詩集「棘」
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幻の雪
合わせた手のひらが熱く
霞んで消えた…
目が覚めて起き上がり
夢だと気付いた…
朝の陽射し眩しすぎて
少し憎らしくなった
そんな自分に悲しくなって
見上げた空が歪んで見えた…
夏空に煌めく幻の雪
心の底へと降り積もってく
逢えない淋しさこだまして
叫ぶ想いに耳を塞いだ…
棘々しいこの感情
胸を貫く…
最悪な想像は
いつか現実に…
自分の身を固く抱いて
明日が来ること拒んだ
そんな意味のないことをしても
去り行く時は止めようもない…
月影に輝く幻の雪
叶わぬ願い…いつまで祈るの?
垣間見えた先の未来は
凍てつくような氷雪の波…
交わすことのない言葉…
紡がれることのない物語り…
この想い伝えたならきっと…
全ては砕けて消えて逝く…
思い出に舞い散る幻の雪
世界を白くただ染め上げてく
焼きついた君の影さえも
いつかは白く消えてゆくのかな…?
夏空に煌めく幻の雪
心の底へと降り積もってく
逢えない淋しさこだまして
叫ぶ想いに耳を塞いだ…
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