銅に突き刺すとその背中を蹴り、離脱する。


「やった!!」

「グっ・・・俺があいつの力を抑えられるのは五分だけです!!そのうちに!!!」

「「そんだけありゃぁ十分だ!!」」


翼刀の突き刺した刃から抑制力が働き、赤銅の翼人力が抑え込まれる。
彼女も翼人。であるならば、こうして翼刀の力を受けることになる・・・!!


「しかもああすりゃオレは受けずに、相手だけだ!!」

「説明台詞乙!!さあ行くぜ!!!」


そして、脅威のコンビネーション。
だが、抑えられていても―――――――――



「グぉッ!」

「ちぃっ!!!」

ギャンッ、ギャンッ、ゴガガガガガガガッッ!!!



Χブレードの乱舞は、収まるどころかさらに激しくなっていっていた。
見ると、赤銅の翼の発光が半端ではない。

恐らくは今までも開翼していたが全力ではなかったのだ。
そして抑えられてしまった今だから、全力でそれを行使している。


「抑えないで全力出されてたら全滅だったな!!!」

「ああ・・・・それが狙いかもだしな」

「は?」

「気にすんな!!!このまま一気に行くぞ!!!」


二人の攻撃が、さらに激化する。

そして、「奴」が剣を一本投げた。
それは赤銅の首を狙ったものだが、簡単に回避されてしまう。


「おい!!明後日の方に行っちまったぞ!」

「大丈夫だ。お前ならわかんだろ?」

「・・・おいおいマジかお前・・・!!」



「奴」の言葉に蒔風が引き、そこに「奴」が入れ替わって行って剣を叩きつけた。
そしてさらに剣を叩きつけて赤銅を前後を入れ替わる。


「おオオオオオオ!!!ぜやっ!!」


さらに投擲。
「奴」はさらに剣を投げ、それも赤銅に回避されてしまった。



「あぁ!!剣が!!」

「大丈夫だ。多分」


翼刀がそれを見て「しまった」というような顔をするが、脇に来た蒔風が肩で息をしながら答えた。


「まさかとは思うが・・・その通りならあれでいいんだ」

「?なにが・・・・」

「来た」

蒔風の言葉に、翼刀も視線を戻す。




「奴」が赤銅の蹴りを剣で受け止め、剣を白羽取りで止める。
だが、赤銅は翼を「奴」ごと覆うように迫らせ、「奴」の背中を翼で突き刺そうと襲い迫った。

これだけの接近で、その攻撃は回避しようがない。
下に逃れようとも、そうすれば刃が脳味噌を真っ二つにするだろう。


しかし、彼に逃げる必要などなかった。


ドスッッ!!!という効果音。
そして、赤銅の身体がビクンと揺れた。




「な・・・」

「へっ」

赤銅の背中に、剣が突き刺さっている。
それは、さっき「奴」が最初に投げた剣だ。

一体どういうことなのかそうしていると、今度は真横から剣が飛来して赤銅の肩に突き刺さる。


「ゴファッッ・・・ぐゥッ・・・まさか」

「ハァッ!!」


「奴」は緩んだ剣を押し上げ、彼女の肩に刺さった剣を抜き、さらに背後に回ってそっちの剣も抜いてからX字に切り裂いた。
その攻撃に赤銅の飛沫が飛び、体勢を直す前に蒔風の突進を受けた。


そして雲の上まで一気に突きあげられ、そこから蒔風が反転、今度は翼を全力ではためかせて急降下キックを赤銅にぶち当てる。

「グォォおおおおおお!!!」

「行くぞ!!!」


今度は手に持つ十五天帝がバラけ、自分の周囲についてくるそれを次々に手にして蒔風が蹴りの体勢で赤銅を斬り攻めていく。


赤銅はガードしようとするも、最初の突き上げではあの高度に置去り状態で、素手で受けるしかすべがない。
が、も追いついたのか、赤銅の手に飛来してきて蒔風の攻撃を受けようとする。

