Blue Rose
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第四十六話 対策その三
「何とかね」
「隠しておくべきですね」
「知っているのは私達だけでいいのよ」
「ごく限られた」
「この療養所でもそうだった位だから」
「ここでも知ってるのは五人位ですからね」
そこまで徹底してだ、優花の秘密は守っていたのだ。
「療養所の中でも」
「私達を入れてね」
「それじゃあですね」
「謄本のそこをトップシークレットにする」
「これまで以上にですね」
「そうなる様にね」
「動いていくべきですか」
岡島は真剣な顔でだ、副所長に言った。
「ここは」
「そうすべきかもね」
「やっぱりそうですか」
「探偵でもしないことだけれど」
戸籍謄本まで調べることはだ、何しろ当人ですら滅多に閲覧すら出来ない様なものだからである。
「犯罪者の中でもね」
「とりわけ悪質な連中がまた出たら」
「まずいですね」
「ええ、これはやっぱりね」
「八条家の方々にですか」
「動いてもらわないといけないかもね」
副所長は岡島に言った。
「それこそね」
「あの方々ですか」
「そう、ロスチャイルドに匹敵するね」
「資産と影響力を持つ」
「あの方々に動いてもらうべきかもね」
こう言うのだった。
「ここは」
「やっぱりそうなりますか」
「二度とこんなことが起こらない様にって思ったら」
「まずないと思いますけれどね」
「私もそう思うけれど」
「念には念を入れてですね」
「そうよ、本当にね」
危惧する顔でだ、副所長はまた言った。
「万全によ」
「やっていかないといけないからこそ」
「まず、蓮見さんの様なことは滅多なことではね」
「ないことですからね」
性転換、自然なそれがというのだ。
「まずそのことがあって」
「今回は滅多にいない様な犯罪者達が相手だったわ」
「有り得ないまでにモラルのない」
「そんな屑と呼ぶにも値しない様なね」
「そうした有り得ないことに有り得ないことが重なったから」
「余計に思ったのよ」
「どうすべきか」
「そう、やっぱりね」
本当に、というのだ。
「万全であるべきってあらためて思ったのよ」
「というかよくあそこまで出来ましたね」
衝夫達はとだ、岡島はここで彼等のことにあらためて言及した。
「市役所から本籍地まで調べるとか」
「本当に探偵でもしないですね」
「そこまでして脅迫するなんて」
「相当なことですね」
「そこまでの悪人は多分ここでね」
「悪事が一気にばれてですか」
「破滅するわ」
人間的にも社会的にもというのだ。
「そうなるわ」
「まあそうでしょうね」
「因果応報は世の中に絶対にあるから」
「自業自得もですね」
「あるわ、けれど因果が巡る前に何かあったら」
「遅いですから」
「もう蓮見さんにはね」
優花のことを思って言うのだった。
「二度とこんな目には遭わせないわ」
「その為にもですね」
「打てる手はね」
「全部打って万全にしますか」
「ええ、けれどね」
「それはもう僕達の手を離れたところにありますね」
「そうした面が強くなってきたわね」
副所長は岡島に答えた。
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