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Blue Rose

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第四十四話 あえて罠にその二

「根は同じよ」
「直情的ですか」
「しかも天狗よ」
「自分を偉いと思っていて」
「周りは見えていないわ」
「そうした奴なんですね」
「正直言って頭はかなり悪いわ」
 衝夫も鍛冶元もというのだ。
「かなりね」
「だからですか」
「そう、相手をするにはね」
「無法者で厄介でも」
「与し易いわ」
「そういう奴等ですか」
「結局は弱い相手を虐げたり脅迫を繰り返しているだけよ」
 衝夫や鍛冶元、そして彼等の様な連中はというのだ。
「そうした奴等は弱点も多いのよ」
「法律とかですか」
「ええ、無法には法律よ」
 それで対して、というのだ。
「また言うけれど」
「それで対するんですね」
「悪巧みには正しい策略よ」
「正しい策略ってあるんですね」
「そうよ、こうした場合はね」
「正しいんですか」
「そうした策略になるのよ」
 私利私欲を無法に基づき満たそうとするのではなく誰かを守る為に法律やモラルに従い行うのならというのだ。
「それならいいのよ」
「それじゃあ」
「副所長さんと岡島君も来たら」
「その時は」
「行くわよ」
「はい、佐世保に」
 龍馬も頷いた。
「行きましょう」
「そして全部終わらせるわ」
「そうですね、ふざけた奴等を潰して」
「全く、学校の先生とか新聞記者はね」 
 優子は眉を顰めさせてこうも言った。
「変な人が多いわね」
「それ本当にそうですよね」
「そうでしょ、何かとね」
「元々マスコミは学生運動やってたのが入ったんですよね」
「そうよ、戦争が終わってすぐにマルクス主義に急にかぶれていって」
 このことは知識人の全てに言えた、戦後急に進歩的になった者が多かったのだ。中には大内兵衛や久野収の様に戦前から治安維持法に捕まる様なソ連べったりの輩もいた。治安維持法は悪名高いが当時のソ連、革命で多くの処刑を行いスターリンが大粛清を行っていたのだ。日本が共産化すればどうなるか言うまでもなかった。
「それでね」
「マスコミもだったんですか」
「スターリンや金日成への礼賛が凄かったのよ」
「その二人ですか」
「驚いたわね」
「どっちも独裁者じゃないですか」
 龍馬は今現在完全に見極められたうえでの評価から言った。
「そんな連中を褒めていたんですか」
「そうよ」
「そうだったんですね」
「そう、そしてね」 
「そんなところに学生運動やっていた連中が入って」
「今に至るのよ」
「そうだったんですね」
 龍馬も話を聞いてだ、呆れ返ってそして怒りも感じていた。
「酷い話ですね」
「日教組も同じよ」
「マルクスが入ってですか」
「そう、スターリンや金日成を礼賛している先生が増えてね」
 恐ろしい話だが歴史的事実である、京都のある学校では教師達が生徒にアジテートをさせていた程だ。 
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