しかし、その腕を手首から切り落とされてしまって剣が落ちる。
落ちてはいるが、蒔風たちの落下が早くて上昇していくように見えてしまう。



そして、「奴」の元へと落ちてくる。
彼がいるのは、翼刀よりもまたさらに高度な場所。

彼は真上の赤銅とその向こうの蒔風を見上げて身体を捻り、それを一気に戻して回転、八剣をばらまくように弾きだした。
やがてその高度に赤銅が落下してくると、その八剣が飛来してきて、八方向から赤銅を切り刻んだ。


もうわかってると思うが、「奴」は投げ放った剣を、この星を一周させて飛来させているのだ。
少しの乱れもなく、そして途方もない力が可能にする奇襲戦法。

だが、彼に奇襲という感覚はない。

人によって、戦場は変わる。

空中、陸上、海上、海中


彼にとってはそれが星であるというだけのこと―――――!!!


「グぅああアアアアアアアアアア!!!!」

「ウォッ!?」

「ぬっ・・・!!!」


赤銅が手元にΧブレードを戻し、蒔風を打ち、下に回す。
そして剣をキャッチして組み上げた「奴」もろとも海に叩きつけようと、Χブレードで押し込んでいった。


「こいつッ・・・顔が・・・」

「ああ・・・本当に化けもんみたいだな」


その赤銅の顔は、さっきまでのものとは違っていた。

眼球は真っ赤になり、眼は失われている。
そこからは血涙を流したかのような紋様が浮き出ており、歯はすべて牙のように尖り、額にはおぞましい角まで生えてきていた。


「生物兵器・・・ッ!!!」

「そうか・・・こんなものまで埋め込まれてたんだな!!!」

それはもはや「赤銅の翼人」ではなく「赤銅の化け物」であった。
翼人の陰など、欠片もありはしなかった。


だが、その最後の証である赤銅の翼が、焼けるように輝きだす。
そのエネルギーはその体の血管を浮き上がらせ、次第に破裂させていっていた。

「抑制しててこれかよ!!!!」

「三人がかりでもやべえとかなんだよ。翼刀がいなきゃ死んでたな!!」

「きゃー!!死ぬとか怖いこと言うの禁止!!!」

「あーわかったわかった!やるぞ!!」



蒔風と「奴」が剣を同時に振りおろし、赤銅の身体を大地に叩き落とす。

その後に続いて三人も着地し、蒔風が手を振り上げていく。



「行くぞみんな!!!」




号令。




それと同時に、皆が動く。




「ガあぁぁあアアアアアアア!!!」



赤銅の火炎。

三人は展開してそれを回避し、代わりにそれを受けるものが現れる!!



「防護バリア、展開」

その炎が、古泉の前に立つ長門のバリアにかき消され、賢久の腕に飲みこまれるように収縮し、さらにその向こうから数名の剣士が飛び出してきた。


「援護するぜ!ローゲフィンガー!!」

「僕も及ばずながらっ!!」


ゴごォッ!
ドンッッッ!!!

「ガゥッ・・・・!?」



「いっけェ!!」


「小烏丸天国!!」

斬ッ!

「ライオットザンバー!」

ドンッ!

「青龍逆鱗陣!!」

ズォッ、ゴォンッッ!!

「電車斬り!!」

バガァッ!!



「行くぞ津上!!アギト!!」

「はい!」

《おうよ!!》


「火竜!」

「フレイム!!」


「一閃!」「セイバー!!」

ザゴシュッ!!


「グォオッア!!?」




「王の判決を言い渡す!!」

ダークキバの紋章が赤銅を縛りつけ




「「風足!」」

《CLOCK UP》

《stert up》

《トライアル!!》


「ハッ!」「おリャァ!」「フンッ」「セイッ!」「ダリャ!!」

ゴッ、ガガガガゴガッッ!!!

「グぉッ・・・!?」





「下がれ、太牙!!」《FINAL VENT》

「ハァああああ!!」《ライトニングスマッシュ》

「喰らえ」《FINAL ATTACK RIDE―――DE DE DE DECADE!》

ド ド ドンッッ!!!



