詩集「棘」
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通り雨
ありふれた街の中
すり抜けるように歩く人の波
まるで知らん顔して
吹いてゆく風のようで…
何だか寂しさ溢れて…
逃げ出したくて駆け出していた…
真昼の通り雨
涙(オモイ)が降り注ぐよ
足元に青空映した
水溜まり(カナシミ)だけが残っていた…
木洩れ日に惑う光
優しさ求め彷徨うように
人は仮面をつけて
線を引いて生きている…
移ろう風景に騙されて
君の姿見付けられず…
夕暮れの通り雨
心に痛みがさす
不意にそよぐ風に乗って
恋しい気持ち残してった…
夢薫るような…
淡い夏草の匂い…
切なる願いへと沁みて
真実(ホントウ)の想いを浮き出させ…
朝(アシタ)の通り雨
君の影濡らしてく
思い出に滲んで広がり
淋しさすらも残していった
真昼の通り雨
涙(オモイ)が降り注ぐよ
足元に青空映した
水溜まり(カナシミ)だけが残っていた…
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