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真田十勇士

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巻ノ八十三 仕置その十

「これならば問題ないであろう」
「はい、それがしもそう思います」
「ではな」
「はい、それでは」
「手は打つ」
 打てる手は全てというのだ。
「そしてそのうえでじゃ」
「天下人となられますか」
「そのつもりじゃ」
「平和に」
「戦は終わった、後は万が一に備えるにしても」
「血は流さない様にしていく」
「そうする、では仕置は間もなく終わる」
 そうなるからだというのだ。
「都に向かうぞ」
「さすれば」
「それと江戸城じゃが」
 家康はこの城の話もした。
「ようやくじゃが」
「はい、いよいよですな」
「確かな城に出来ますな」
「江戸に入ってから何も出来ませんでしたが」
「それでもですな」
「この時も来た」
 江戸城のこともというのだ。
「ではな」
「はい、改築ですな」
「江戸城の大規模な改築も行い」
「この上なく大きな城にする」
「そうされますか」
「天下を治める城じゃ」
 だからこそというのだ。
「この上なく大きな城にするぞ」
「この大坂城よりも」
「さらにですか」
「大きな城にされる」
「そうなのですな」
「そうじゃ、天下の城にするのじゃ」
 家康は江戸城から天下を治めることを決めていた、それでそれが出来るだけの大きな城にするというのだ。そこに天下が治められるだけのものを入れる為に。
「守りも確かなな」
「そしてです」
 今度は天海が言ってきた。
「結界もです」
「風水や寺社のじゃな」
「江戸は非常に風水がよい場所ですし」
「そこも完璧にか」
「していきましょう」
「そのことは御主に任せた」
 天海、彼にというのだ。
「これまで通りな」
「さすれば」
「見事な結界を築いてみせよ」
「そうします」
「これまで以上に見事な天下にする」
 家康はこの思いも述べた。
「必ずな」
「その為にもですな」
「あらゆることに万全を期していく」
「そうするのですな」
「その通りじゃ」
 また家臣達に話した、そして仕置を全て整えてだ。
 家康は大坂城を後にした、その時にふとだ。服部が家康に言われた。 
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