ザッ!!


《バレット―ペッカー―ファイア》「バーニングショット!!」

「《トリガーエクスプロージョン!!》」

「行くよ」《Final Attack Ride―――DI DI DI DIEND!》

ゴゥッ!!バツィッッ!!




「グぅ、がぁッッ!!!」

バシィンッ!!



「弾き飛ばしやがった!!」



「ぎゃァッ!!」

キィ・・・ドンッッ!!!




「砲撃だ!来るぞ!」


「だったら」

「俺らが!」


ザザッ!!

「退魔の霊能!!」

「その幻想をぶち殺す!!」

ゴッ、パゥン!!!



「!?」






「行くぞアイゼン!!」

「裕理さん、私も行きます!!」


「「タぁウオリャァああ!!!」」

ゴゴンッッ!!





《《Exceed Charge》》

《1,2,3――――Rider Kick!!》

《-Final Vent-》


「ゴルドスマッシュ!!」

バギィッン!!!

「ルシファーズハンマー!!」

ドゴゥッ!!

「ダァリャァッ!!ライダーキック!!」

ブォっ、バガッ!!

「飛翔斬!!!」

ヒィンッ、斬ッッ!!!






「追い付きました!!」

「アリスさん!!!」


「このくらいなら、動きも止められます!!」

ギキィ!!


合流してきたアリス。
その腕から発せられるオーロラのような白光が、赤銅の動きを止めにかかる。



「今です!!」



「必殺、俺の必殺技!」

「お前、僕に釣られてみる?」

「俺の強さはやっぱり泣けるで!」

「倒すけど、答えは聞かない!!」

《《《《full charge》》》》


斬ッ!バキィッ!ドゴンッ!バァンッッ!!




「肩を借ります!!」

「おう!!どーんと来い!!」


「「「「ハァッ!!!」」」」


「ゴぁあああああ!!ッッ!?」




「IS発動!振動脚!!」

ゴォンッッ!

「川神流姉キック!!」

バガッ!!

「ギルスヒールクロウ!!!!」

ギャリッ!!

「筋・肉・キック!ダァりゃぁっ!!」

バゴォウッッ!!



「ガッ、バッ!?ゲゴァアアアアアアアアアア!!!」

カァッ!!

「危ない!散れ!!」

ババババンっドォンッッ!!




「ここからは」

「僕たちでが!!」



「星雲妙進撃!!」

「ストラーダ!紫電一閃!!」

「レンゲルラウザー!!」

バキィ!ズドッ、斬ッ、ゴガッ!!!


「ゲイ――――ボルグ!!」

ズドンッッ!!



「うごブッ・・・・ギュルララララああアア嗚呼ああ!!!」

「心臓を貫いても動いてやがるだと!!」



「まだまだッ!!」



「音撃管!!疾風一閃!!」

「音撃斬!!雷電激震!!」

ギィ――――ドドドドンッ!!!



「鬼狩柳桜!!!」

「鬼神覚声―――音撃刃!!!」

ザンッッ!!
ズゴッ、ドンッッ!!!



「ファントムブレイザー!!」

「フリード、ブラストレイ!!」

「食らっとけ!!レールガン!!」

《-Final Vent-》「エンドオブワールド!!」

ドドドッッ!!
バガガガガガガッガッッ!!!!









「終わらないよ!!」


「エクセリオンバスター!」

「トライデントスマッシャー!」

「ラグナロク!」


「「「トリプルブレイカー!!!」」」


ズゴォッッ!!

バチチチチチチチチッッ―――――!!!!



「な、なんやて!?」

「剣で受け止めてる!?」




「撃ち続けて!!!後ろから行こう!ザンバットソード!」

キィン、ガシャ!!

「オレらも行くぞ!!」




「ファイナルザンバット斬!!」

「雷切!!!」

「フゥンァッ!!」

「カラミティタイタン!!」



「ギィ・・・ギャオォアアアアアアアアアア!!!」

バサッ、ドッッ!!!



