| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

提督はBarにいる。

作者:ごません
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

世界の米料理・パエリア編(2)

「はいよ、『チキンパエリア』お待ちどうさん」

 それに合わせる為に酒を注いでやる。パエリアはスペイン料理だからな、スペインといえばワイン。今回はスペインを代表するワインベースの果実酒、サングリアを準備した。

 サングリアってのはワインにフルーツを漬け込んで甘くしたスペイン・アンダルシア地方の名物だ。渋くて酸っぱい赤ワインも、果実の甘味で飲みやすくなる為にワインが苦手な奴だとか、アルコールに弱い人にもオススメだ。どっかのロリコン戦艦にもこれを飲ませてやれば良かったか、と思ったりもしたが……まぁいいか。

《柑橘で爽やかに!レモンとオレンジのサングリア》

・赤ワイン:1本(750ml)

・グラニュー糖:大さじ3

・オレンジ:1個

・レモン:1個

・ブランデー(又はコアントロー):100ml

※あるならデキャンタ(レストランなんかでワインが入ってくるピッチャーみたいなやつ)で作ると注ぎやすいし、保管しやすいぞ。


 さて、作っていこう。ボウル(又はデキャンタ)にワインを注ぎ、グラニュー糖を加えてよく溶かしておく。ここにブランデー等の洋酒を加えると味わいと香りが段違いに良くなるので、あるなら加えた方が美味いぞ。

 レモン、オレンジ等の柑橘類はしっかりと皮を洗う。特にも外国産は防腐剤や農薬が皮に付いている可能性が高いのでしっかりとな。しっかりと洗ったら薄皮(白い部分)が残らないように皮を剥く。あぁ、皮も香り付けの為にワインに漬けるから、捨てないようにな。

 後は皮を剥いて適当な大きさにカットした果肉と皮を、ワインに漬けて半日ほど冷蔵庫で寝かせれば完成。丸一日以上寝かせた方が味も円やかになるからオススメだぞ。それと果肉が気になるなら、漏斗などで濾して保存するといいだろう。濾したフルーツはそのまま食べたり、煮詰めてジャムにしたりと無駄にはならんしな。



「ん~!このサフラン?の香りが独特ですね!」

「おこげもパリッとしてて美味しい!このお酒と合う~っ!」

 うんうん、好評だな。しかし、久し振りに作ると案外手間のかかる料理だなぁパエリア。もう少し手軽に出来ないもんか……。





「ねぇねぇ提督、もう少し手軽に作れないかなぁ?パエリア」

 そう言い出したのは盛ってやったチキンパエリアを既に平らげたしおいだった。成る程、同じような事を考えてたワケだ。

「潜水部隊の皆に作ってあげたいしね」

「あ!それなら私も秋月姉と初月に作ってあげたい!」

「そうか?ならフライパン1つで出来るやり方を教えてやろう」

 しかもレシピはパエージャ・デ・マリスコス……一般的にイメージの強いシーフードパエリアでいこうか。




《アサリの出汁を効かせたフライパンパエリア!》※分量4人前、25cmのフライパン使用


・米:2カップ(400cc)

・砂抜きアサリ(殻付き):250g

・白ワイン:大さじ2

・やりいか:2杯

・玉ねぎ:1/2個(100g位)

・エリンギ:1パック(100g位)

・トマト:1個(150g位)

・にんにく:1片

・顆粒コンソメ:小さじ1

・塩:小さじ2/3

・オリーブオイル:大さじ2~3

・レモン:1個

・イタリアンパセリ(あれば):少々




 さて、早速作っていこう。まずは砂抜きしたアサリを酒蒸しにしていくぞ。アサリの殻同士を擦り合わせて洗い、ザルにあけて水気を切る。耐熱ボウルに入れたら全体に白ワインを回しかけ、ラップをして600wのレンジで3分チンする。この時の目安はアサリの口が開く事だが、加熱が足りなくて開かない場合もあったりするので、そこは様子を見つつ調整してくれ。アサリから出た汁は米を炊き込む時に使うので捨てないようにな。

 お次はやりいか。内臓とゲソを引き抜いたら、胴体は皮と軟骨を取り除いて1cm位の輪切りにしていく。ゲソの方は目と口、内臓を取り除いてから食べやすい大きさに刻む。

 魚介の下拵えが済んだら、お次は野菜の下拵え。玉ねぎはみじん切り、にんにくは縦半分に割って芽を取り除いたら包丁の腹などを使って潰す。エリンギは縦に4つに割って長さを半分にし、トマトはヘタを取って1cm角の角切りに。

 酒蒸しにしたアサリと、アサリから出た出汁を分ける。分けた出汁は計量カップに入れ、お湯を足して480mlにする。顆粒コンソメと塩を加えて米を炊く用のスープにする。

 さて、具材の準備が出来たので炒めていくぞ。フライパンにオリーブオイル大さじ1を引いて熱し、エリンギ、イカの順番に加えて炒め、イカの色が変わったら一旦取り出す。イカとエリンギは水分が多いので、予め炒めておいて水分を飛ばしておく。

 フライパンにオリーブオイル大さじ2~3を引き直し、にんにくを中火で炒めて香りを出す。香りが立ってきたら玉ねぎを加え、透き通るまで炒める。

 玉ねぎが透き通ってきたら米を研がずに加え、炒め合わせる。米が油を吸ってツヤツヤしてきたらトマトを加えて混ぜ、アサリの出汁入りスープを加える。蓋をせずに加熱し、沸騰してきたら底から掬い上げるように全体を混ぜて表面を均し、イカとエリンギを上に散らして蓋をして弱火に。12~15分、水分が無くなるまで炊いていく。

 火を止めて蓋を開けたらアサリを上に乗せて、すぐに蓋を戻して8分程蒸らす。蒸らし終わったら蓋を取り、再び強めの中火に掛けて、残った水分を飛ばしつつ好みの加減のお焦げを作る。

 仕上げにイタリアンパセリを散らし、くし切りにしたレモンを飾り付けたら完成。フライパンのまま食卓に出してもいいだろうし、皿に盛り付けてだしてもOKだ。



「さぁできたぞ、『アサリのフライパンパエリア』だ」

「やった、シーフードパエリア!」

「これこれ、これが食べたかったの~!」

 海老とかムール貝とかは入ってないからな、リーズナブルに仕上げてみた。レモンを軽く絞って全体にかけ、ふっくらと炊き上がった米と魚介を一緒に頬張る。アサリの旨味を含んだ米はそれだけでもご馳走だ。幸せそうに頬張る2人を眺めながら、俺は1つの推論に至っていた。

「どうしたの提督、難しい顔して?」

「ん?いや、パエリアってもしかしたら炊飯器でも作れるんじゃねぇかと思ってな」

簡単に言えばパエリアは炊き込みご飯だ。上手く材料や炊き上げる時の水分の量を調節してやれば、やってやれない事は無いのではないか?と思い付いた訳だ。炊飯器で作れるなら、フライパンよりも手軽だ。

「どれ、試しにやってみるか」
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