「衝撃波!?」

「グァッ!!」


「アイオン!!」

「ウィツァルネミテア変化!!」


「ハクオロさん!」

「盾になる!いけェ!!」


「「「ダァリャァッッ!!!」」」

斬!!ドスゥッ!!バチザンッッ!!!



「ゴォァッッ!?」

ビキィ!!!



「Χブレードにヒビが!!」

「攻め込むぞ!!!」


「グゴ・・・・ギャバァッ!!」

バァンッ!!



「砲撃が弾かれた!!」

「かまうな!行くぞ!!」



「干将莫邪!!」

ヒュン、ズドッ!!

「■■■■■■■■■――――!!!!」

ドゴォウッッ!!


ビキキッッ!!



「ベルレフォーン!!」

バチィッ!!!



「今だ!エクス―――」

ゴォォッ!!


「グゥウオ!!」

バッ!!


「カリバァー!!!!」

ドッ!!!



「セイバーの剣を受け止め―――」

「いや、見ろ!!」


ビキキ・・・・ビキキキキキキッッッ!!!!



バァァンッッ!!!



「砕けた!!」


「よし行くぞ!!!!理樹!!一刀!!」

「撃ち出すよ!!!三人とも!!」

「「「おう!!」」」


「衝撃波!!」

ドドドンッッ!!



「薄緑硬剣!!」

ガガンッ!ザンッッ!!

「流星剣!!」

キィィイイ、ドシュッッ!!


「超究武人破斬!!」

ザザザザンッッ!!

オォ―――

「ハアァッッ!!」

ザゴンッッ!!!



「グ、が、おォォおおおおお!!!」

バチィン、バチッ、ドドンッ、バガゥッ!!





怒涛の連続攻撃に、赤銅の身体から次々に火花と小規模の爆発が起き、強靭だったはずの身体がぐらぐらと揺らぐ。

が、倒れることなくその場で踏ん張り、赤銅が咆哮を上げた。



そして、蒔風たちを見つけるとその方向へと身体を向け、腕に力を込めはじめた。
すると周囲に散ったΧブレードの破片が宙に浮き、一つ一つがエネルギー光弾となって蒔風たちに向かって飛来していった。



「ギェエええええええええええええ!!!」

「!!!行くぞォォッ!!」


ドォォォンッッッ!!!



―――――バサァッ!!!



「開―――翼!!!」

ドンッッ!!



だがその爆発は蒔風の翼によって阻まれ、それが背中に収まるとそこには、六人の戦士が並び立つ。


蒔風、「奴」、翼刀、唯子、凩、アリス


それはまさに、「この世界」の戦士たち!!!



「ヴァルクヴェイン!!刃幕!!」

ザラァァアアッ!!


ドドドドドドッッ!!

「ヌグォ!!」


「ハァッ!!束縛光!!」

ギチッ!

「グ!?」

「いまです!行きますよ二人とも!!」


ダンッ!!



「居合、縦一閃!!」

ザゴンッッ!!

「すれ違いパニッシャーチョップ!!」

ボゴォッッ!!

「セェイヤァ!!」

バシィンッ!!!


「ぐ、ぅお・・・・」



「「ゼァアッッ!!!」」

ザザザンッッ!!


凩、唯子、アリスの攻撃がすれ違いざまに終わり、この二人が切り掛かっていった。

蒔風と「奴」が、魔導八天と十五天帝をそれぞれ縦一本に組み上げ、それを鞭のようにふるっていく。
入れ替わるように切り結んでいく二人。

そして、それが終わると同時に腕を組み、そこを土台に翼刀が飛び上がり、赤銅に向かって大きく剣を振り下ろす!!



「世界破断!!槍薙巳!!!」

ザドンッッ!!!




「―――行くぞ天剣!!!十五天帝!!!」

「放て!!もう一振りの裏の天剣!!」


そして、二人は剣の力をマックスにまで跳ね上げる。


剣をすべて組み上げ、十五天帝と魔導八天を掴み走る。

地面を削るようしてに走る二人の動きは左右対称。



そしてそれを赤銅の顎に向かって跳ね上げ、その体を上空にまで跳ね上げる!!
その威力は一瞬にして雲の高さまで跳ね上げるもの。



「行くぞ!!」

「わかってるっつの!!!」



これだけの攻撃に、現界の底が見えない赤銅の力に戦慄しながらも、蒔風と「奴」はその後を追う。


打ち上げられた遥か上空で、赤銅の双眸がガッ!!と開かれ、その両腕が蒔風と「奴」の首を押さえて落下して行く。
背中を空気摩擦の熱が焼いていくが、正直気にしていられない。


そして、その翼が最大限に開くと感じたその瞬間


「翼刀ォ!!」「今だァッッ!!!」

パキンッッ!!!


赤銅の肩に刺さっていた刃が砕け、抑制が解かれる。
直後、抑制のなくなった翼が更に開翼し、これ以上ないというのに開こうとする。


「ギィぁアアアアアアアアアアアアアア!!!」


赤銅はもはや人のものではない、獣のような叫びをあげてその反動に悲鳴を上げた。

前にも述べたが、翼人の翼は反動や余剰エネルギーを吐き出すものだ。
その輝きが強ければ強いほど出力が上がったことを表し、相手の力の大きさを知れる。

それが限界を超えたとき、どうなるか――――!!!




落下する三人の横から、翼刀が一気に突貫するような勢いでヴァルクヴェインを思い切り振り上げて突っ込んでくる。

背中に剣が触れるところまで振り上げたそれからは、ため込んだ力を表すように刃が噴き出していた。
それはばらけることなく一つの塊となり、彼の突貫の指針を定めるために左右に分かれていて――――


まるでそれは、刃でできた翼のようでもあった。



「行くぞォおオオオオオオ!!!!」



そしてその刃を、落下する赤銅を真横から斬っていく為に振り下ろす。
一太刀では到底斬れぬその翼を、この剣の刃なら可能にする。

大切な「一つ」を取戻し、彼の「翼」は「刃」と化す

大きく開かれた、その刃の名は――――!!!


「翼(よく)――――刃(じん)!!!!!」


斬ッッ!!!!




太陽光に照らされ、煌いた刃は落下する赤銅と十字に交差するようにして振るわれた。

そして、ずるりと


「ギィああああああああああああああああああああああ!!!」


真っ赤に猛る赤銅の翼を、その背中から切り落としたのだ。

直後、ただえさえ抑制を急に解かれて暴走状態だった赤銅が、さらにその翼そのものを切り落とされてそこからエネルギーが噴き出して行った。
その吹き荒れるエネルギーに赤銅は鶴鶴と回転し、さらには錐揉みに、ランダムに回転を始めて吹っ飛んでいく。


「うわっ!!!」

「えウアッ!?」


その吹き荒れるエネルギーの波に叩きつけられて、蒔風と「奴」が地面に向かって一気に落とされていく。





「二人とも!!」

「「翼刀!?」」


赤銅を斬った翼刀が地面に先回りし、二人の落下地点に立つ。
そして、その二人を


「フンンンンンンンン!!!!!」


受け止めた。


「うぉ!!」

「おぅ!!」

「だらっシャぁアアアアアアアああああああ!!!」


そしてその衝撃を脚から不動の要領で流し、地面を大きく陥没させて耐え凌いだ。



「ッ・・・はッ・・・だ、大丈夫っすか!?」

「おーらい」

「大丈夫だ」


翼刀の肩を借りて立つ二人が、赤銅の行方を聞く。



「あのままラピュタに突っ込んでいったけど」

「・・・・死んだと思うか?」

「翼をあの状態で斬られて、あのエネルギーだ。まず死んでないとおかしいがな・・・」


だがそう言いきれないのがあの赤銅だ。
それに、ラピュタもどうにかしないといけない。


「行くか」

「俺も行きます!!」

「じゃあ俺はこっちの相手をする」


ラピュタに向かおうとする二人とは反対方向を見、「奴」がにやりと笑う。
そこには森が広がっており、その中からはいくつもの銀の装甲が見えた。


「多分、海に落ちた模造野郎だろう」

「八体くらいG4混ざってんぞ。大丈夫か」

「無問題」


そのやり取りで、蒔風と「奴」がそれぞれの目標点を見る。


「さて、こうしてお前さんと二人は久しぶりになるかな?翼刀」

「オレの方は迷惑かけました!!すんません!!!」


グッ、と両拳を引き締める翼刀がこの場で謝る。
そして蒔風と共に、ラピュタへと飛び立っていき、それと同時に「奴」もG4部隊に突撃していった。






to be continued





★☆★☆★






後書き







 
 

 
後書き

今回のイメージBGMは「劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー」より「最終バトル」です。

アリス
「ディケイド、ディエンド、クウガ VS V3、スーパー1、BLACKのシーンのですね」

そう!
そして、最期には壮大に行かせてもらいます!





赤銅暴走体のイメージは「なのはA's」の「闇の書の闇」の上部にあるあれです。
なんかピッタリな気がする。


今回書きたかったこと
・「奴」と蒔風のダブル(シングル)アクション
・「奴」の地球一周投擲攻め
・上昇から落下の攻撃
・翼刀のキメ技「翼刃」
・暴走して抑えられないでラピュタに突っ込む赤銅


描いてないですが、援護に来た局員の指示系統はレジアスさん一人でやってます。
たぶん動いても問題の無いように裏工作していたんでしょうね。
で、蒔風たちが来たから今が好機だと動き出した。

イメージは完全に「ガメラ2」です。
「火力をレギオンの頭部に集中しガメラを援護せよ!」
あんなにかっこいい自衛隊の映画はない。怪獣映画だけど。


空の模造兵士には相手の数が多いのでクラウドたちに行ってもらいました。
でも四人中三人は疲弊、観鈴だって治癒とかしていたはずですからまったく疲れていないわけではない。

援護最高。
これで空は壊滅させたと思ってください。

地上のほうはこれから「奴」がぶっちめれくれます。

ちなみに赤銅がラピュタに突っ込んでエネルギーが吹き荒れたせいか、その瞬間に模造兵士の排出も止まりました。



ライダー勢の猛攻は「ぼくのかんがえたディケイド」みたいな感じです。
変形してないのもいるけど、劇場版でもあのカードでフォームライドしないのいたから大丈夫だよね!!
それにしてもヒビキさんは大丈夫だろうか。結果的に五人のライダーキックを食らってるけど



そして、赤銅暴走

赤銅
「全力出そうとしたらいきなりストッパー外れて行き過ぎたでござる。さらに翼も斬られて吹き飛んだでござる」

数話前の理樹の防衛回で、翼のことを書いたのはそういうことだったんだよ!!

アリス
「な、なんだってーーー!!!」


蒔風
「だが抑えられてもあの力はやばかった」

「奴」
「無尽蔵っていうのはああいうのを言うんだろうな。どう手を付けていいのかわからない」

翼刀
「まあでも、何とかあの暴走で倒したんだよな?相手の力が強いほど暴走はひどいんだから、死ななきゃおかしいでしょう」

アリス
「それは死なないフラグだって作者も言ってたじゃないですか」




そしてみんなで怒涛の連続攻撃ジャー!

蒔風
「イメージは完全にゴーカイジャーの最終戦だな」

矢継ぎ早にみんながどんどん攻撃していく!

勢いで組み合わせたのも有るし、考えてみると「こういう組み合わせか!」というのも
探してみると面白いかも?


そして最後に「めぐ銀」オリジナルメンバー

うまく繋げられたか不安ですが、ちょっと書きたかったんだ
誰が誰だかわかるようにしたので、少し台詞に変なところがあるかも?


ではまた次回 
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